首振りDolls、アルバム『ジェットボーイジェットガール』完成 メンバー全員で語る全曲解説インタビュー
アルバムの最後を締める10曲目「あなたに」の刷新性
――アルバムの後半のこの位置に置かれているのもいいですよね。「Esc」はショーンくんの曲ですね。
ナオ:これはショーンくんのこだわりがすごかったあ〜。「その違いはわからんて!」みたいなところにすごくこだわっていて。
ジョニー:これはギターに関してはショーンの言いなり(笑)。言われた通りに弾いた。
ナオ:俺も言われた通りにやった(笑)。
ショーン:譜割りを曲中でかなり変えていて。ちょっとずつ違うんですよ。
――作曲に当たってはどんなイメージを描いていたんですか?
ショーン:これもまた90年代前半から2000年初期ぐらいのミクスチャー・バンドとかですね。たとえばTHE MAD CAPSULE MARKETSとかBALZACとか。Aメロ、Bメロはすごく激しくいくけど、サビでバーって開ける感じがやりたかったんですよ。
ナオ:今、ライブでいちばん盛り上がる曲かもしれない。
――音源でパッと聴いても、すごくライブ的に感じますもんね。
ショーン:サークル(モッシュ)はナオくんが言い出したんだよね(笑)。
ナオ:そう。札幌でワンマンライブをした時に、アンプが飛んで、ギターの音が出なくなって演奏が止まったんよね。その次が「Esc」だったんです。だから、俺、喋るしかなくて……。この曲は作ってる時から、イントロとアウトロでお客さんが走れそうだなと思っていたんです。でも、そういうのを自分たちで言うのはかっこ悪いからいやだとジョニーが言ってたから、言わないようにしようと思ってたんですけど、あの時はマジで喋ることがなくて、口走っちゃったんですね(笑)。そしたら不思議なもんで、札幌のそれ一回きりになるかなと思ったら、東京に戻ってきたら、東京でも定着してたんですよ。お客さん同士のネットワークで「あの曲でサークルがあったぞ」みたいに広まったんでしょうね(笑)。だから、あそこでギターの音が止まらなかったら、サークルは起きてないね。
ジョニー:あそこのライブハウスのマーシャルの犠牲のおかげということだね(笑)。
――よりライブで楽しめる曲になっていったと。「surrender」も先行シングルに収録されていましたね。
ナオ:そう。これもすごく自分らしい曲ができたなって。歌詞にある〈へちゃむくれ〉って言葉は関東のほうの方言らしいですけど……。
――なんとなくイメージはわかるんですが、聞いたことはないです。
ナオ:イメージ、わかりますよね。正しい意味は俺もよくわかってないけど、この言葉がなんか好きなんですよ。本で読んだか、テレビで見たかなんだと思うんですけど。
ショーン:『ドラゴンボール』の曲でも出てくるよ。
ナオ:そうなの? 〈へちゃむくれ〉って言いたすぎて、1行目で使ってます(笑)。
――首振りDollsらしいロックンロールではありますが、ハットの裏打ち系の曲はナオくんらしいですよね。
ナオ:まったく無意識だし、ずっとそういう曲を聴いてきたわけでもないけど、いつの間にかそういう曲が増えたんだなあ。だからこそ、俺らしいということなのかもしれないですね。
――歌いながら叩くドラマーだからということもあるのかもしれませんね。
ナオ:やりやすいのかもしれないですね。「アンダンテ」(矢井田 瞳)という曲があるじゃないですか。「surrender」を作っている時にジョニーに構成が面白くないと言われたんですよ。それで、「アンダンテ」はメロディとか構成とかは全然違うけど、ただひたすら転調で上がっていくのが面白いなと思って、俺もやろうって。
ジョニー:ギターソロを省いて転調になった。
ナオ:2回転調してるね。でも、非常に自分らしい曲ができたなと。
――最後は「あなたに」というジョニー曲ですが、これはアルバムの最後の曲らしい雰囲気がありますよね。
ジョニー:そうっすね。曲順を考える前から、これは絶対に最後に持っていきたいなって。エンディングっていう感じの曲ですね。
ナオ:今回のアルバムではジョニーは振られてないね。
ジョニー:たしかに、全然振られてない。振られなきゃ。
――むしろ前向きですし、捧げてますよね。
