バーチャルボーイグループの先駆者、PLAVEの圧倒的“リアル”な存在感 単独コンサートアンコール公演を観て

 バーチャルボーイグループ・PLAVEが、韓国の蚕室室内体育館で『PLAVE FAN CONCERT 'Hello, Asterum!' ENCORE』を開催した。本公演は4月に行われた初の単独コンサートのアンコール公演で、10月5日、6日の2日間にわたって開催。本稿では10月5日公演の模様をレポートする。

 PLAVEは、YEJUN(イェジュン)、NOAH(ノア)、BAMBY(バンビ)、EUNHO(ウノ)、HAMIN(ハミン)の5人によって構成されており、ウェブトゥーン風のアバターが特徴だ。2023年3月に韓国でデビューして以来、YouTubeでのライブ配信や楽曲リリースを重ね、着実に人気を得てきた。セルフプロデュースグループとして作詞曲、振り付けをメンバー自身が手掛けており、その実力はたしかなもの。今回のコンサートも発売開始からわずか10分でチケット完売となったことからも、人気の高さが窺える。

 この日のオープニングナンバーは、デビュー曲「Wait for you」。暗闇から白い衣装に身を包んだ5人が登場すると大歓声が巻き起こる。宇宙空間を思わせる光景をバックに、メンバー一人一人の声の美しさとダンスのコンビネーションで魅せ、PLAVEの強みとは何かをストレートに伝えた。

 自己紹介に続いて、PLLI(プリ/ファンの呼称)とペンライトでコミュニケーションを取って場をあたためると、「I Just Love Ya」をスタンドマイクで披露。カジュアルな衣装に着替えて、南国風の背景ピンクを基調にしたかわいらしいステージセットで「Why?」「Virtual Idol」と立て続けに歌い上げた。ユニークなダンスとリラックスした雰囲気から、5人の仲のよさが滲み出る。最新曲「Pump Up The Volume!」ではコール&レスポンスとハードなダンス、そして彼ら特有のユーモアあふれるステージングで温度を上げていった。曲の終わりに舞台上から消えるバーチャルならではの演出も印象的だ。

 企画コーナーではまず「INSIDE PLLI」と題し、メンバーがそれぞれPLLIの心のなかに入り感情を担当するという試みが行われた。担当する感情は、EUNHOが喜び、BAMBYがムカムカ、YEJUNが悲しみ、HAMINが怒り、NOAHが心配。各々がアバターに加えられたアクセサリーや表情を巧みに操りながら、感情を表現する。次の「TOO MACH PLAVE」では、それぞれの感情に関するクイズが出題され、パーソナルなエピソードトークが展開。彼らの固い絆を示した。さらに様々なリクエストに応えてラップや歌、ダンス、アカペラなどを次々にワンフレーズ披露し、PLLIへ贈る。コーナーの最後には、デビューしてからの1年半を振り返る時間も設けられた。コーナー企画を通じ、彼らの素顔やユーモアセンス、バラエティ力、サービス精神をあらためて感じ、そこにはファンを思う心や自分たちの歩みに誇りを持っていることも伝わり、メンバーもPLLIも笑顔のあふれる時間となった。

 和やかな空気感から一転し、BAMBYによるソロステージがスタート。IUの「Hold my hand」をカバーした。軽やかにステップを踏み、会場を見渡しながら熱唱し、美しい花弁のエフェクトも印象深い。さらにEUNHOは未公開曲の「LIT」を披露。ビートに合わせて高いラップスキルを自在に操り、場を掌握する。瞳が光る演出もクールだった。サイバーな衣装にチェンジしたBAMBYとEUNHOが、aespa「Next Level」をカバー。激しいダンスとラップで、彼らのかっこよさを前面に出したハードなステージだ。

 HAMINのソロは、NF「The Search」のカバー。ステージが上にリフトし、そこから飛び降りてアクロバットや激しい戦闘を取り入れたステージングは、さながらアクション映画のワンシーンのよう。バーチャルであることとHAMINのスキルが最高地点で融合した大迫力の演出だ。

 ステージに再び5人が揃い歌われたのは、「The 6th Summer (Band ver.)」。見事に揃ったダンスと澄んだハイトーンボイス、ファルセットを駆使した歌声でPLAVEのチームワークを感じさせる。そこにPLLIのコール&レスポンスやシンガロングも加わり、会場が一体となっていった。

 NOAHのソロ「Drowning」はWOODZのカバーだ。Tシャツにデニム姿で熱唱を聴かせるシンプルなパフォーマンスによって、その表現力とカリスマ的な存在感を見せつけた。会場をふたつに分けての歓声対決など高い温度感で進められたMCに続き、熱量はそのままにパフォーマンスした「Watch Me Woo!」は、スタイリッシュなコンビネーションダンスで魅せた。

 BLACKPINK・ROSÉの「On The Ground」をカバーしたYEJUNのソロも圧巻であった。グランドピアノでイントロを奏でるとピアノのボディに飛び乗り、ウィスパーボイスからシャウト、テクニカルで多彩なボーカルを自在に響かせた。

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