IVE、DIVEへの愛と感謝届ける涙のステージに “世界的グループ”になったことを証明した初のワールドツアー

 IVEが9月5日、東京ドームにて、ワールドツアー『IVE THE 1ST WORLD TOUR 'SHOW WHAT I HAVE'』のファイナル公演を開催した。2023年10月7日の韓国・ソウル公演を皮切りに、アジア、北南米、ヨーロッパの19カ国・28都市を巡ってきた彼女たち。記念すべきツアーファイナルはメンバー悲願の東京ドームが会場となり、圧倒的な実力に裏打ちされたIVEならではの華やかなパフォーマンスをもって、約3時間にわたってその会場を埋め尽くす大勢の観客を魅了し続けた。

 思わず鳥肌が立ってしまうほどの大歓声の中でスタートした、IVEのステージ。生バンドの演奏の中、DIVE(ファンの呼称)の歓声を全身に浴びながら登場した6人のメンバーたちは、そのままモデルのようなウォーキングで中央ステージへ移動すると、「I AM」をパフォーマンスした。メンバーが高音域の歌声を響かせ、可憐なダンスを繰り広げるたびに、「IVE!」と楽曲に合わせたかけ声が沸き起こる。6人は冒頭から会場のテンションを一気に引き上げていった。

 そのまま「Royal(Rock Ver)」と「Blue Blood」を披露。今回の公演では、全楽曲で生バンドが演奏を行っている。もともと電子的なサウンドのイメージが強い「Royal」も、バンドによるロックアレンジがなされたことで、メンバーの歌唱力やラップの実力が引き立ち、新鮮なパフォーマンスへと昇華されていたのを特筆しておきたい。

 ここでMCへ。「初のワールドツアーへようこそ!」とYUJINがDIVEを歓迎すると、WONYOUNGが「11カ月間のツアーを経て、東京ドームで最後のステージを迎えることになりました」と笑顔で語りかける。LIZが「DIVEの皆さんが観たいと思っていたすべてが、今日このステージで観れますよ!」と話すと、客席のあちこちから喜びの声が聞こえてくる。LEESEOの「準備できましたか? いきましょう!」のかけ声で「Blue Heart」へ。ステージを広く使いながら、会場中のDIVEに目配せして歌う6人。その姿にDIVEは大盛り上がりだ。ブルーとエメラルドに輝くペンライトが幻想的な雰囲気を作り出し、楽曲の世界観をさらに盛り上げていく。

YUJIN
GAEUL
REI

 「Holy Moly」の後、デビューシングルのタイトル曲「ELEVEN」を披露。YUJINの「Tokyo! Make some noise!」の声を合図に火花が舞ったかと思うと、楽曲のラストはメンバーが複数のダンサーとともにクールなダンスを展開する特別仕様で展開され、一瞬たりとも目が離せないステージだった。

WONYOUNG
LIZ
LEESEO

 ピンクのキュートな衣装に着替えたメンバーがステージに再登場すると、WONYOUNGがDIVEへの想いを込めて作詞したバラードの「Shine With Me」へ。心にじんわりと染み込んでいくような歌声を披露した6人。この楽曲を聴いている間、DIVEはメンバーが日頃から感じているファンへのあたたかな気持ちをしっかりとキャッチすることができたのではないだろうか。

 そんな心の交流の意味合いも強い楽曲を歌ったからか、続くMCでは、涙をこらえる様子を見せたLIZ。思わず涙が出てきてしまった理由を「DIVEの姿を見ていると本当に感動して」と語ると、そんな彼女を応援するかのように客席からは再び大歓声が沸き起こる。GAEULも「私も涙をこらえるのが大変でした」とLIZに共感。作詞を担当したWONYOUNGは、「LIZちゃんに共感した。感動しました」と先ほどのステージに心動かされたことを明かした。

 しばしのトークを挟んだ後、GAEULが「私たちの未発売の曲をサプライズで公開しようと思います!」と語ると、会場からは驚きの声が。REIが「デヴィッド・ゲッタさんと曲作りの作業をしました」「曲を聴いてもらったら、なぜ東京ドームで初披露することにしたのかわかっていただけると思います」と期待を煽るコメントを残し、未発表曲「SUPERNOVA LOVE」のパフォーマンスがスタート。流れてきたのは、坂本龍一「戦場のメリークリスマス」の中にある情緒的な旋律。「戦場のメリークリスマス」をサンプリングし、IVEならではの解釈でハウス系の楽曲へと昇華した同曲のパフォーマンスは、刻むビートと心動かされる洗練されたメロディに乗せられるメンバーの儚げな歌声が印象的。勢いをそのままにJapan 2nd EPに収録された「CRUSH」を披露して、MCへ。そして、ユニットステージに突入した。

 まず真っ黒な衣装に着替えたGAEULが登場し、大勢のダンサーを従えてアリアナ・グランデの「7 rings」で大人びたパフォーマンスを見せると、続いてセーラー服を身にまとった可愛らしい姿のREIが登場し、本人が愛してやまないというOriginal Loveの「接吻」を歌唱した。そして、GAEULとREIでSpice Girlsの「Wannabe」を披露。ラップと歌、ダンスで魅せるステージはとてもポップで楽しげな空気を漂わせ、見ている側も思わず笑顔になってしまう力を持っていた。

 続いて、映画『塔の上のラプンツェル』から「When Will My Life Begin?」を、プリンセスのような華やかなドレスに身を包んだWONYOUNGとLIZが歌う。まるでミュージカルのような一幕に夢見心地でいると、YUJINとLEESEOがLittle Mixの「Woman Like Me」をカバー。黒いレザーの衣装に身を包んだ2人は、さっきまでとはまた違った非常にクールなステージを展開していく。

 ミステリアスな映像を挟んだ後、黒と赤の統一感ある衣装に身を包んだメンバーがステージに再登場。ダークな雰囲気の「Hypnosis」で空気を一変させると、「Accendio」で再び大きなファンコールが沸き起こり、“女子が憧れる女子”といえばまさに彼女たちなのだと思わされるような、クールで華やか、それでいて全ての振り付けを通して美しいパフォーマンスを見せ、会場を沸かせた。

 ユニットステージにかける想いやその意図をたっぷりと語ったMCを経て、WONYOUNGとGAEULによる曲紹介から「LOVE DIVE」をパフォーマンス。続けて、「Kitsch」「After LIKE」と歴代タイトル曲を披露して会場を大いに盛り上げると、アップテンポなポップソング「NOT YOUR GIRL」へ。同曲を歌っている間、6人はそれぞれ笑みを浮かべていた。それは本当に良い表情で、今日までの約1年にわたるツアーがいかに充実したものだったのか、その一端を感じ取ることのできた時間となった。

 WONYOUNGが「今日のコンサートも最後の1曲となりました」と話し始めると、残念がるDIVEたち。その声を聞いてLIZは「本当に残念ですが、DIVEの皆さんが望んでくれるなら、私たちはいつでも戻ってくるってわかってますよね?」と優しい言葉をかける。本編最後の楽曲は「HEYA」。最後の瞬間までゴージャスで見ごたえのある空間を作り上げ、6人はステージを後にした。

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