連載『lit!』第71回：DECO*27、じん、ツミキ、煮ル果実、柊キライ……多彩なシーンで存在感示すボカロP提供の近作5選

シユイ「GLOW」

　劇場版新作の制作発表、そして物語の外伝的位置づけとなるアプリゲームも新プロジェクト始動と、にわかに様々な話題で活気づく名作アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」。今回その中で10月3日に配信開始されたアプリゲーム『魔法少女まどか☆マギカ scene0』主題歌に起用されたのが、ボカロP・ツミキ提供作のシユイ「GLOW」となる。直近ではNOMELON NOLEMONやAoooといった先鋭的なバンドスタイルの活躍の印象も強いツミキだが、本作では一転して壮大で煌びやかなサウンドメイク力を発揮。今や立派な商業音楽家となった彼の、まだまだ底知れぬ引き出しの多彩さを感じさせる秀作となっている。

肉チョモランマ「ミドル」（柊キライ楽曲提供）

　歌い手出身のシンガー、GeroとめいちゃんのコンビによるYouTuberユニット・肉チョモランマ。バラエティ色の強い動画で人気を博す二人だが、本業となる歌唱スキルの高さも両者ともに言わずもがな。先日そんな彼らの初ワンマンライブが、ぴあアリーナにて11月2～3日の2days開催となることが発表。今回柊キライによって提供された本作も、彼らの注目の話題に華を添える形となったことだろう。アッパーテンポでダークなムードを終始纏う楽曲ではソリッドで攻撃的な両シンガーの歌唱力も惹き立っており、ある種の癖の強さが大きなウリの三者ならではの魅力がつまったコラボ作に仕上がっている。

じん「NEO feat. 初音ミク」

　9月30日にアプリリリース3周年を迎えた『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』。本ゲームがシーンに与えた影響の大きさは、今では大勢のリスナーが知る所でもある。これまでにも様々な節目の時期に記念楽曲が制作されてきたが、今回のアニバーサリーを飾るのは大御所ボカロP・じんによる楽曲だ。前作から約1年10カ月ぶりの自名義ともなるボカロオリジナル曲に、プロセカファンのみならず旧来からのシーンファンの喜びの声も多く散見されている。今後のカルチャーのさらなる躍進も想起させる明るい希望に満ちた楽曲に、胸を躍らせたリスナーもきっと大勢いるに違いない。