I Don't Like Mondays.『ONE PIECE』主題歌とツアーで得た自由 『RUNWAY』新曲群を語るセルフライナーノーツインタビュー

「『PAINT』を出したことが繋がっている」(KENJI)

――もうひとりのゲストプロデューサーが「conversation」でタッグを組んだDPR CREAMさんで。ESMEさんとは真逆と言ってもいい、はっきりしたスタイルとカラーを持っている人だと思うんですけど。

YU:DPRは僕らは全員好きで、ライブも行かせてもらったし、常にチェックしてるぐらい注目してるアーティストなんです。彼らの基盤は韓国であったりアジアだったりするけど、今の時代ならではのワールドワイドのハイブリッド感があってめちゃめちゃかっこよくて、本当に気鋭な存在だなって。そのなかで、偶然にも「一緒にできるかも」という話になって、それは絶対やりたいと思いましたね。

――こうやってプロデューサーと一緒に作る時って、どういうプロセスを経て完成していくものなんですか?

YU:まずラフなデモみたいなものを作って送って、プロデューサーさんに打ち込んでもらったものをバックしてもらって、それを聴いてメロディを変えたほうがいいかもと思って、歌詞を書きながら変えたり。変に形式ばらずにやりました。

――できあがった楽曲には結構DPRのカラーが出ている感じもしたんですけど、もともとはどういう曲だったんですか?

KENJI:もともとの曲調も向こうが困っちゃうようなものというよりは、やっぱり彼の得意な部分を引き出すような曲を意識して作っていました。あとは、僕らのなかでも最近作ってなかった曲調で、このアルバムにおいても映えるような、他の曲とも違うカラーの曲っていう部分も意識していましたね。

YU:でも、ここまでヒップホップなリリックを書くことになるとは、このバンドを結成した時には思ってなかったですね。でも去年「ロンリーゾンビーワンダーランド」とかをちょっと遊びで作った時に身につけたスキルが活きている感じがします。同じ“作詞”という作業ですけど、ポップスを書く時の脳とは全然違うんですよね。「ラップってこんなに思ってることをそのまま書けるんだ」という楽しさがあって。そういうものも楽しみながらやらせてもらいました。

KENJI:今思うと、意外と「PAINT」を出したことがここにも繋がっていて。というのは、『ONE PIECE』自体が海外で受け入れられているもので、それをきっかけに僕らも海外のフェスとかライブに行かせてもらって。そこでのお客さんの反応を見て、海外でやれる可能性がどのくらいあるのかを目の当たりする機会になったんですよね。そもそも海外も視野に入れてやっていきたいと思っていたんですけど、そこでやっぱり海外にも向けて作っていくほうがいいんじゃないかということになって。こういうふうにDPR CREAMとやるとなった時も、昔だったらもうちょっとJ-POPっぽく落とし込もうと考えていたかもしれないし、時期ももっとあとにしたほうがいいという話も出ていたかもしれないですけど、そういった流れがあったから「今やるべきだ」って思えた。変なことを考えずに曲としてかっこいいものをただ作ろうとしてできたのは、意外とそこから繋がってるのかなって。

conversation (Prod. by DPR CREAM - Visualizer)

――今お話にもありましたけど、まさに今アイドラはワールドツアーを展開中ですし、アニメ関係のイベントにも出演したり、海外にアプローチする場が増えていると思うんですけど、そこでどんなことを感じていますか?

KENJI:これはこれから個人的に改善したいなと思っていることなんですけど、昔、外国の友達に「日本のライブと海外のライブの違いって何?」と聞いたら、「日本は耳で聴くけど、海外は体で聴く」って言っていて。おもしろいんですけど、それは環境も影響していて、海外のほうが地震が少ないから昔の建物が残っていて、それをクラブとかに改造したりするから、そもそものクラブの数が多かったり、おしゃれな場所が多かったりする。そういうところで聴く音楽は耳じゃなくて体で感じるものだから、そういう聴き方がもともと育っているんだっていう。その話自体はしばらく忘れていたんですけど、実際にライブをやると、日本でやるのとは違う反応が返ってくるんですよね。体でノれるかどうかをすごく大事にしているし、だから海外でライブする時にはもうちょっとそういう曲の割合を増やすとか、意識していきたいなって。それはスペインとかブラジルでライブをして気づいたことですね。

SHUKI:僕は日本でライブをしていくなかでは、バンドアンサンブルにおいて自分の音をどうよくしていこうかを考えていたんですけど、このあいだ中国へ行ったり、ジェイク・ミラーのライブを観たなかで感じたのは、意外とバンドアンサンブルにおけるベースやギターの立ち位置、ボリューム感が日本のアーティストと全然違うなって。だから、どういうバランスで出すことが正解なのか、そのうえでどうやって音作りをしていくかをあらためて考えるいいきっかけになったのかなと思います。

――グルーヴという意味では、「Sin City」という曲はまさにグルーヴが非常に気持ちいい曲で。これこそ“体で聴く”タイプの曲だと思います。

KENJI:これはアルバムをこの時期に出すということが決まったくらいの時に、アルバムの目玉となるような曲を作ろうとしていた時期があって、いろいろなデモを作るなかでできていった曲ですね。いちばんはYUのファルセットが活きるような曲を作りたいっていうのと、それこそ「ビートが活きるものにしたいね」というところで、僕らっぽいサウンド感で音数もそんなに多すぎず、曲もあんまり明るすぎないようにとか、そういうことを考えながら作りました。ある意味、昔の僕ら――原点回帰じゃないですけど――その感覚にいちばん近い位置で作った曲かなと思いますね。

――YUさんはいかがですか?

