岸優太の本当の顔と実力が見つかった――Number_iとして駆け抜けた一年を総括 29歳はどんな年に?
岸優太にとっての28歳は、人生のターニングポイントとなった一年だったはずだ。昨年28歳の誕生日を迎えたおよそ2週間後、10月15日にTOBEへの所属を発表。新たな道で歩みを進めることとなった。
その岸が、9月29日に29歳の誕生日を迎える。
所属発表と同日には、平野紫耀、神宮寺勇太とともにNumber_iが結成された。グループ名の“Number_i”は岸が発案したもので、そこにはナンバーワンやオンリーワン、さらにファンと一緒に歩んでいくという意味が込められている。「いちばんを目指すのは何よりも大切なことですけど、それ以上に大切なのって道筋だと思うんですよ」――結成時の生配信での岸のこの言葉からは、頂点に立つという結果だけでなく、そこに至るまでの一つひとつの活動に真摯に向き合うこと、挑戦を重ねる自分たちを見届けながら一緒に楽しんでほしいという想いが伝わってきた。
グループ結成から2カ月半後の1月1日、Number_iのデビュー曲「GOAT」がリリースされた。曲自体も意外性を感じさせるものだったが、なかでも岸のトリッキーなラップに衝撃を受けた人は多かっただろう。3人がそれぞれ個性の際立つボーカルを届けるなかで、岸のパートは特にインパクトが強く、変幻自在の声色と独創的なスタイルに驚かされた。そんな斬新な彼のラップは、MONJOE(DATS)やPecori(ODD Foot Works)といった楽曲制作陣を唸らせるほど。
一方、2ndデジタルシングルのバラード曲「Blow Your Cover」、ミニアルバム『No.O -ring-』収録の自身プロデュース曲「Banana (Take It Lazy)」や「No-Yes」などでは、また違った伸びやかな歌声を披露している。岸の豊かな表現力はダンスに関しても同様で、どんなジャンルもしなやかに踊りこなす姿に、楽曲のリリースや音楽番組の出演後、SNSでは「印象が変わった」という声もたびたび見受けられた。8月に放送された『NHK MUSIC EXPO 2024』(NHK総合)では、岸の高いダンススキルが注目の的に。公開直後には「岸くんのダンス」といった関連ワードがX(旧Twitter)でトレンド入りしたのも記憶に新しい。
Number_iとしては、4月に『Coachella Valley Music and Arts Festival 2024』、8月に『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024』『SUMMER SONIC 2024』といった大型フェスにも出演してきた。この一年、多彩な楽曲を届け、幅広い客層が集まる音楽フェスでのパフォーマンスも叶ったことで、岸の新たな魅力が引き出されたと同時に、高い歌唱力とダンススキルがより広まっていった印象だ。
アーティストとしての実力を発揮する一方で、トークやSNSでは持ち前の愛らしさで周りを和ませてくれた。グループでは唯一Xの個人アカウントを開設しているが、“岸くん構文”と呼ばれている「!」や「笑」を多用した文章、“1人質問箱”と題して自分で質問と回答を完結させる投稿など、岸ワールド全開。このユニークな言動も、この一年で“初めて”多くの人の目に映ったものとも言えるだろう。