LUNA SEA、約30年の時を経て『MOTHER』&『STYLE』デュアルアリーナツアー開幕 新たな伝説を刻んだ初日をレポート
ここからは、RYUICHIの「少し時間を巻き戻して」という言葉の通り、リリース当時の彼らを思い返させるような演出と共にライヴが展開していく。観客の盛大なジャンプでアリーナが大きく揺れた「IN FUTURE」では、先述した『LUNATIC TOKYO』のライヴ映像と、ステージの様子をリアルタイムに映し出した映像が交互にスクリーンに映し出される。本編ラストの「ROSIER」では、MVを元にしたイメージ映像が流れ、曲のクライマックスではすべてのスクリーンが真っ赤に染まるという鮮烈な演出も。完全に勢いに乗っている若い獣のような当時の彼らと、ロックスター然とした圧倒的な存在感を個々に放つ現在の彼らが交差し、今この瞬間が奇跡的なものであると再認識させられるパートであった。
アンコールでは、11月29日リリース予定の『MOTHER』セルフカバー盤のジャケットを初公開。最終レコーディング作業中だという本作は、RYUICHI曰く「『うわ~キてる!』と思ってもらえるようなアルバム」になったという。期待に心躍らせる観客たちへ、ここでメンバー一人ひとりが思いを伝えることに。
真矢は「今回のツアー、年末までみんなで愛し合って、俺らとお前ら、どっちが最高にイカしてるか勝負しようぜ!」と勢いよく煽り、Jは「今日は初日! 最高のツアーにしようぜ!」とメッセージを放つ。INORANは活動初期のスタイルを踏襲してか、RYUICHIに耳打ち。RYUICHIが「『みんな愛してる』って!」と代弁すると、会場は歓声に包まれた。SUGIZOは「最高に幸せです。過去が今現在に蘇って、最高の形で一緒に未来を迎えましょう」「みんな最っっっ高に……愛してるぜ!」と溢れる思いを伝える。
そしてRYUICHIは、今回再現をする2枚のアルバムとその時代をあらためて振り返り、「このツアー、インディーズの頃のあの思い、メジャーになってからのあの思い。LUNA SEAの中心を支えてくれた2枚のアルバム……もう一度みんなでムーブメントを起こしたいんだよね。どう?」と不敵な笑みを浮かべながら観客たちを煽り、なんと「ここからは写真撮っていい」と撮影OKをアナウンス。「みんなが撮ったかっこいい作品をいろいろなところに知らしめて、LUNA SEAの嵐を起こしてほしい」と話し、「もう一度ムーブメントを起こしたい」という思いに繋がるサプライズであることを話した。
アリーナ中でたくさんのカメラマンがベストショットを狙うなか、「TRUE BLUE」「BELIEVE」「WISH」とキラーチューンを立て続けに披露。汗をかきながら輝く笑顔を見せるメンバーは広いステージを自由に駆け回り、途中歌詞に合わせてINORANがRYUICHIをハグする場面も。
ダブルアンコールでは、全員が白を基調とした統一感のある衣装で登場し、この日のラストナンバーであり、アルバムの最後を飾る「MOTHER」を披露。暗闇のなかでミラーボールが輝き出し、いくつもの細かい光の筋が降り注ぐ。まるで広大な夜空の下にいるかのような幻想的な空間のなか、生命と愛を歌った壮大なバラードソングが届けられ、観客たちはその感動を胸に刻みつけた。
ロックバンドのレジェンドとして不動の地位を確立しながらも、「もう一度ムーブメントを」となお貪欲に求め続けるLUNA SEA。そんな気概を持ち続けている彼らだからこそ、今回のようなライヴも単なる過去作の再現に留まらず、最高の今を見せる舞台になったのだろう。
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