B'zの松本孝弘率いるロックバンド TMG（Tak Matsumoto Group）が9月15日、東京・六本木のハードロックカフェ 東京で記者会見を行った。

　TMGは、B'zの松本孝弘によるソロプロジェクトとして、ボーカルにMR.BIGのエリック・マーティン、ベース＆ボーカルにNight Rangerのジャック・ブレイズを迎え、2004年に結成されたバンド。2024年に20年ぶりの活動再開を発表し、全国ツアーの開催も決定している。本ツアーにはGuns N' Rosesなど数々のロックバンドで演奏を支えてきたマット・ソーラム（Dr）、B’zのレコーディング・ライブにも参加しているYukihide “YT” Takiyama（Gt） が参加。さらに新作アルバム『TMG II』を9月18日にリリースする。

　同アルバムのリリースを記念し、9月14日と15日、東京ならびに大阪のハードロックカフェにて、当選者限定イベントとして先行リスニングパーティーが行われた。TMGの3人は、15日のイベント終了後、ハードロックカフェ 東京にサプライズで登場。参加者から大歓声が沸き起こる中、自らの言葉でファンに感謝を伝え、ツアーでの再会を約束した。

　その後、記者会見がスタート。まずはファンの前にサプライズ登場した演出について率直な感想を求められると、松本は「とても久しぶりだったので楽しいですね」「あまりこういう機会もなかったので、新鮮でした」と笑顔でコメント。エリックは「（サプライズ演出は）最高だった！」と話し始めると、「松本さんのファンが沢山いて、彼らがみんな新しいアルバムを楽しんでくれたことが表情から分かったので、すごく嬉しく感じた。今日、ここに来れて幸せ」と、少しの間ファンと交流を持てたことに大きな喜びを感じた様子。ジャックは「『TMG I』のとき、実はこのハードロックカフェ 東京で打ち上げをやった。だから、20年経った今、ここからこうして活動を始められるのが一つのサイクルに感じられて、最高のスタートだと感じる」と、ハードロックカフェ 東京とTMGとの縁に言及した。

　また、20年前にTMGが結成された経緯についても質問があった。松本は当時、海外アーティストとのバンド活動を構想していたといい、「B'zがサンフランシスコのフィルモアでライブをやったとき、エリックとジャックが観にきてくれて、そこでTMGの話をもちかけました。それでやってみようとなったことが、大きなきっかけ」とバンドの結成秘話を明かした。

　20年ぶりに再始動することになったいきさつについては、まずは松本がマイクを取り、「今までも再始動の話はでていたが、なかなか皆のスケジュールを合わせるのが難しかった」「一昨年の11月ぐらいにジャックとエリックに『もう一度TMGをやるのはどうだろう』と連絡したところ、すぐに『やろう』と2人から返事が返ってきたので、スケジュールを考慮して2024年に活動を行おうということになった」と経緯を改めて説明。その話を受けてジャックは、「20年前が20日前のことに感じられる」「今回、マット・ソーラムがドラマーとして参加している」「（『TMG I』よりも）サウンドのパワーが10倍くらい上がっているので、楽しんでいただけたら」とコメント。一方、エリックは「最初のTMGでの活動は、自分の人生の中でも最高だと感じられるものの一つ。毎日がディズニーランドに来ているような、本当に楽しい日々を送れる活動。だから、TMGの再始動については、時々松本さんと話をしていた。ただ、2008年にMR.BIGが再始動したり、松本さんも自分の活動が忙しかったりとタイミングが合わず、時期を待っていた。MR.BIGの最後のツアーが終わったので、（2024年の再始動は）タイミング的には良い時期だったのではないか」と、今日までに自身が感じていたことも含めながら、再結成に向けた経緯を語った。

　新作アルバム『TMG II』の制作については、忙しいスケジュールの合間を縫いながらレコーディングを進めていったことが明かされた。松本は「皆がツアー中で、3月にジャックとマットがリズムを録って、6月にエリックが歌を入れるという感じで」「今のテクノロジーがないと、（完成は）難しかっただろうなと思う」「出来栄えにはとても満足しています」と、制作秘話を明かした。また、ツアーリハーサルも順調に終えたようで、松本は「20年ぶりにやったという感じは全然なく、初日からある程度形になって、2日目以降どんどん良くなっていった。バンドはとてもいい感じです」と笑顔でコメント。

　最後に、3人からファンへのメッセージが語られた。松本は「皆で一丸となって、素晴らしいサウンドをお聞かせできるように頑張ります。ぜひ皆さん、（コンサートなどに）いらっしゃってください」と語ると、エリックは「（TMGとして活動する）この瞬間をずっと待っていました。来週から始まる活動を、毎日新鮮な気持ちで味わいたい。このバンドが大好きで、日本のすべてのファンの前で演奏できることが嬉しくて仕方がない。ジャックも松本さんも、ここに僕を連れてきてくれてありがとう」「そして、僕自身が気に入っているアルバムをぜひ皆さんも楽しんでください」と、終始楽しそうな表情で思いの丈を語った。最後にマイクを手に取ったジャックは、「再び日本に、そしてこの場所に来ることができて幸せです。松本さんという素晴らしい主催者がいるからこそ、これからのツアーも含め、日本で起こるすべてのこと、これからお会いするすべてのファンとの時間がエキサイティングなものになるのだと思う。皆さんにありがとうと何度でも言いたい」とファンへの言葉をまとめ、記者会見を終えた。