MOONCHILD、固い絆が生み出す新たな表現力 デビューを経て歌との向き合い方に変化も
LDH JAPAN×HYBE LABELS JAPAN初共同プロデュースによって誕生したガールズグループ・MOONCHILDが、11月29日、2nd EP『Friends Are For』をリリースした。タイトル曲「Friends Are For」は、TVアニメ『七つの大罪 黙示録の四騎士』(TBS系)のエンディングテーマとして放送中のポップなダンスチューン。通常盤のカップリングには、全編英詞のラブソング「Warning」と、彼女たちが誕生したオーディション『iCON Z 〜Dreams For Children〜』時から共に歩んできたバラード曲「Lonely」のアコースティックバージョンが収録されている。デビューから約半年、さまざまな経験を通してますます固く結ばれたMOONCHILDの絆と、尽きない向上心について、笑顔が眩しいメンバーに語ってもらった。(斉藤碧)【記事最後にプレゼント情報あり】
「等身大の私たちを感じていただける1曲」(UWA)
――「Friends Are For」(作詞:JJean, YVES&ADAMS/作曲:ALYSA, JJean)のデモを受け取った時の印象はいかがでしたか?
HANA:「アニメのタイアップが決まりました!」という報告と同時に、デモも聴かせていただいたんですよ。なので、あまりの情報の多さに頭がパンクした状態で聴いていて。私の率直な感想は「わあ、すごい! 明るくてキャッチー! 流行りそう!」でした(笑)。
MIRANO:まさか私たちがアニメのエンディングテーマを務めさせていただけるなんて思ってもいなかったので、タイアップのお話を伺った時は驚きと嬉しさが一気に押し寄せてきました。なおかつ、「Friends Are For」は友情をテーマにしたすごくポップな楽曲で、アニメのストーリーに沿った内容になっていたので、エンディングでこの曲が流れることで次回のお話に向けてワクワクさせられると言いますか。私たちと一緒に来週の放送を楽しみに待ってもらえる、そんな楽曲になるんじゃないかなと思いました。
――アニメのエンディング映像を観ていたら、楽曲の最後にHANAさんが歌っている〈for〉と、お菓子を食べ過ぎたミニパーシバル(『七つの大罪 黙示録の四騎士』に登場するキャラクター)がプハァーってしている口のタイミングが合っていて、すごく可愛かったです。HANAさんがプハァーってしているみたいで(笑)。
一同:!?
――もしかして、今気づきました?
HANA:はい(笑)。
ANRI:私たちも実際にアニメが放映された時に初めてアニメーションと楽曲が一緒になっているエンディング映像を観たので、「わあ、本当に流れてる! 嬉しい!」みたいなテンションで観ていました……(笑)。
UWA:毎回、興奮状態だもんね。
ANRI:そうそう。なので、次回からは落ち着いてじっくり観たいと思います。
――今回のタイアップを機にMOONCHILDのことを知った方や、MOONCHILDをきっかけにして初めて『七つの大罪』に触れたという方も多そうですね。
UWA:私自身、これまではそんなにアニメを観てこなかったんですが、タイアップを機にこのアニメのファンになりました。『Friends Are For』のリリースイベントを行った時には、以前から応援してくれているファンの子たちからも「『七つの大罪』観てるよ!」って声をかけてもらいましたし、みんなと一緒に世界を広げられているなと感じています。
ANRI:YouTubeのコメントなどでは、アニメファンの方からの応援の声も届いていて嬉しいですね。私の家族も毎週日曜日の16時半から、しっかりリアタイしております!
――それぞれ、レコーディングでこだわったことも教えてください。まずは、サビを担当しているHANAさんから。
HANA:この曲はハジける明るさが魅力なんですけど、アクセントひとつで印象が変わってくるので、流して歌わないようにしていますね。切るところはしっかり切るとか、英語のところはインパクトを残すような歌い方をするとか、全体的にハッキリ発音することを意識して歌っています。それはプロデューサーのØMIさんからもアドバイスしていただきました。
――HANAさんは歌い出しも担当されていますが、この曲はイントロが短いから入るタイミングが難しそうだなって思いました。
HANA:すごく集中してクリックを聴いていないと、タイミングを逃すので、歌い出しはいつも緊張します(笑)。でも、MOONCHILDはイントロの短い曲が多くて、その歌い出しを任せていただくことも多いので、結構慣れましたね。そんな大事なパートを任せてもらえて、ありがたいです!
――デビュー時のインタビューで「メインボーカルがガツンと聴かせるのに対して、私は一旦落ち着くようなパートを任せてもらうことが多くて」(※1)とおっしゃっていたANRIさんは?
