GANG PARADE ヤママチミキ＆ユメノユア×不眠症対談で紐解く絆と「トーナリティ」、そして雄之助＆牛肉が明かす「一夏」秘話

【雄之助＆牛肉「一夏」メールインタビュー】GANG PARADEで体現した“心に残るメロディ”と“切なさと向き合う姿”

――「一夏」は、やるせなさと幻想的なムードが漂う、とても素敵なサマーチューンで、GANG PARADEの楽曲としても新境地だと思います。彼女たちの楽曲を制作するにあたって、どのようなテイスト、アイディアを盛り込みたいとイメージしましたか？

雄之助：彼女たちのそれぞれのかっこよさやそれぞれの表現を活かしたく、疾走感もありながら、しっかり重みのある印象を与えるようなトラックを目指しました。全体アレンジに関しては、今ならではのサウンドデザインや、ドロップパートも採用しています。ただ、そんな考えられたアレンジでありながら盛り上がる、心に残るメロディを意識して制作しました。

――盛り込む要素、キーワード、方向性などについては、何かリクエストを受けていましたか？

雄之助：キーワードやイメージに関しては、予めメンバーの方々からオケを聴いた時の印象やそれによって浮かんだイメージなどを書き起こしていただきました。オケ制作時の楽曲の大まかな方向性に関しては、僕のスタイルでぶつけさせていただきました。

――歌詞の全体に散りばめられている“夏祭り”の要素が印象的です。賑やかさ、人混みのイメージが湧くからこそ、主人公が抱いている喪失感、寂しさ、胸の痛みが浮き彫りにされている歌詞ですが、〈外れたクジの風船〉というワードが突然出てくるのも、主人公の心情を鮮やかにイメージさせてくれるポイントになっていると思います。けたたましくて滑稽な風船の音を聴きながら主人公が抱いている心情を想像すると、とても切ない気持ちも生まれてきますが、歌詞を書くにあたって、どのような世界観、物語を描くことを目指しましたか？　また、雄之助さんが手がけたトラックを聴いた時に思い浮かんだイメージは、どのようなものでしたか？

牛肉：端的に言ってしまえば恋人との別離がテーマなのですが、
辛いことだけど現実逃避をせずにちゃんと向き合い、
受けた喪失感をどうにかこうにか心のなかで納得させようと、
葛藤する姿を描いております。
GANG PARADEさんの楽曲を聴かせていただいたところ、
どちらかと言えばパンク的でファンキーな印象があり、
シンプルなアイドルの歌詞を渡してしまってはファンたちに通用しないなと、
気を揉みながらもあえて明るさよりも虚しさを強調するようにしました。
嫌なことがあったら途端に視界が毒々しく何もかもに嫌いな感情を、
抱いてしまったり気づいてしまったりと蝕まれる時はありませんかね？
皆様はどんな時に〈ゴミで散らされた道〉などのマイナスな夏祭りの印象を感じますか？
そんな方向性で物語の主題である別離の心象を描き、
そしてパンク感を聴き手に届けられたらなと作成しております。
別離の詳細については受け手によって様々変わるよう仕立てております。

――盛り込む要素、キーワード、方向性などについて、何かリクエストは受けていましたか？

牛肉：大人っぽさ、夏の夜という主軸のテーマに加えて、
メンバーの皆様から楽曲を聴いた時のキーワード的なものをいただきました。
こちら折角いただいたものなので全員分の意見は汲み取れませんでしたが、
大体の意見に何となく微かに触れているかのような、
そんな匂いを残すような世界観を作れたらと心がけました。

――「一つの夏」「いつか」というダブルミーニングを含む「一夏」というタイトル、表現に込めた想いについても教えてください。

牛肉：ひとなつの思い出とは、いつかの昔こと。
その時は悲しくて悲しくて仕方ないかもしれませんが､
過ぎ去れば自分の心を育ててくれたよき思い出だって割り切れますし、
笑い話にだってできます。
転じて嫌なことがあってもそれは時が過ぎれば忘れていく、
傷つけられたら癒えますし、後悔があればそれを糧にして自分を強くする。
そんないつかの話になるから大丈夫だよと、
意味を込めてタイトルをつけました。

