SixTONES 田中樹、ラップ作詞に向ける情熱 常日頃から腕を磨くストイックな一面

 前述の通り田中は、デビュー前からこれまでに多くのラップ詞を担当。

SixTONES -NAVIGATOR promotion RAP -ラップ作りに密着!

 2020年に『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)のコラボ企画として、SixTONESの楽曲「NAVIGATOR」に合わせて当時同番組が放送されていた放送局34局ネットで放送するCMの「ご当地番宣ラップ」を作っていた姿が印象深い。34局分のラップをそのご当地の要素を入れつつ作詞するというもので、リスナーや静岡出身の松村北斗から情報をもらいながら1カ月足らずで作り上げていた。他の仕事も多数あるなか、CDデビューして1年足らずのSixTONESをまだ知らない人にも届くラジオCMの存在をチャンスと捉え、長時間スタジオにこもってストイックにレコーディングを重ねていた姿は、彼のラップへの強いこだわりを感じることができる。

SixTONES - Sorry (田中樹) [PLAYLIST Day.10 Stage: Blue]

 楽曲から、田中のラップの魅力が伝わる曲を一つあげるとすれば、2023年8月に発売されたシングル『CREAK』の初回盤Bに収録されている田中のソロ曲「Sorry」を推したい。ここで田中はメロウな雰囲気で始まるR&Bサウンドに挑戦。一筋縄ではいかない恋における不甲斐なさを表現した曲を、歌唱パートとラップパートで緩急つけながら心地よさそうに歌唱する声は非常に耳触りが良い。

 日本だけでなく海外のHIPHOP楽曲もこよなく愛し、常にその魅力や奥深さに触れてきた田中は、事務所内と限らずとも、かなり高い知識レベルを誇っている。今後、今回のようなレクチャーを後輩たちにもどんどん伝授していくのではないかと期待すると同時に、彼が生み出すリリックを一つでも多く聴けることを願いたい。

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