ANRI:「Friends Are For」でも落ちメロやサビに繋がるところを任せていただいて、今回も〈倍速な everyday たまに泣いたっていい〉という“スーパーANRIタイム”(落ちメロでANRIがフィーチャーされる場面)を作っていただきました(笑)。私自身も繊細な表現が得意ですし、声質的にもそういうパートが合っていると思うので、その任務を全うできるように一生懸命歌いましたね。サビに繋ぐパートは、大人しく歌っただけだと楽曲の中で浮いてしまうし、他のメンバーがサビを元気に盛り上げてくれることもわかっていたので、サビに向けてクレッシェンドしていくイメージで歌っています。
――「Friends Are For」は、オーディション時からマルチプレーヤーぶりを評価されていたMIRANOさんが本領を発揮した1曲でもありますね。
MIRANO:はい! これまで私はラップ担当だったんですが、この楽曲ではサビのボーカルと、所々にあるラップパートをUWAちゃんと2人で担当しています。オーディションの時からボーカルを担当することはありましたが、サビを歌う機会はなかなかなかったので、ボーカルパートは自分の声の中で一番聴きやすい歌声を意識して歌いました。それに対してラップパートは遊び心がある声色というか、普段友達と一緒にいる時のようなテンションでレコーディングしていて。ボーカルとラップで、違った歌声を楽しんでいただけると思います。
UWA:私は今回もラップを担当していて、特に〈ウチラ最強 colorful team〉から始まる2人(UWA・MIRANO)のラップパートは、カッコよさを意識してレコーディングしました。ただ、私の声色は普通に歌うと甘い雰囲気が強く出てしまうので、DEBUT EP(『DELICIOUS POISON』)の時はあえてキャラクターを作って、“ミステリアスでカッコいいUWA”をお見せしましたが、「Friends Are For」は友達や仲間を思いながら歌う曲なので、あまり作り込みすぎないようにして。楽曲が持つワイワイ楽しい雰囲気の中に、カッコよさを加えるイメージで歌いました。
――言われてみれば、DEBUT EPの時は“UWA様”のオーラに圧倒されていましたけど、今作では少し身近に感じました。大人っぽいからつい忘れそうになるけど、皆さんまだ10代ですもんね。
UWA:そうなんですよ(笑)。「Friends Are For」を披露する時は、パフォーマンスに対しては真剣だけど、やっていて楽しい! みたいな感覚がメンバー全員あると思いますし、MVも含めて等身大の私たちを感じていただける1曲になっています。
「MV撮影で、メンバーと一緒に暮らす体験ができて楽しかった」(MIRANO)
――振付のポイントはどういったところでしょうか。
UWA:「Don't Blow It!」が私たちのパフォーマンスを堂々と見せつける振付だとしたら、「Friends Are For」は振付も全体的にすごくキャッチーですね。〈Do it do it〉のところとかは顔周りでできる振付で真似しやすいと思うので、ぜひTikTokで共有してほしいです(と言いながら、拳を握った状態で親指と小指を交互に立て、振付を再現)。
――あー、これは脳のいい運動になる(笑)。
UWA:あははは。原曲のテンポでやると指の動きが速くてちょっと難しいんですけど、ぜひ挑戦してみてください。
HANA:この曲はカラオケでも歌ってみてほしいですね。
ANRI:何人かで歌い分けて?
HANA:そうそう。で、みんなで〈You and me yeah〉って言ってほしい!
――サビに至るまでが難しそうですけど、確かにその掛け声は盛り上がるでしょうね。
MIRANO:実際にリリースイベントでは、サビの〈You and me yeah〉という掛け声のところをお客さんに言ってもらって、一緒に楽しんでいます。中にはダンスを覚えてきてくれて、一緒に踊ってくれる方もいますし。これからも皆さんと一緒にこの曲を大きく育てていけたら嬉しいです。
――また、MVはストーリー仕立ての前編と、パフォーマンスを収録した後編が1つの作品になっています。パフォーマンスシーンは、掛け声も相まってチアリーダーみたいでしたね。HANAさんの笑顔もキラキラで!
HANA:ありがとうございます。普段は表情管理に力を入れていて、わりとクールな表情でパフォーマンスするようにしていますが、この曲はそれをあまり意識せずに、自然な表情で撮影していました。
MIRANO:もう一方の演技パートは、HANAの家でお母さんとお父さんに内緒でお泊まり会をする設定で、そこに「あわよくば好きな男の子も呼んじゃう?」みたいなストーリーになっています(笑)。今回は初めてお芝居にも挑戦したので、撮影していて新鮮でした。私たちは普段寮生活をしているんですけど、共同生活という感じではなく、一人暮らしに近い環境で生活しているので、一緒にケーキを作るとか、枕投げをしたり、MV撮影を通して、メンバーと一緒に暮らす疑似体験ができて楽しかったです。個人的に一番印象に残っているのは、ベッドのシーツに乗って階段を下りるシーンで……。
――シーツで!?
MIRANO:あっ、マットレスでした!
一同:あはははは!
ANRI:シーツだと大怪我しちゃうから(笑)。
MIRANO:あははは。全員、それぞれマットレスに乗ってガガガガって階段を滑り降りたんですけど、あれは怖かったです。
UWA:みんな怖いから、ジャンケンで順番を決めたんですよ。
MIRANO:男気ジャンケンでね。
UWA:私たち、いつも男気なんだよね(笑)。
MIRANO:可愛いお泊まり会シーンの裏では、そういうこともありました。