今市隆二、“R”に込めた挑戦し続ける決意 北山宏光やフレッシュなクリエイターから得た刺激も

北山宏光との関係値を鮮明に表したリリック

――また、アルバムにはTOBEの北山宏光さんとコラボした「REALLY LOVE feat. HIROMITSU KITAYAMA」(Lyrics: RYUJI IMAICHI, YVES&ADAMS/Music: Will Jay, Xansei, oksami)も収録されています。北山さんとのご関係は?

今市:ミツ(北山)は、僕が芸能界に入ってからできた親友的な存在ですね。7~8年くらい前から付き合いがあって、その頃から「なんか一緒に面白いことしたいよね」っていう話をよくしていました。でも、当時はなかなか実現できる環境や状況ではなくて。時代の変化と共に僕らを取り巻く環境が変わっていったことで、ようやく去年くらいから「具体的に一緒にやっていこうよ!」って動き始めたんです。で、自分のレギュラーラジオにミツがゲストで来てくれたりして。「REALLY LOVE feat. HIROMITSU KITAYAMA」も、自分からお声がけさせてもらって実現しました。

――北山さんパートの歌詞はオリジナルバージョンとは違う内容になっていますが、今市さんが書いたんですか?

今市:今回は僕の曲にミツが参加してくれるという形なので、歌詞は全部こちらに任せてもらうことにして。自分が思うミツのイメージをYVES&ADAMSの2人に伝えて、書いてもらいました。ミツのパートではあるんですけど、自分とミツの関係値をすごく鮮明に表現してくれているなって思いましたね。

――完成した楽曲を聴いた印象と、北山さんのパートで特に刺さったフレーズも教えてください。

今市:自分のソロ曲では「REALLY LOVE」が一番ミツに似合うだろうと、この曲を選んだんですが、僕の期待を上回る素敵なボーカルを入れてくれて嬉しかったですね。なんていうか、育ってきた環境の違いが声質や歌い方に出ていますよね。それが違う事務所の人と一緒に歌う面白さだなって実感しました。その中で特に好きなフレーズは、〈こうして僕が僕らしく輝く/それが君にとっても愛だって信じてたい〉かな。ミツと話していると、アーティストとしての覚悟を感じるんですよ。どんな環境にいても、“いちアーティストとして、今自分がどうありたいか”が明確にあるんだなっていうのが伝わるし、それがファンの人にとっても幸せであってほしいと、いつも願ってるんです。そんなミツの姿がこの歌詞に表れていると思うので、ここはすごく刺さりました。

――4曲目の「RENDEZVOUS」(Sound Produced by Kota Matsukawa (w.a.u), VivaOla/Lyrics: Kota Matsukawa, VivaOla/Music: Kota Matsukawa, VivaOla)と5曲目の「RIDE」(Sound Produced by Kota Matsukawa (w.a.u)/Lyrics: Kota Matsukawa, VivaOla, Kenya Fujita/Music: Kota Matsukawa, VivaOla, Kenya Fujita)は、どちらも同じクリエイターチームが手掛けた楽曲ですね。

今市:この2曲を作ってくれたw.a.uというチームも、今回初めてご一緒した方々なんですけど、w.a.uのメンバーって、みんな大学生なんですよ。だから、キャリアを重ねた自分にはない感性を存分に発揮してほしくて。「RENDEZVOUS」は自分が好きなマイケル・ジャクソンをテーマに投げて、あとはみんながどういうふうに調理してくれるかな? っていうのを楽しみにしていました。そしたら、「RENDEZVOUS」のデモが届いて。マイケルらしさもありつつ、キャッチーな曲調で自分好みだなと思いましたね。

――歌詞もお任せしたのは、何か理由が?

今市:彼ら、歌詞の書き方も面白いんですよね。ラブソングではあるんですけど、「こういう想いを伝えたい!」というよりも、聴き心地に対するこだわりが強いから、「このメロだったら、こういう母音の歌詞にしよう」などといった制作の仕方をしているので、自分とは違い刺激も受けました。

――個人的には、「RENDEZVOUS」の〈君を想うと胸が痛むよ/世界はモノクロ〉という歌詞が気になりました。以前、岩田剛典さんが発表した楽曲「モノクロの世界」は「普段の代わり映えのない生活が“モノクロの世界”だとしたら、“ときめき”はそこに彩りをくれるもの」(※2)という視点で描かれたラブソングでしたが、今市さんの「RENDEZVOUS」は、傍に〈君〉がいるのに世界がモノクロに見えるんだなと思って。

今市:ラブソングで同じ言葉を使っていても、違う意味になるんですね。「RENDEZVOUS」は叶わぬ恋かもしれないし、切ない内容ですもんね。

――ボーカルレコーディングも、w.a.uチームの方がディレクションされたんですか?

