新しい地図、SMAP時代から続くゆずとの絆 共通する日本を勇気づけるエンターテイナーとしての力

 また、ゆずとSMAPには、エンターテイナーとして日本を元気づけようと働きかけてきたことも共通していた。東日本大震災を受けて、福島でゆずとSMAPが顔を揃えたこともあった。誰もが自分に何ができるのかと葛藤するタイミングに、彼らの歌声に多くの人が笑顔を取り戻したことだろう。

 同じ曲を歌った瞬間、人々は心がつながるのを感じられる。それは、時に言葉を交わす以上に強い一体感を生むこともある。世代を超えて歌い継がれる代表曲をいくつも持つ彼らは、それだけたくさんの人をつなぐことができるということ。長く活躍するアーティストたちの姿に勇気づけられるのは、その人を介して私たちはいつでもひとつになれる希望を感じるからかもしれない。

 昨年、『ベストヒット歌謡祭2023』(読売テレビ/日本テレビ系)で、ゆずと香取のコラボでオープニングを飾ったことがあった。それも、異なるアーティストたちとそのファンが集う会場がひとつになることを願ってのことだったのではないだろうか。ちなみに、ゆずと香取は同い年の同級生ライン。しかも、出身も横浜という共通点もある。

 小学校高学年の時には、すでにSMAPとして活動していた香取を見るために地域の体育大会へと北川と岩沢が駆けつけたというエピソードも先述した『SMAP×SMAP』で明かされていた。ひょっとしたら、その時に目撃したスターでありながら親近感のある香取に、ゆずのエンターテイナーとしてのあり方も確立されたのでは……そんなことを考えたくなるくらい、彼らにはどこか似ているものを感じるのだ。

 人々を元気づけ、笑顔にし、そして繋いでいく。それは、ファンに対してのみならずアーティスト同士としても、お互いに励まされてきたところもあったのではないか。大事な初回放送と聞けば駆けつけて盛り上げ、ライブツアーがあるとなればゲストに招いてその活動を応援していく。そうして同じ時代を走ってきた。さらに、これからもきっとその歩みは続いていくことだろう。そんな彼らの絆そのものが、私たちにまた元気を届けてくれる。

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