FARMHOUSE「distance」、Xでの拡散でバイラルチャートイン “距離”から広がるストーリーへの共感

 驚くのはそのセンテンスが非常にタイトなこと。さらに、結果としてシンプルだが並んだ時に描写になっていることだ。過去の様々な距離を淡々と伝えつつ、次の〈自宅のスタジオでverseをマイクに放り込む職業〉というバースで突然テンポが上がるように感じる。もちろんトラックの展開もあるが、言葉数はそんなに多くないのに詰め込まれたラップ然とした雰囲気にガラリと変わるFARMHOUSEのスキルがあってこその構成だろう。先述したバース以降は、明らかにラップと歌に対するアプローチが変わっており、今、彼の中で溢れ出している感情がダイレクトに伝わってくるほどエモーショナルだ。最後は〈あの日から今日までのstory〉と、“距離”といくつもの韻を踏んで終わる「distance」。

 “距離(通学や通勤時間)”というアイデアから、生い立ち、現在、未来、そしてメッセージと、ここまでストーリーを広げられるイマジネーション、そしていまだに小学生のような感覚が残っていることを思わせるような言葉選びなど、FARMHOUSEの底力が発揮された1曲だと思うが、それがXのポストで拡散し、バイラルチャートにまでランクインしてきた事象には、音楽リスナーの新たな動きも感じられる。

※1:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2024-04-24
※2:https://www.redbull.com/jp-ja/rasen-21-farmhouse

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