銀行員からありのままの言葉を届けるシンガーへ 葛籠貫理紗、「17LIVE」で深めた“憂いを帯びた歌声への自信”

葛籠貫理紗、憂いを帯びた歌への自信

 神奈川、東京を中心に活動する“元銀行員”シンガーの葛籠貫理紗(つづらぬき りさ)。

 学生時代のバンド活動を通して「歌手になりたい」という夢を抱いていた彼女は、銀行員として働く傍ら『歌唱王~歌唱力日本一決定戦』(日本テレビ系)や『THEカラオケ☆バトル』(テレビ東京系)に出演し、その類い稀な歌声で全国の視聴者を魅了した。歌の夢を諦めきれず退職すると、音楽活動を本格化。同時に国内最大級のライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」にてライバー活動を開始し、日夜その美しい歌声を世界に届けている。

 そんな葛籠貫理紗が新曲「想い人」を発表した(『17LIVE presents MUSIC COMPILATION ALBUM』にも収録)。繊細なピアノのタッチと流れるようなメロディが溶け合うこの美麗なバラードでは、彼女のその美しくもどこか儚い絶妙なボーカル表現が発揮されている。複雑化したJ-POPのなかで、しっとりとした空気を醸し出す彼女の穏やかなその歌声は、人々に癒しを届ける貴重な存在となるだろう。彼女の理想の歌手像が詰め込まれてもいるというこの新曲に込めた想い、そして今後の目標を語ってもらった。(荻原梓)

バンド活動を経てソロシンガーを目指すまで

ーーまずは音楽との出会いから教えてください。

葛籠貫理紗(以下、葛籠貫):幼い頃から歌が好きで、中学生の時はよく友達とカラオケに行ったりするような、本当にその辺にいる歌が好きな普通の子という感じでした。高校生の時に初めて軽音楽部に入ってバンドを組んだのが、音楽を始めた瞬間だったんですけど、その頃に人前で歌うのが好きだなとか、漠然と歌手になってみたいなという気持ちが芽生え始めました。そのバンドをやっていた時に、仲のいい友達たちがライブで私の歌を聴いて泣いてくれたことがあったんです。それを見て、ちょっと衝撃を受けて。自分の歌でも人の心を動かすことができるんだと思って、その時に漠然と描いていた夢を実現させたいと思いました。

ーーその頃はどんな曲を歌ってたんですか?

葛籠貫:今はバラードを歌うことが多いんですけど、その頃はSuperflyさん、シドさん、木村カエラさんのカバーをやることが多かったです。軽音楽部ではガールズバンドを3年間やりつつ、別のバンドを大学2年生まで5年間くらいやっていて、そこではオリジナル曲もあったんですけど、今とは違うロックな感じでした。

ーーとなると、葛籠貫さんの芯にはロックがあるんでしょうか?

葛籠貫:どうなんでしょう。その時は歌い上げる系とかノリノリの曲とかも好きだったんですけど、自分の好きな音楽の方向性とかどんな音楽が自分に合ってるか、当時はまだあまりわかっていなくて。逆にそのバンド活動の5年間を通じて「自分はこっちじゃないな」って気づいた面もあると思います。バンドのボーカル担当というよりは「私がなりたいのはソロのシンガーなんだ」ってその時に改めて気づかされたし、歌詞を一つひとつ大事に届けるバラードシンガーになりたいって。それが自分の理想像だっていうのをあの頃に気づいた気がします。

ーーなるほど。ちなみに当時憧れていた歌手はいましたか?

葛籠貫:当時はJUJUさんがすごく好きでカバーもたくさんしてました。あとは元E-girls/Flowerの鷲尾伶菜さんが今でもすごく好きで、ああいった歌を歌う人を目指してますし、昔はただただ好きでライブに行ってましたけど、今ではステージ上の表情などを勉強したり、歌い方や楽曲も参考にさせていただいてます。

ーーそして“元銀行員シンガー”ということは、大学を卒業してからは銀行に就職したわけですね。

葛籠貫:はい、そうです。歌手になりたいという夢があったので、実際オーディションとかも何度か受けてきたんですけど、どれもうまく行かず……。それ以降どういう活動をしたらいいのかわからなかったので、普通に大学4年間を過ごしました。周りのみんなは就活してるし自分も就職しなきゃ、みたいな。それで銀行員になりました。