ジョニー:そう、捧げる感じの……なんか達観してますよね(笑)。
ナオ:仙人の域に達している。振られすぎてあなたに歌を捧げ始めた(笑)。
ジョニー:(笑)。これもストレートに自分のルーツのパンクな曲にするつもりだったんですけど、マネージャーが「それじゃ面白くない」って、間奏で急にテンポを変えて。それがあることでいい感じになりました。まったく俺の頭のなかには(その発想が)なかったから。
――あのパートはThe Clashを思い浮かべました。
ジョニー:たしかに。
ショーン:この曲を作ってる時、最初はナオくんはいなかったよね。
ナオ:そうだ! 俺がいない時にもうこの曲はできてて、マネージャーがドラムを叩いた音源が送られてきて(笑)。
――これは歌始まりでもありますよね。
ジョニー:歌から食い気味で入ってほしかったんですよ。今まであまりなかったかもしれないですね。
ナオ:非常にジョニーらしい曲なんだけど、何を伝えたいのか、どう思って歌ったらいいのか、掴みどころが実はあんまりないんですよね。だから、全体で捉えるんじゃなくて、一行一行をとらえながら歌いました。たぶん、作詞したジョニーもそういう考えだったと思うんですよ。
ジョニー:そうそう。聴く人もその日の気持ちとかによって、聴こえ方が変わってくるはずなんですよ。タイミングによってもイメージは違うんじゃないかな。
ナオ:でも、まさしく“歌”って感じですよね。「あなたに」ってタイトルもずいぶん思い切ったなと思って。
――そんないろんな“あなた”に届けるツアーも間もなく始まるわけですね。
ナオ:そうですね。レコーディングしてからだいぶ寝かせたから、やっとライブでみんなの前でできる。すごく楽しみ。
ショーン:反応が楽しみです。「PSYCHO SISTER!!!!!」とかはもうやりすぎて、アレンジがちょっと変わってきてますもん。そういう楽しみもありつつ。
ジョニー:結果的に、めちゃくちゃバリエーションも多いし、3人の個性がめちゃくちゃ出てるなと思ってます。ライブでアレンジも加わり、もっと面白くなる予感のするアルバムだし、ツアーが本当に楽しみですね。
■リリース情報
アルバム『ジェットボーイジェットガール』
発売中
KICS-4134/税込 3,300円(税抜 3,000円)
<収録曲>
01. ジェットボーイジェットガール
02. PSYCHO SISTER!!!!!
03. NEVERMiND
04. アンビー!
05. 画舫(ゴンドラ)
06. 雨の街
07. みちづれ
08. Esc
09. surrender
10. あなたに
■ツアー情報
『「ジェットボーイジェットガール」release tour!! “JET BOY JET GIRL”』
4/14(日)池袋Mixa(ONE MAN SHOW)
OPEN 17:00 / START 17:45
<前半戦>
4/19(金)堺Live Bar FANDANGO(ONE MAN SHOW)
4/21(日)神戸live music club PADOMA (ONE MAN SHOW)
4/26(金)東京 西永福JAM(w/????)
5/5(日)京都磔磔 *磔磔50周年イベント参加(w/騒音寺、THE NEATBEATS)
5/6(月)名古屋Live House HUCK FINN(w/ヒステリックパニック)
5/24(金)東京 西永福JAM(w/????)
5/25(土)群馬 the Groove TAKASAKI(w/????)
6/16(日)横浜Yokohama B.B.street(w/ JOHNNY PANDORA)
6/28(金)福岡LIVE HOUSE Queblick(w/騒音寺、O.A. 鮫肌尻子とダイナマイト)
6/29(土)別府COPPER RAVENS *首振りDolls GUEST出演(w/ 騒音寺、GEROLIANS)
6/30(日)小倉Live House KokuraFUSE(w/騒音寺、O.A. Little Pink Summer)
首振りDolls オフィシャルサイト:https://kubihuri.com/
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