今市:そうです。正確にはw.a.uチームじゃないんですけど、彼らと一緒にやっているシンガーソングライターのVivaOlaが「RENDEZVOUS」と「RIDE」の仮歌を入れてくれていたので、VivaOlaとw.a.uチームのリーダー(Kota)Matsukawaくんと一緒にスタジオに入って。すごく気を遣ってもらいながら、ディレクションしてもらいました(笑)。

――もう1曲の「RIDE」も、「RENDEZVOUS」と同じタイミングでオファーしたんですか?

今市:いえ、アルバムに向けてデモを集めている時に、先に「RIDE」に出会って。そこでw.a.uチームの存在を知りました。

――その後「RENDEZVOUS」をオファーする流れになったということは、「RIDE」のデモが相当衝撃的だったんでしょうね。

今市:「RIDE」を聴いた時、「曲の解釈すごいな!」と思ったんですよ。なんて言ったらいいのかなぁ……。「この曲、どんな曲?」って聞かれた時に、俺は上手い言葉が見つからないんですよね。自分と同世代のアーティストとか、他のトラックメイカーと曲を作る時って、「R&Bをやろう」とか「ヒップホップをやろう」とか、何かしらジャンルの話が出てくるんですけど、w.a.uチームの曲は、そういう話をしないで作っている気がする。彼らがどういう感覚で、どういう共通認識を持って作っているのか、すごく興味深いなって思いました。

――音源よりも先に「RIDE」の歌詞を読んだので、てっきりシティポップっぽい曲調なのかな? と思っていたんですけど、シティポップじゃないですもんね。

今市:そうそう。都会的なイメージがあって、スタイリッシュな曲だなとは思うんですけど、明確なジャンルが浮かばない。〈飛んでく君の方へ(方へ)〉って繰り返すところも、自分にはない引き出しですからね。それがすごく面白くて。「RENDEZVOUS」と「RIDE」の制作を通して、時代が変わり、音楽の在り方が変わっていく中で、新たに生まれた感性を学ばせてもらいました。

“奇跡は起こせる”というメッセージを込めた理由

――そして、スタイリッシュな「RIDE」に続くのが、ゴスペル調の「RE:MIRACLE」(Lyrics: RYUJI IMAICHI, EIGO (ONEly Inc.)/Music: SWEEP, nabeLTD, Yohei Kunii (ONEly Inc.))。

今市:この曲もEIGOさんという初対面のクリエイターさんに入っていただいて、一緒に制作しました。ゴスペルの曲はいつかやりたいと、かなり前から思っていたんですよ。僕が好きなアーティストのルーツを辿ると、幼少期に教会で歌っていたという人が多くて。自分もLAによく行っていた頃に、実際に教会に行ってゴスペルを体感したので、ソロ曲で歌いたいなと思っていたんです。なので、この曲で長年の夢が叶いましたし、(ボーナストラック的な「REALLY LOVE feat. HIROMITSU KITAYAMA」を除くと)アルバムの最後を飾る楽曲としてふさわしい仕上がりになりましたね。

――「RE:MIRACLE」の歌詞には、どんなメッセージを込めましたか?

