草彅剛が博物館級のコレクションに思いを馳せる瞬間 “ヴィンテージ”に惹かれる理由を考える

 芸能界屈指のデニム好きとして知られる草彅剛が、ついに所有しているヴィンテージデニムをお披露目することが決定した。11月9日から17日まで東京・6142にて開催される展示会『STAY BRAVE』。その詳細は後日発表予定とのことで、どんなイベントになるのか続報が待ち望まれる。

 これまでも草彅は多くのメディアでヴィンテージデニム愛を語り続けてきた。2022年8月には『アメトーーク!』(テレビ朝日系)にジーンズ大好き芸人として出演。その熱量の高いトークで視聴者を楽しませたことも記憶に新しい。

 そして自身のYouTubeチャンネルでも多くのコレクションを自宅から持参し、熱く語る動画を定期的に投稿してきた。古着好きなら共感必至のコアな話題も少なくないのだが、ファッションに関する知識がまったくないというビギナー視聴者も楽しく観られるのは、きっと草彅の「好き」がまっすぐに伝わってくるからだろう。

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 草彅の動画を観続けていくうちに、いつしか「ヒゲ」(太もも上部あたりに出てくるはきジワ)や「ハチノス」(膝の裏あたりに出る蜂の巣状のシワや色落ち)、「リジット」(加工されていないデニム)、「デッドストック」(未使用で長期間保存されていたもの)といった用語が馴染みあるものになってきたという視聴者も少なくないのではないだろうか。

 何度も動画で登場していくうちにNAKAMA(ファン)の記憶に残るアイテムになったものもいくつか誕生している。たとえば、草彅が香取慎吾にプレゼントしたというジージャンもそのひとつ。背中がTの字にステッチされていることから「Tバック」と呼ばれているそのジージャンは、年々価格が高騰しており最近では1000万円を超える値をつけるものもあるそう。

 かつてのプレゼントがそんなお宝アイテムになっていると聞いて、香取が久しぶりにそのジージャンをクローゼットの奥から取り出してみた動画も、香取のYouTubeチャンネルにアップされている。ところが、いざ着用してみたところ「ちっちゃ! つよぽん、これ着れんわ!」と嘆くオチが。着られないというのであれば、ぜひ香取の体の大きさを推測できるアイテムとして今回の展示会で多くのNAKAMAにお披露目してもらえないだろうか。

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 この「Tバック」ジージャンが草彅と香取の歴史を象徴するアイテムとなったように、長年愛用したものには、それに関わった人たちの人生が刻まれるものだと草彅のトークを聞いていると再認識できる。ヴィンテージデニムとは、想像力をかき立てる歴史ミステリーなのかもしれない。

 草彅はデニムのみならず、さまざまなヴィンテージアイテムを愛でながらシワや傷、汚れをもとに、元のオーナーがどんな生活をしていたのかと想像をふくらませる。直近の動画でも茄子紺のスウェットコレクションを広げて、もしかしたら元のオーナーは几帳面な性格だから畳んだ形で日焼けしているのではないかと予想したり、異なるオーナーが所有していたはずなのに、同じようなダメージがあるアイテムを並べて「この人たちは同じ方向に家が建ってて、強い朝の日差しを浴びてたのかも」なんて生き生きと語る。そんな草彅に誘われて、我々もタイムスリップした気分になっていくのだ。

 今でこそ1本数十万円〜百万円となるものも珍しくない高い値段が付くヴィンテージアイテムたちだが、生産された当時は作業着など普段着として多くの人たちに着用されていたもの。どんな人が、どんな労働環境で、どんな作業をしていたときにできたダメージなのか。草彅が「味」「歴史」「ロマン」と思いを馳せる姿に、こちらまでワクワクしてくる。

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