YU:僕、この何年かでレコードを聴くようになったんですけど、70年代とか80年代の日本のシティポップをよく聴くんです。昔のアルバムを作っていた時とかは全然(シティポップを)通っていなかったので、洋楽を聴いて育った自分がそうやって日本のシティポップを吸収したうえで、それをハイブリッドさせて何かできないかなと思って。この曲だったらその感覚を出せそうだなと、歌詞も歌い方も考えましたね。

――歌の情緒がすごく豊かで、シンガーとしての進化も感じさせる曲ですよね。

YU:昔よりも音楽を深く聴けるようになったこともあるかもしれないですね。そういう意味でも、結局コロナ禍というものはデカかったなと思います。スピーカーを買ったりして、じっくり音楽を聴く時間も作れたのでインプットが何倍も上がって、それを経て自分の表現で何か活かせないかなと考えるようになったんです。活かそうとしなくても自然に聴いているだけで勝手に活きてくることもあるし。少しは成長してるのかなって思います。

――サウンド面でも、歌詞の面でも、そして歌唱や演奏の面でも、いい相乗効果のなかでより自由に、のびのびと作れたアルバムというのは聴いていても伝わりますし、気持ちいいですよね。

YU:ありがとうございます。

――先ほどワールドツアーの話もありましたが、リリース後には国内でのツアーもあります。今回はアルバムとしてのコンセプトもはっきりしているので、どういうライブになるのかということも楽しみです。

YU:まだリハーサルが始まっていないので何とも言えないんですけど、海外で大きいステージでやらせてもらったということもあって、バンド力というかライブ力が去年より上がっているんです。それがツアーにぶつけられたらいいなって思っています。

KENJI:今までのツアーはツアーごとのコンセプトでライブを組み立てていたんですけど、今回のツアーはコンセプトというより今の僕ら、もしかしたら今後数年変わらない僕らの軸や僕らの色を出そうと思っているので。そういうライブになるかなと思います。

■アルバム情報
5th Album『RUNWAY』
発売中

・AL2枚組+DVD2枚組(スマプラ対応)※初回生産限定盤
・AL2枚組+Blu-ray Disc2枚組(スマプラ対応) ※初回生産限定盤
・AL(スマプラ対応)

■ツアー情報
『I Don't Like Mondays. 2023 A/W TOUR "RUNWAY"』

大阪公演
【日時】10月1日(日)開場17:30 / 開演18:00
【会場】BIGCAT
【お問い合わせ】キョードーインフォメーション
0570-200-888(月~土曜日 11:00~16:00)
https://kyodo-osaka.co.jp/

名古屋公演
【日時】10月9日(月・祝)開場17:15 / 開演18:00
【会場】ダイアモンドホール
【お問い合わせ】サンデーフォークプロモーション
052-320-9100
https://www.sundayfolk.co.jp/

札幌公演
【日時】10月14日(土)※2部制
1部 開場14:30 / 開演15:00
2部 開場18:00 / 開演18:30
【会場】SPiCE
【お問い合わせ】マウントアライブ
050-3504-8700(平日11:00~18:00)
https://www.mountalive.com/

福岡公演
【日時】11月5日(日)開場18:00 / 開演18:30
【会場】DRUM LOGOS
【お問い合わせ】キョードー西日本
0570-09-2424
http://www.kyodo-west.co.jp/

岡山公演
【日時】11月19日(日)※2部制
1部 開場14:30 / 開演15:00
2部 開場18:00 / 開演18:30
【会場】YEBISU YA PRO
【お問い合わせ】キャンディープロモーション
086-221-8151 (平日11:00~18:30)
https://www.candy-p.com/

仙台公演
【日時】11月23日(木・祝)※2部制
1部 開場14:30 / 開演15:00
2部 開場18:00 / 開演18:30
【会場】darwin
【お問い合わせ】G.I.P
https://www.gip-web.co.jp/

東京公演
【日時】12月2日(土)開場17:30 / 開演18:30
【会場】Zepp DiverCity ※全自由席
【お問い合わせ】キョードー東京
0570-550-799(平日 11:00~18:00 / 土日祝 10:00~18:00)
https://kyodotokyo.com/

【チケット】スタンディング
一般 7,200円(税込)
ツアー詳細:https://idlms.com/news/347726

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