Earworm、等身大な“青春”を体現する10代バンド ミセスやワンオクに憧れて目指す大きな舞台

Mrs. GREEN APPLE、ONE OK ROCKらメンバーのルーツ音楽

ーーそもそも堀内さんのなかでは「こういうバンドをやりたい」みたいなイメージはあったんですか?

堀内:ありました。もともと憧れてるっていうか、好きだったバンドがMrs. GREEN APPLEさんで。そういう青春的で自分の思いを伝える歌が好きで、王道ではあるんですけど、そういう歌を作っていきたいなと思ってました。

ーー確かに曲の世界観とかはミセスの影響もあるように思います。でも同時にいろいろなものが混ざっている感じもしますよね。それは4人のルーツが混じり合っているところもあるんですかね?

堀内:絶対ありますね。

ーーそれぞれどういう音楽が好きなんですか?

坂本:僕はONE OK ROCKとか、高校のときによく聴いていたのはBring Me the Horizonという海外の重めのバンドで。そういう激しめの音楽もすごく好きなので、ドラムに要素として入れたいなって思っています。

モリヤマ:僕はKing Gnuとか女王蜂とかをよく聴いてたんですけど、高校に入ってからギターを始めて、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTとか八十八ヶ所巡礼とかを聴くようになって。いろんなジャンルを聴いてましたね。

吉川:僕は、高校に入るまではあまり音楽に興味がないというか、あまり幅広くは聴かない感じだったんです。でもそのなかでもよく聴いてたのがポルノグラフィティで、高校に入ってベースをうまくなりたいなって言うのでいろいろ聴いていくなかでいちばんハマったのがTHE ORAL CIGARETTESでした。

ーーなるほど、おもしろいくらいにバラバラですね(笑)。

堀内:そう、めちゃくちゃバラバラで。うまくまとまったなと思ってます(笑)。

ーーこれからもっといろいろな個性が出てくるのかもしれないですね。先ほど堀内さんは「売れたいと思っていた」と言っていましたけど、それは確かに曲を聴いても思うんです。部活でやってます、ライブハウスでやってますっていうスケールじゃないところで鳴らそうとしている音だなって。

堀内:そうですね。曲を作ってるときも、やっぱり大きなステージで立って見る景色を想像しているんで。憧れというか、そういうステージで鳴らして映える曲みたいなのが自然と出てきちゃいますね。やっぱりミセスのライブ映像を観たり、僕、ギターが好きなので、ヴァン・ヘイレンのライブ映像とかもたくさん観ていて。スケールがデカすぎて全然違うんですけど、そういうところで自分らしさを出しているっていうところに魅力を感じるんです。

ーー要するにアメリカのスタジアムロックみたいなスケール感っていうことですよね。

堀内:はい、もうでっかいところで弾けたら気持ちいいんだろうなと思って。

ーーその温度感というかビジョンというのは4人の間でも共有できていました?

坂本:そうですね。やっぱり大きな舞台に憧れるっていうか、好きなアーティストさんとかが大きな舞台でライブをやっているのに憧れがあるので、そういうところを目指したいなと思ってました。

吉川煌也

ーーとはいえ、バンドを始めていきなり「でかいところに行こうぜ」と言われても、何のリアリティもないじゃないですか。

吉川:だから最初はただの部活っていう感じだったんですけど、曲を出し始めて本格的になってきたら目指したいな、目標のひとつにしたいなって思うようになってきました。

ーーかっこよくいうと、「こいつ(ゆうや)の書く曲ならできるかもしれない」と。

吉川:まあ(笑)。そんな上からじゃないですけど。

ーーでも彼の持ってくる曲に対する魅力というのは感じていた?

吉川:それもありますね。

モリヤマソウタ

ーーじゃあ、3人から見たときに堀内さんの書く曲の強みというか、すごいなと思うところってどういうところですか?

モリヤマ:メッセージがストレートで、変にひねっていないというか。本当に気持ちのいい青春を描いているんで、それはいいなって思います。

坂本:普段から音源をいっぱい送ってくるんですけど、その随所に「ここを目立たせたい」っていうキラーフレーズがあるんです。そういうところは強みなのかなって。それこそいちばん最初に作った「陽炎」とかも「こんなメロディあるんだ」みたいな。すごく耳に入ってくるので、そういうところはやっぱり強みだと思う。

吉川:シンプルだからこそいいみたいなポイントがたくさんあるよね。

ーー堀内さん、ご自身ではどうですか?

堀内:楽曲としてはお客さんが聴きやすいというか、耳なじみのあるメロディ、耳に残るメロディを大事にしていて。歌詞は青春のことをよく書いたりするんですけど、恋愛だったら「付き合えて楽しい」とか「今の人生がすごく大らかで楽しい」みたいなことを書きますけど、実際に僕がより大事に考えているのはその逆側で。憂いとか悲しい表情も大事にしています。自分の本音をちょっと遠回しな言い方で言っちゃうのが自分の性格でもあり、大事に思っている歌詞の考え方ですね。

ーー「陽炎」の歌詞などは、その憂いの部分が出ている感じがしますね。

堀内:そうですね。ギュッと考えちゃったときに、ストレートには言えないことも、少し遠回しに言うみたいなところはありますね。

ーーでも決して暗く沈んでいくだけではなくて、どこか明るさみたいなものもある。そのバランスが絶妙だなと。

堀内:元気と憂いのバランスをすごく大事にしてるんです。おっしゃった通り、沈みすぎないというか。沈みすぎるとがっかりしちゃうので、心は沈んでるけど、その先には勇気が見える、先が見えるっていうのを前提に作ってますね。

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