s**t kingz、会場を踊らせた『踊ピポ』初日公演 エンターテイン溢れる熱いステージをレポート

 ステージにかかっていた幕が落ちると、4人が姿を現し「手上げて、声出して、ブチ上っていこうぜ!」と会場を煽っていく。今回、生バンドを背負ってのパフォーマンスとあり、いつも以上に力強く感じる。4人の気合いが入りまくったダンスも相まって、1曲目から思わず圧倒されてしまう。「おいおい、東京。そんなもんじゃねぇだろ! もっと声を聞かせてくれ」というshojiの言葉に呼応するかのように歓声はどんどん大きくなっていく。

 「みんな、待たせたな。s**t kingzだ!」とポーズを決めると、これから踊って、声を出して、盛り上がるために会場全員で準備運動をすることに。その間もトークで楽しませていく4人。まさにエンターテイナーだ。ストレッチをしたり、ダンスをしたり、口笛を吹いたり、声を出したりしてウォーミングアップをすると、「やってまいりました。s**t kingz、爆踊りタイム。皆さんはそのまま体揺らして楽しんでいってください」とshoji。メンバーが“s**t kingz史上最も体力の消耗が激しい振付”だと言う「Get on the floor feat. MaL,ACHARU & DREAD MC」でテクニカルなダンスを見せていく。4人、2人、ソロと様々なフォーメーションで踊る姿はもはや芸術と言っても過言ではないだろう。

 改めて一人ずつ自己紹介をすると、セクシーダンスパートへ。NOPPOが楽曲制作から振付までをプロデュースしたという「Live like you're dancing feat.ZIN」は、繰り出される一つひとつの動作が優雅で、セクシーであり圧倒的な美でもある。音楽に身を任せて体を揺らしていた観客を座らせると、続いてはチルナンバーコーナーへ。心地よいグルーヴが会場全体を包んでいく。続くのは、Oguriがプロデュースした「Bright feat.渡辺大知」。ダンスにストーリーが詰まっているだけでなく、s**t kingzの表現力も相まって、まるでドラマを見ているかのようだ。

 会場が余韻に浸るなか、ステージに登場したのは、衣装チェンジしたkazuki。光が降り注いでいるかのような照明の中、踊る姿は幻想的だ。そして入れ替わるように登場したのはshoji。ついつい体を上下させてしまうようなノリが会場を包み、自然とクラップも沸いていく。大きな歓声が上がると、他のメンバーもステージに登場し「shojiに拍手!」とクールなパフォーマンスを全員で称賛した。

 一気に駆け抜けてきた時間を振り返り、kazukiは「ライブって進んでいくんだね」としみじみ。こうして幕を開けたツアー初日の客席を前に、これまで準備してきた期間に思いを馳せていた。

 続いては、Oguriのソロへ。しかし音楽も振付も何も決まっていないという。生バンドと、s**t kingzのOguriだからこそできる粋な演出が繰り広げられ、即興でハイクオリティなパフォーマンスをやってのけるプロの才能を垣間見た瞬間であった。ここは、ぜひライブに参加してのお楽しみとしてほしいところのひとつ。そして続くNOPPOのソロは、スローテンポのムーディな楽曲。柔らかく踊る姿は、まるで水中を泳いでいるかのように優雅。NOPPOの長い手足が美しい。会場中をうっとりさせるようなパフォーマンスを見せていた。

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