――手がけたトラックに対して牛肉さんが書いた歌詞を聴いて、どのようなことを感じましたか？

雄之助：まさにこれだと思いました。GANG PARADEのパワーを反映しつつ、不思議な印象を受ける要素もある。さらにそれぞれの歌パートとして分けられた時に、歌う人数の緩急によって生まれる切なさや儚さを強く感じました。

――制作に際して、GANG PARADEの過去の楽曲を聴いたり、映像をご覧になったりしたのではないかと思います。特に興味を引かれた要素や、どのような魅力があるグループだと感じましたか？

雄之助：いろんなことに挑戦していつつ、ちゃんとすべての楽曲が"GANG PARADE"の世界になっている。どんなジャンルの楽曲でもバチっとキメてくれるグループで、今は「一夏」以降の楽曲でどんな新しい部分を見せてくれるのか、いちファンとして楽しみです。それぞれの表現力の高さにも驚きました。

――GANG PARADEの12人が歌うことを踏まえた工夫、盛り込んだアイデアについて教えてください。

雄之助：1Aの〈芽生えた〉のような合いの手のようなパートだったり、一度出てきたメロディラインを複数回使用したり。いちばん考えたのはメロディの緩急ですね。サビでたくさん詰めて歌ってから、〈今、踊るんだ〉〈ただ、ひたすらに／鳴らしてる〉など、間を取って歌う部分を作ったことでかなりサビの印象が強くなったかなと感じています。

――トラックに関しては、涼やかで透明感のあるシンセサイザーの音色、終盤の転調、スタイリッシュで落ち着いたトーンのリズムが印象的です。サウンド面でリスナーに注目していただきたい部分、雄之助さん自身も気に入っていらっしゃるポイントについて教えてください。

雄之助：かなり全体的に凝っていますが、特に注目してほしいのは2番の頭にあるパートです。こういうパートは自分が好きで普段からよくいろんなパターンを考えるのですが、今回は特に他パートが全体的に疾走感があり、たくさんの音で構成されているので、この部分では対照的に“無音”をひとつのオケ作りの要素として使っています。無音による緊張感などがかっこよさだったりシリアスさを生んでいて、個人的にとても気に入っています。

――「一夏」の配信がスタートした8月1日にMVも公開されました。MVを観ての感想は、いかがでしょうか？

雄之助：いろんな要素を汲み取っていただき本当に驚きました。なかなか自身の楽曲×実写という機会も少なかったので新鮮で繰り返し観ています。全体的に色の雰囲気が大好きです！

――今後またGANG PARADEの作品を手がける機会がもしありましたら、どのようなものを作ってみたいですか？

雄之助：今回と変わってあえて次はBPM128くらいのエレクトロハウスなどずっしりとしたベースミュージックをやってみたいなと思っています。今回やりたいことが多すぎて全部はできなかったので……。

――リスナーに注目していただきたい部分がありましたら、教えてください。

牛肉：ネット調べで間違っていたら申し訳ないのですが、
GANG PARADEさんのキャッチフレーズは「みんなの遊び場」で、
ファンの呼称は「遊び人」だと聞き及びました。
遊び場的な場所に遊びに行く時の人間の心は、
主に3パターンあると自分は推察しております。
ひとつはハイテンションにとにかく感情を発散したい時。
ひとつは交友を深めたり団結感を得たい時。
もうひとつがどうしようもなく辛いことを忘れたい時。
GANG PARADEさんの楽曲を拝見している時に、
ふと後者に寄り添う楽曲があってもよいのではないかと、
そんなことを思い描いた次第です。
歌詞の内容は別離ですが本質的には「辛いのを水に流そうぜ」みたいな。
人間辛いことのひとつやふたつを経験はするでしょうし､
そんな時にこの楽曲をGANG PARADEさんが寄り添い歌って、
ファンの皆様と響かせ合っている光景を実現できれば。
夏の随に、これ幸いと思っております。

雄之助：かなり推しポイントは語れた気はしますが、まだあるとすれば、GANG PARADEの皆さんの歌の力強さに注目して聴いてほしいです！　それぞれのアプローチが素晴らしく、ただただかっこいい。そんな僕らが書いた「一夏」たくさん聴いてもらえたら嬉しいです。宜しくお願いします！

