Travis Japan、7人で手にして磨き続ける“本物”の輝き 『Road to Authenticity』初日公演レポ

Travis Japan、最新ツアー初日レポ

 白と黒を基調とした衣装を身に纏い、ワイルドさで魅せた「Turn Up The Vibe」、アダルトなボーカルをしっとり聴かせながらダンスチームとしての結束力を示した「Happy Groovy (Jazz ver.)」と続く。さらに、スロープとなったLEDパネルを大胆に使い、漂うような重力を感じさせないダンスがセクシーでアーバンな「Till The Dawn」は、彼らの新機軸と言えるだろう。

 ソロダンスを終え、ライブもいよいよ終盤に。Kis-My-Ft2 千賀健永が手掛けたカラフルな衣装に着替え、ポップでダンサブルな「Candy Kiss」、タフなステップを繰り出す「PARTY UP LIKE CRAZY」、レーザーライトと同期した緻密な振付けが印象的な「Moving Pieces」、爆発的な歓声に迎えられた「The Show」、細かな動きと野性的なムードが融合した「99 PERCENT」、観客を煽り続けた「Lock Lock」と怒涛のダンスナンバーが続く。「Love Tag」では炎の特効がメロディとシンクロし、演出に負けない激しさとセクシーさを共存させたパフォーマンスで会場を魅了した。

 本編最後の曲は「LEVEL UP」。スクリーンに投影されたゲーム世界で動いているような振付けと、クールなサウンドに合わせて綿密なチームワークで編み出されるステップ……と、その力は衰えることなく、まさに“レベルアップ”していく様が凄まじい。圧倒的な熱量のパフォーマンスに観客も煽られ、ボルテージが最高潮に達したところで本編は終了した。

 エンドロール映像が終わるとすぐに起こった“トラジャコール”に応え、ツアーグッズのスウェットをアレンジした衣装で7人が再登場。アンコールは「King of the Jungle」「BIG BANG BOY」を披露した。ここで、「もうひとつお土産を持って帰ってもらおうかなと思っています!」と、次の楽曲のみスマホ撮影OKだというサプライズが。この日披露されたのは「JUST DANCE!」。伸び伸びとしたダンスと溢れる笑顔は、ファンにとって嬉しいプレゼントとなったはずだ。

 最後のナンバーは「Together Now」。メンバーとファンがひとつとなって、美しい歌声を横浜アリーナに響かせる。手を振りながら、潤んだ瞳で客席を見つめる7人の表情が印象深い。〈君と また時間を 重ねてく/思い出が僕らを 繋いでいる〉という歌詞のとおり、ひと時の別れと再会の約束を歌い上げ、ツアー最初の公演は幕を閉じた。

 今回のツアーで強烈に突きつけられたのは、まず彼らの“ダンスへの自信と情熱”だ。世界レベルの実力は誰もが知るところ。それをあらためて原点と定めタフに踊り続けた今回のステージでは、技術だけではなく魂の部分を磨き続けていることを証明しているようだった。さらに“Travis Japanならではのクリエイティビティ”も凄まじい光を放っていた。綿密に計算されたライブ演出を川島が務めたことを筆頭に、振付けや楽曲制作の面でも高い能力を見せつけた。無論、パフォーマンスを介して個々の表現力/芸術性の高さは十二分に体感することができ、7人全員がTravis Japanのステージでしか味わえないクリエイティブなエネルギーを創り出していることは間違いない。

 何より、会場の隅々にまで愛を惜しみなく伝える姿には、アイドルとしての矜持と積み上げてきた伝統を感じさせた。それは、高い技術や能力では説明し切れない特別な輝きであり、これもまた彼らの本質のひとつなのだと思う。Travis Japanという旅の途中、一風景となってその“本物”の輝きをこの目で見られたことは、とても貴重な体験だった。この輝きが世界を席巻する日まで彼らの旅を見届けたい、そんなふうに思わされるライブだった。

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