ICEx、目標へと向かう大きな一歩 一人ひとりの想いを伝えた初ツアーファイナル

 各々の個性が光る台詞で胸キュンさせたあとは、志賀、阿久根、竹野によるユニット曲「恋ソーダ」でさらに甘酸っぱいトキメキを届ける。カジュアルな服に着替えた3人は、白いベンチで寄り添いながら歌ったり、キュートな振り付けと共に爽やかな笑顔を見せたりと、まるで少女漫画のワンシーンのような光景を連発。志賀が竹野に飛びついておんぶしてもらったり、竹野が2人の袖をつまんで引き寄せ頬をくっつけ合ったり、竹野が阿久根の頬にキスをしたりと仲睦まじい姿も多く、終始COOLerの悲鳴のような歓声が鳴りやまない。曲が終わると、「ヤバい……!」という呟きが客席のあちこちから漏れていた。

 甘い余韻に浸る暇もなく、続く「恋のDing Dong」「Hug Hug Hug」では客席にメンバーが降りていき、COOLerの目の前でパフォーマンスを披露。ハート形のカラーボールを投げたり、手を振ったりしながら、至近距離で惜しみない愛を届ける。そして、筒井、中村、山本によるダンスパートへ突入。ダイナミックなアクロバットを取り入れた躍動感あふれるダンスで視線を釘づけにした筒井、複雑なステップを取り入れた難易度の高い振り付けを華麗にこなす中村、華奢な身体を大胆に使ってワイルドな一面を見せた山本。三者三様のソロダンスで会場を沸かせたあとは、切ない思いをEBiDANの人気曲「恋心」に乗せて歌い上げる。曲のラストフレーズで〈胸に繰り返すフレーズ 届いていますか?〉とICExが問うと、COOLerからは「届いてるよ!」と大きな返事が返ってきた。

 ライブはいよいよラストスパートへ。「Member Sign」では、メンバーの幼少期の写真やオフショットと共に、ここまで歩んできた道のりを振り返り、「Sunny Road」で心躍る楽しい時間を作り上げる。そして、志賀の「僕たちは皆さんのおかげで1周年を迎えることができました。次の大切な曲を、感謝を込めてお届けします」というメッセージから、デビュー曲「CANDY」へ。極上のポップサウンドに乗せて、最高の笑顔を届ける。曲の終盤では大きなキャンディ型の風船が降り注ぎ、ドリーミーな空間を作り上げ、本編は終わりを迎えた。

 アンコールでは、初ツアーのラストという節目を迎えた今の心境を一人ひとり語る。まずは、千田が「今この活動をしていることが幸せで、失いたくない。最高の職業を見つけたなと思っています」と自身の活動への思いを伝え、ツアー中に高校を卒業した筒井は、「“高校生の忙しい時期にICExとして居てくれてありがとう”と言われるけど、不安定な時期に僕のことを愛してくれて、こちらこそありがとう。大好きだよという気持ちでいっぱいです」と感謝の気持ちを述べた。言葉で伝えるのが苦手だという竹野は、「この一言だけは言いたい。皆さん大好きです」とシンプルなメッセージを送り、志賀は「今日『Destiny』を歌っているとき、皆さんといることは奇跡じゃなくて運命だなと改めて感じました。もっと色々な景色を見せていくので僕たちについてきてください!」と力強く宣言。首の治療によりパフォーマンスを制限して本公演に臨んだ阿久根は、「まずは心配をかけてしまって、120%のパフォーマンスを届けられなくて、本当にすみませんでした。何があるかわからないから、一瞬一瞬を大事にすることの大切さをメンバーや皆さんから教わりました。もっと幸せにするし、もっと愛していくので、これからもよろしくお願いします」と悔しさを滲ませながらも前向きな気持ちを口にした。

 ICExとして活動する前は普通の中学生だったという八神は、「俺、なんでこんなに幸せな空間に居られるんだろう、恵まれてるんだろうって感じることが多くなってきて……」と話し始めるも途中で言葉に詰まり、「泣きませんよ?」と一旦は強気に宣言するが、「(メンバーが)僕の至らないところを優しくカバーしてくれたり、本当にマジでいいお兄さんたちばっかりで……」とメンバーへの思いを語るうちに涙声になり、目元を手で隠してしまう。隣にいた阿久根が優しく背中を叩くと、真っ赤な顔を上げて「八神遼介の青春を、人生を、ICExに懸けられていることを幸せに思います!」と笑顔で宣言した。続く山本も、すでに大きな目に涙が溢れている中、「体力的に辛いこともあって本番が始まるのが少し怖かったけど、メンバーと背中を叩き合ったとき、本当にいい仲間だなって、ICExがこの8人でよかったと思いました。この8人で国立競技場に行きたい。その日まで応援よろしくお願いします」と涙声で語った。最後に、中村は「僕たちはまだまだ成長段階で、もっと大きくなるので何があっても僕たちについてきてくれますか?」と問いかけ、COOLerからの大きな声援にとびきりの笑顔を見せると、「今日は最高の1日でした!」と嬉しそうに叫んだ。

 それぞれが思いの丈を伝えたあとは、新曲の「ビリミ」を堂々とパフォーマンス。彼らの未来を指し示すような力強いメッセージを届け、最高のフィナーレを迎えた。

 8人の個性を活かしたステージパフォーマンスで感動と熱狂を生み出し、COOLerへの愛、そしてメンバー同士の絆も深めたICEx。彼らの夢の舞台である国立競技場に向けて、大きな一歩を踏み出した夜であった。

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