■雄之助

サウンドプロデューサー、作編曲家。最先端のサウンドメイクを取り入れ、誰の心にも残るようなポップミュージックを目指して創作している。音声合成ツールを用いたボカロPとしての活動では、YouTubeで770万再生を突破した代表曲の『PaⅢ.SENSATION』をはじめ、100万再生を超えた楽曲を多数発表しており、国内のみならず海外からの評価も高いクリエイターとして注目を集めている。また、声優やバーチャルシンガーのほか、ゲームや広告など垣根を超えてインストも含めて多数の楽曲も提供。自身の海外生活での経験を通じて、国境を越えた海外クリエイターとのコライトやコラボレーションも積極的に行っている。2023年秋よりボーカリスト・WaMiとともに「Awairo」という音楽ユニットでも活動中。
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■牛肉

ゲームシナリオ、翻訳リライト、校正などを本業とする作詞家。
2013年にてVOCALOIDの作詞活動を開始し、
結月ゆかりの電波ソングなどで台頭。
2015年より雄之助の作品に携わり、
以降は雄之助と共に活動を行っていることが多い。
元忍者、バイトで侍を兼業していたなど、
過去を紐解くとトンデモないエピソードが沢山出てくる。
　●X（旧Twitter）：https://x.com/gyuniku32

▼GANG PARADE＆MEG（MEGMETAL）対談はこちら！

■リリース情報
Major 6th Single『Peace☆超パニック / 一夏』
発売中

配信URL：https://gangparade.lnk.to/6thsingle

通常盤（CD Only）
品番： WPCL-13601／価格：1,300円（税込）
1. Peace☆超パニック
2. 一夏
3. トーナリティ

■公演情報
『TO BE BORN』
2024年11月30日（土）OPEN 16:30／START 17:30
東京 LINE CUBE SHIBUYA

＜チケット＞
指定席：7,000円（税込）
※全て電子チケットとなります。
※未就学児童入場不可

・GANG PARADE FC「ASOVIVA」抽選先行（FC限定）
受付：8月27日(火)21:00〜9月2日(月)23:00
当落確認入金期間：9月6日(金)〜9月8日(日)
詳細：https://gangparade.jp/news/detail/511
※お一人様1枚まで、分配不可となります。
※複数枚ご購入いただいても、入場にご使用いただけるのは1枚のみとなります。
※電子チケットとなります。

・GANG PARADE FC「ASOVIVA」抽選先行
受付：9月3日（火）18:00〜9月9日（月）23:00
当落確認入金期間：9月13日（金）〜9月15日（日）
詳細：https://gangparade.jp/news/detail/511
※お一人様4枚まで
※電子チケットとなります。

・WACK FAMiLY CLUB抽選先行
受付：9月10日（火）18:00〜9月16日（月）23:00
当落確認入金期間：9月20日（金）〜9月22日（日）
詳細：https://www.wackfamilyclub.com/
※お一人様4枚まで
※電子チケットとなります。

・最速プレリザーブ抽選先行
受付：9月17日（火）18:00〜9月23日（月）23:00
詳細：https://w.pia.jp/t/gangparade/
※お一人様4枚まで
※電子チケットとなります。

・プレリザーブ抽選先行二次
受付：9月27日（金）18:00〜9月30日（月）23:00
詳細：https://w.pia.jp/t/gangparade/
※お一人様4枚まで
※電子チケットとなります。

・プレリザーブ抽選先行三次
受付：10月4日（金）18:00〜10月7日（月）23:00
詳細：https://w.pia.jp/t/gangparade/
※お一人様4枚まで
※電子チケットとなります。

・プレリザーブ抽選先行四次
受付：10月11日（金）18:00〜10月14日（月）23:00
詳細：https://w.pia.jp/t/gangparade/
※お一人様4枚まで
※電子チケットとなります。

・プレリザーブ抽選先行五次
受付：10月18日（金）18:00〜10月21日（月）23:00
詳細：https://w.pia.jp/t/gangparade/
※お一人様4枚まで
※電子チケットとなります。

・チケット一般発売
受付：11月9日（土）10:00〜
※お一人様4枚まで
※電子チケットとなります。

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