SixTONESの時代は「こっから」始まる 磨きをかけた“らしさ”で2024年はさらなる躍進へ
SixTONESを見ていると、「粋だな」と感じる。「粋」とは、三省堂国語辞典によると、「気性・態度・身なりがあか抜けしていて、自然な色気の感じられること」とあり、まさに6人を表しているような言葉だ。彼らは2023年も幅広い楽曲と個性を体現したパフォーマンスを届けてくれた。中でも特に話題を集めたのは、6月14日発売の10枚目シングル曲「こっから」だろう。
同曲はメンバーの森本慎太郎とKing & Prince・髙橋海人W主演ドラマ『だが、情熱がある』(日本テレビ系)の主題歌として話題を集めた。ドラマと彼らの物語がリンクしているかのような曲で、ドラマが終盤に進むにつれ、楽曲の魅力も多くの人たちへ浸透していき、その流れは放送終了後にも続いた。YouTubeで公開されたMVは、発売から3カ月でグループ初となる再生回数1億回を突破し、リリースから半年が経った12月18日放送の『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)では「2023‼️バズソング」として「CREAK」とともに披露していたことからも、彼らの今年の代表曲になっていることがうかがえる。
どうしてこれほどまでに、多くの人へ届いたのだろうか。まずは楽曲について。メンバーのマイクリレーから始まるヒップホップと、ブラスも加わった生バンドによる軽快なサウンドを、明るく楽しいパフォーマンスで見せる。ドラマのオープニングとしてブラスバンドの前奏が流れた瞬間、ワクワクしていた視聴者も多いのではないだろうか。
一方で、〈燃やすこの闘志 その鉄格子/ぶち壊し どうしようもないままが/自分なんだ こっからはじまんだ〉など、リリックにはもがき苦悩しながら前に進んでいく様子がつづられている。
MVでは、柄シャツやカラフルなジャケットなどややノスタルジックな衣装やスタイリングに、撮影場所もボウリング場やコインランドリー、喫茶店、ゲームセンターなど昭和を思わせるシーンが続く。どこか懐かしさを感じさせながら、令和のアイドルでもある彼らの魅力が溶け込んでいて、目が離せなくなる。
これまでにリリースされた楽曲を思わせる歌詞や振り付けがあったり、〈黄色信号〉〈レッドカーペット〉〈よりどりミドリ〉〈仇桜〉〈青天の霹靂〉〈黒く燃える〉と6人のメンバーカラーがさりげなく散りばめられているリリックなど遊び心にワクワクさせられる。
音楽番組で披露するたびに「この曲でぶちかます」「自分たちの現状はまだ夢半ば。こっからさらに突き進む」という楽曲のテーマに通じる気迫がひしひしと伝わってきた。彼らのチームワークと楽曲の魅力が多くの人の心に届き、“team SixTONES”の一員になりたい、と思わせる引力があった。一度気になると、メンバーそれぞれが映画やドラマ、舞台で幅広く活躍していることが目に入ったことだろう。YouTubeチャンネル限定のパフォーマンスなど彼らの魅力を知る仕掛けはそこかしこにある。