ーーでも夢は諦めきれなかったと。

葛籠貫:そうですね。高校時代も大学時代も、あと銀行員になってからも、『歌唱王』や『THEカラオケ☆バトル』に出演させていただいたりして、やっぱり音楽をやりたいなっていう気持ちがありました。

「歌は真剣に、トークはカオスに」を掲げる理由

ーー勝手なイメージですけど、銀行員ってお堅い職種じゃないですか。銀行員と音楽活動ってある意味真逆とも言えるので、辞めるのは相当大きな決断だったんじゃないですか?

葛籠貫:就職してからもずっと「これでいいのかな」みたいなモヤモヤがあった中で、社会人1年目の冬に番組に出させていただいて「やっぱり私はステージで歌いたい」とか「もっとテレビに出たい」という思いが強くなったんです。それもあって、いろんな人に相談して決めたというよりは、衝動で「こっち(歌手)の道に行くしかない!」みたいに決めました。「人生一度きりだしやりたいことをやろう」と思ったんです。母にも特に相談せずに「辞めるわ」って言って。職場の支店長もそうですし、もっと上の方にも許可を取って番組に出演したので、実際に上司に相談する時は「辞めると思ってたよ」「いつかこうなる日が来るとは思ってたよ」と言われました。

ーー周りからの反対も特になかったんですね。

葛籠貫:はい、誰にも反対されなかったですね。辞めることに自分の気持ちが傾いてる時には、同じように会社を辞めて、夢を追って海外に行った友達が背中を押してくれたりもしました。

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ーー自分の中で自信のようなものはあったんでしょうか?

葛籠貫:何の根拠もないのに辞めるということはしてなくて、自信と不安が半々という感じでした。ただ、自信というよりも、次にやることが見つかって辞めたという方が正しいです。私にとってはそれがライブ配信でした。

ーーではそのライブ配信に話を移しましょう。葛籠貫さんが17LIVEでライブ配信を始めたきっかけを教えてください。

葛籠貫:社会人1年目の冬に番組に出た時に、反響を確かめたくて、全然動かしていなかったTwitterを久しぶりに起動したんです。いわゆるエゴサをしてみたくて(笑)。それでTwitterを開いたら「イチナナのライバーをやりませんか?」と関係者の方からDMが来てたんです。それでライブ配信というものがあるんだと知って、早速アプリをインストールしてみたところ、ちょうどアプリ内でかなり盛り上がっているイベントをやってて、その時のライバーさんたちが輝いて見えたんです。「自分もこの世界に飛び込んでみたい」って思いましたし、そもそも歌手活動するにしてもまず何から手をつけていいかわからなかったので、「ライブ配信から始めてみよう」と思ったのが配信を始めたきっかけですね。

ーー配信ではどんなことを心掛けてますか?

葛籠貫:なるべく飾らないようにしてます。配信を始めて今年で5年目になるんですけど、当初は正直猫を被ってるみたいな配信でした。歌が中心なんですけど、あまり素を出さず、丁寧に明るく振る舞ってばかりいたんです。でも今は、自分の素を全面にさらけ出すようにしてます。喋ることは包み隠さず、本当に“生”の配信を届けることを心掛けていて「歌は真剣に、トークはカオスに」っていうタイトルで配信してるんです。

ーーそれは素を出したら反響がよかったということなんでしょうか?

葛籠貫:配信していくうちにだんだん隠せなくなってきたんです(笑)。最初は「元銀行員」とプロフィールに書いてましたし、辞めてすぐだったので自分的にもきちっとしてしまうところがありました。でも、だんだんと銀行員の面影もなくなり、素が出はじめて、配信中に水をこぼして「わー!」とか言いながらやったり、たわいない話にゲラゲラ笑ったりしてると、皆さんが「むしろその方がいいよ」って言ってくれたりしたので、私も気楽にできるようになりました。

ーーそのギャップも魅力の一つになってるんでしょうね。

葛籠貫:そう言っていただけることは多いかもしれないです。

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