有華、ステージから観客一人ひとりに届ける全力の「大好き!」 会場満たす相思相愛な空気

 バンドメンバーが全員退場し、1人ステージに残った有華はピアノの前に座る。「いろんな経験をさせてもらっている」とメジャーデビューしてからの1年を振り返りながらも、自分の原点はやはり弾き語りだという。そんな彼女の原点であるピアノの弾き語りで、「ピーターパンシンドローム」を力強く届けていく。

 続けて「みんなと繋がりたくて書いた曲。やっと歌で繋がれるね!」と、コロナ禍に誕生した楽曲「うたでつなごう」を披露。終盤にはシンガロングパートがあるのだが、「続いて歌って!」と告げた有華は、〈有華ちゃんかわいい〉〈有華ちゃん好き〉と歌詞をアレンジして観客の笑いを誘う。客席からの愛のこもった歌声に、「コンクール出よ!」と笑顔を見せた。

 記者会見風に質問をしながらバンドメンバーを1人ずつステージへ呼び戻すと、「キミエール」「終わらない唄」をバンド編成で届け、観客へ力強くエールを送っていく。今は亡き祖父について書いた曲だという「Gentleman」では、遠くにも届くような、真っ直ぐな歌声を響かせた。歌い終えた有華は、祖父にこの曲の歌詞を見せたときのエピソードを語り、「アルバムにこの曲を入れられてよかった」と涙を浮かべる。

 そこから目薬を取り出すと、ロート製薬「ロートリセ」CMソングである「#Me」へと繋げ、先ほどの感傷的なムードとは変わって明るく元気いっぱいにパフォーマンス。さらに「Baby you」「リングノート」と、ラストに向けて盛り上げていく。

 本編ラストは「バースデーソング -2022 ver.-」。「最後は一緒に歌って帰ろー!」という言葉どおり、有華は積極的に客席へマイクを向け、温かいシンガロングが会場を包んだ。一人ひとりの顔を見ながら「大好き!」と叫ぶ有華。ステージとフロアの相互通行の想いが感じられる、愛にあふれた空間だった。

 アンコールに応えてステージに戻った有華は、「今から新曲をやっちゃおうと思います!」と嬉しいサプライズを発表。2月4日に配信リリースされる「LOVESICK」を先行披露して会場を沸かせた。

 ラスト1曲となったところで、有華は再びメジャーデビュー後の日々を振り返り、「大好きな音楽ができて幸せと思う日があれば、上手くいかへんなってときもある」と語った。そんなとき、「曲を聴いたよ」といったファンからの温かいメッセージを受け取ると嬉しくなるという。そして、同じように上手くいかないと悩んでいるときは自分のことも頼って欲しいと語った。

 「明日からも一緒にみんなと人生を歩んでいけたらいいなと思ってます。これからも“Bestie”でいてください!」と話すと、最後に「Bestie」を明るく届ける。〈帰る場所はここにあるから〉の部分で、自分がそばにいると告げるように、ステージを指して歌う有華。「ラララ聴かせてー!」とシンガロングを煽り、Bestieとともに会場を一体感に包んでライブを締めくくった。

 アコースティック編成や弾き語りなど、さまざまなスタイルで楽しませてくれた今回のライブ。同時に、彼女の歌う姿や言葉からは、目の前にいるファンへの優しさや温かさが強く感じられた。有華はいつだって私たちに寄り添いながら、明るくポジティブなメッセージを届けてくれる。いつも元気をくれる彼女の今後の活躍が楽しみだ。

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