『RISING SUN』、『ROCK IN JAPAN』……大型フェスのオーディションに勝ち上がる若手バンドに注目
2024年も待ちに待った夏フェスが開催されている。行ける人も行けない人も出演者チェックに勤しんだことだろう。
そして筆者のようなインディーズバンドシーンを追っている人にとっては、また別の夏フェスの楽しみ方がある。それはこういった大型フェスのオーディションに、どんな若手バンドが勝ち上がって出演するかということ。日々ライブハウスで切磋琢磨しているバンドが出演すると嬉しいし、そこでまだキャリアの少ない10代のバンドが勝ち上がったりすると、新たな発見にワクワクするのだ。
本稿では、そんな今年の夏フェスにオーディションで勝って出演を決めた4組を紹介する。
Hwyl(『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2024 in EZO』に出演)
まず1組目はHwyl。2021年6月結成の3ピースバンドだ。「暮らし」がSNS上で話題にもなってたこともあり、名前を聞いたことある人も多いかもしれない。この楽曲に代表されるように“庶民日本代表”というバンドのキャッチコピーに違わない等身大の日常を描いた楽曲が共感を呼んでいる。そしてそのライブは熱い。日々のモヤモヤを代わりに叫んでくれるのだ。2023年は『JAPAN JAM 2023』オープニングアクト出場権をかけた『ROAD TO JAPAN JAM 2023』を勝ち抜いたものの、フェス当日は悪天候のため出演予定だったSUNSET STAGEは封鎖という悔しい結果に。しかし、『MURO FESTIVAL 2023』(ムロフェス)とEggのコラボ企画オーディション『ムロエッグ』を勝ち抜き、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023』のオープニングアクトを務め上げるなど、既に音楽フェスでも存在感を発揮しはじめている。クマダノドカ(Gt)は多くの仲間が出演した『JAPAN JAM 2024』に出れなかった悔しさもポストしていた。その悔しさを乗り越えた3人のタフな姿を目撃してほしい。
HOME(『FUJIROCK FESTIVAL'24』に出演)
ライブハウスシーンで活動しているバンドの中では、海外のシーンとも交わることができる『FUJI ROCK FESTIVAL』のオーディションステージ「ROOKIE A GO-GO」へ出演することを最初の目標にするバンドも多い。その中で今年のオーディションを勝ち抜き、実際に会場を沸かせた1組が沖縄出身の3ピースバンド・HOMEだ。
昨年秋頃からその名前が徐々に早耳リスナーの間で広まっていた彼ら。曲を聴いた瞬間に「これが世界基準ってやつか」と思う人も多いはずだ。オシャレな中に、ぶっとい天然性の芯が突き刺さっている。インディーロック、チル、クラブミュージック、オルタナなど、いろんなジャンルや世代をミックスさせて、沖縄の潮風と夕陽に数日晒したようなサウンドが魅力的だ。今後、海外のフェスにも呼ばれる機会も増えていきそう。