East Of Eden、初のワンマンツアー東京公演で実力発揮 “再会の約束”を交わし、次のステージへ

 East Of Edenが初のワンマンツアー『1st Live Tour - Forbidden Fruit -』を開催した。昨年10月に初ライブ『World Premiere Special Showcase 2023』を開催し、この春には『- World Premiere Special Showcase - [Encore]』を筆頭に、大阪でのライブイベント『THE BONDS 2024 GIGANTIC TOWN MEETING』や東京での野外フェス『TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2024』、沖縄でのマーティ・フリードマンとの対バンライブ『Rock It Loud!2024』へ出演するなど、活動が活発化。そんな中で開催された全国ツアーは6月7日の大阪・なんばHatchを皮切りに、22日の東京・豊洲PIT、28日の愛知・名古屋DIAMOND HALLの計3公演が行われた。本稿では6月22日の東京公演について記す。

 定刻を過ぎた頃、満員のオーディエンスで埋め尽くされたフロアが暗転すると、荘厳なSEが流れ始める。するとメンバーがひとり、またひとりとステージに姿を現し、ステージ前にYuki(Gt)、Ayasa(Vn)、後方の一段高い場所にはMIZUKI(Dr)、わかざえもん(Ba)がそれぞれ所定の位置につく。最後に湊あかね(Vo)がステージ中央に立つと、彼女のパワフルなボーカルとともに、ライブは「Judgement Syndrome」からスタート。そのインパクトの強いオープニングに、その場にいた多くの者が心をわし摑みにされたのではないだろうか……それほどまでに、湊のストレートな歌声とバンドが一丸となって奏でる分厚いサウンドは強烈な存在感を放っていた。

 それぞれデザインの異なる、真紅の衣装を身にまとった5人はメロディアスなボーカルを軸にしつつも、要所要所で小技を挿入していく……そう書くと、曲の随所でテクニカルかつ派手なプレイが展開されているように見えるかもしれないが、実際のところはボーカルが前面に打ち出されているときはしっかりとバックを支え、フィルインやソロパートなど自身が前に出るタイミングには思いきり主張する。この押し引きのさじ加減が絶妙なところも、個々がさまざまなジャンルにおいて身ひとつで戦ってきた猛者だからこそと言えるだろう。

湊あかね

 Ayasaの「楽園へようこそ!」の一言を合図に、ライブは間髪入れず「Evolve」へ突入。初のドラマタイアップ曲、バンドの原点である1曲を連発するという豪華なセトリを前に、観客も一気にヒートアップし、拳を力強く掲げて応えていく。湊の「いくぞ東京、叫べーっ!」を合図にYukiとAyasaのソロパートへ突入すると、各々の個性を強く打ち出したスリリングなプレイが交互に繰り広げられ、会場はこの日最初のクライマックスを迎えた。

Ayasa

 2曲終えたところで、湊が「最初なので、みんなの声も聞きたいよね」とメンバーに促すと、一人ひとりこの日の意気込みを口にしていく。MIZUKIは「ツアー2日目だけど、初日から2週間空いたからか緊張してます」、わかざえもんは「豊洲PITは個人的に大好きなハコ。またひとつ、皆さんと思い出を増やせたら嬉しゅうございます」、Yukiは「オープニングSEのときから、みんなの熱気に圧倒されております」、Ayasaは「今日は前の席から後ろのスタンディングまで、思う存分楽しんでいきましょう!」とそれぞれコメントし、最後に湊が「次の曲も楽しんでいきましょう!」と叫ぶと、「無重力飛行」からライブは再開。この曲からフロントの3人がステージ上を動き回り、「New Day」冒頭ではわかざえもんがステージ前方へ飛び出してファンキーなスラップを披露するなど、オーディエンスに自身の存在感をアピールしていく。

Yuki

 また、このツアーでは7月24日発売の2ndミニアルバム『Forbidden Fruit -2nd piece-』から、ひと足先に新曲も披露されており、湊が作詞を担当した「Eden」では激しいシャッフルビートに乗せて、各メンバーがアグレッシブなボーカルや演奏を響かせる。この日初めて耳にした観客も多く、最初こそどうノッていいのか迷っている様子を見せたものの、曲が進むにつれてフロアの盛り上がりも加速。今後、ファンに浸透していくことで、この曲は間違いなくライブのキラーチューンになることだろう。

わかざえもん

 和やかなMCを経て、プログレッシブメタルやフュージョンなどの要素を取り入れたドラマチックな「echo echo」からライブ中盤戦に突入。さらに「螺旋回廊」や「残された果実」と緩急に富んだ楽曲で改めてEast Of Edenらしさを打ち出すと、MIZUKIのドラムソロをフィーチャーしたインスト曲「YELLOW CARD」で楽器隊が各々の実力を遺憾なく発揮してみせた。

MIZUKI

 圧巻のプレイから次の曲に突入するかと思いきや、突如Ayasaが「Happy Birthday To You」を奏で始める。すると、ステージにはバースデーケーキが運ばれ、6月24日に誕生日を控えたMIZUKIをサプライズで祝福。レーザーを使ってフロア後方の壁に「Happy Birthday」と表示される演出に加え、MIZUKIの髪色と同じ黄色が施されたドラムスツールのクッションがプレゼントされると、彼女は「最近、レッチリ(Red Hot Chili Peppers)とかQueenを(東京)ドームで観たんですけど、やっぱり50歳、60歳、70歳になるまでドラムを叩いていきたいので、そのために今年は全力で頑張っていきたい。イコール、このバンドで大きくなっていきたいなと思うので、皆さん応援よろしくお願いします!」とポジティブなメッセージを送った。

 「Deep Dive」を経て、再び『Forbidden Fruit -2nd piece-』からの新曲「CROSS∞ROADS」が繰り出されると、そのノリの良さにオーディエンスも熱い声援をステージに送る。そこから立て続けに「花美」に突入すると、その盛り上がりはさらに加速。曲中盤ではシンガロングを通じて湊とオーディエンスが一体感を高める一幕もあり、その熱量は「鈍色のラビリンス」へと引き継がれていく。変拍子を用いた、いかにもEast Of Edenらしいこの曲でライブも佳境に入り、湊の「ラストスパート! 今日一番大きな声を聞かせてください!」という呼びかけに続く「Chasing The Moon」にて、ライブはクライマックスを迎えた。

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