今市:これは自分自身が感じてきたことなんですが、「こんなことが起きたらいいな」って思いながら、その夢から目を逸らさずに生きてきたら、ふとした時に「あれ? あの時願ってたこと、叶ってるじゃん」って気づいたりするんですよね。奇跡って言うと、何百万分の1みたいなとてつもない確率のように感じるし、実際にそれほどハードルの高いものだと思うんですけど。絶対に叶わないものではなくて、真剣に立ち向かえば奇跡は起こるんです。それを自分は身を以て知っているので、「奇跡は起こせるよ」っていうメッセージを込めました。人生を歌った壮大な曲になりましたね。

――挑戦的な曲が多いからこそ、今市さんの本質を歌った「RE:MIRACLE」は安心感がありますね。歌詞には、今市さんの作詞曲ではお馴染みの〈星〉もしっかり入っていて。

今市:星、好きなんだよなぁ……。そういうところでも“らしさ”を感じてもらえたらと思います。

――ちなみに、これも意図していないことだと思うんですけど、2013年に三代目JSBがリリースしたアルバムタイトルが『MIRACLE』だったので、10年以上が経って「RE:MIRACLE」が生まれたことにも縁を感じました。

今市:「MIRACLE」、懐かしい! 2013年だと「R.Y.U.S.E.I.」が生まれる前ですもんね? あの頃思い描いていた夢が、今となってはたくさん叶っているって考えると感慨深いし、やっぱり、全ての出来事は繋がっているんだなって思います。

――では最後に、『RYUJI IMAICHI LIVE TOUR 2024 “R”ED』の先のビジョンを教えてください。

今市:アリーナツアーが終わったら、とりあえず倒れるんじゃないですか? ……っていうのは冗談ですけど(笑)、僕の中ではこれまでの集大成のようなツアーだと思っているので、それくらいの覚悟で回っています。正直、先のことは僕にもまだわからないんですよね。このツアーが重要な節目になることは間違いないので、まずはアルバム『R』を聴いて、会場で“ソロアーティスト 今市隆二”の生き様を記憶に焼きつけてほしいなって思います。

※1:https://realsound.jp/2024/04/post-1643856.html
※2:https://realsound.jp/2023/11/post-1488604.html

今市隆二『R』

◾️リリース情報
今市隆二『R』
発売中

<全6形態>
▼一般流通商品
A:AL+DVD(スマプラ対応)
RZCD-67043/B 4,400円(税込)
※初回仕様:スリーブ

B:AL+Blu-ray Disc(スマプラ対応)
RZCD-67044/B 4,400円(税込)
※初回仕様:スリーブ

▼オフィシャルSHOP限定商品【数量限定盤】
C:AL+DVD(スマプラ対応)+'REALLY LOVE' サングラス(ケース付き)
RZZ1-67046/B 11,000円(税込)
D:AL+Blu-ray Disc(スマプラ対応)+'REALLY LOVE' サングラス(ケース付き)
RZZ1-67047/B 11,000円(税込)
※仕様:LPサイズジャケット/LPサイズフォトブック(20P)
※本商品は、製造数が限られた【数量限定盤】となり、予定枚数に達し次第、販売終了。

▼ツアー会場限定盤
E:AL+DVD(スマプラ対応)
RZC1-67048/B 4,400円(税込)
F:AL+Blu-ray Disc(スマプラ対応)
RZC1-67049/B 4,400円(税込)
※封入特典:フォトブック(32ページ)

【収録予定内容】
<CD>
▼全タイプ共通
M1 RED
M2 RHAPSODY
M3 REALLY LOVE
M4 RENDEZVOUS
M5 RIDE
M6 RE:MIRACLE
M7 REALLY LOVE feat. HIROMITSU KITAYAMA

<DVD/Blu-ray Disc>
▼RZCD-67043/B, RZCD-67044/B(一般流通商品)
REALLY LOVE(Music Video)
RYUJI IMAICHI CONCEPT LIVE 2024 RILY'S NIGHT/LOST"R"
RHAPSODY(LIVE)
REALLY LOVE(LIVE)

▼RZZ1-67046/B, RZZ1-67047/B(オフィシャルSHOP限定商品(数量限定盤))
REALLY LOVE(Music Video)
RYUJI IMAICHI CONCEPT LIVE 2024 RILY'S NIGHT/LOST"R"
RHAPSODY(LIVE)
ZONE OF GOLD(LIVE)
REALLY LOVE(LIVE)
CASTLE OF SAND(LIVE)
Don't Give Up(LIVE)

▼RZC1-67048/B, RZC1-67049/B(ツアー会場限定盤)
REALLY LOVE(Behind The Scenes) 

オンラインストアリンク一覧:https://ryujiimaichi.lnk.to/20240626-R-pkg

今市隆二 OFFICIAL WEBSITE

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