【EXPG STUDIO対談 Vol.01】MASAYA×THE RAMPAGE 岩谷翔吾が語る、「J.S.B basic」の系譜と進化

説得力となるのは覚悟と信念が込められたパフォーマンス

ーーEXPG STUDIOはどんな校風ですか?

MASAYA:翔吾が通っていたときは、アーティストデビューという狭き門を通過するためのカリキュラムだったので、生徒たちは競い合って上を目指していくような校風だったと思います。礼儀作法や努力することの大事さをしっかりと教えるのは今も一緒ですが、昨今ではアーティスト以外にも様々な道があることを提示していて、そこが大きく変わったところでしょう。例えばインストラクターとか、コレオグラファーとか、ダンスに直結する仕事を目指すこともできますし、LDH JAPANはアパレルや飲食も手がけているので、広い意味でダンスカルチャーに携わる仕事を目指すこともできます。多種多様な道を提示できるようになったのは、ダンスカルチャーが成熟した証でしょう。一方、ダンスのプロを目指すのであれば、がむしゃらに頑張るような競争心も大事なので、その辺りを今の子どもたちにどう伝えるのかは、僕自身にとっても課題になっています。

ーー昨今の風潮だと、人と競い合うよりもみんなで楽しくやろうという方針になりそうですが、狭き門を目指すのであれば不断の努力は必要ですよね。

MASAYA:『iCON Z ~Dreams For Children~』での僕は鬼教官のような印象があるかもしれませんが(笑)、大前提として努力することそのものが楽しくなるようにと心がけています。どんな分野でもその道のプロになるのは並大抵のことではないし、そのために必要な技術や姿勢を伝えなければいけません。ダンスを通じて学んだ「努力をすることの大事さ」は、例えば会社員になったとしても活きるものですし、実際のところ、EXPG STUDIOを卒業した子には、ダンス関係の仕事以外でも活躍しているケースがあります。

ーーEXPG STUDIO ONLINEのインタビューでMASAYAさんは、オーディションを受ける際の心得として、「パフォーマンス内容が固まったら、何度パフォーマンスしても同じクオリティが出るところまで練習すること」と説いていましたね。

MASAYA:10回やって10回とも同じクオリティでパフォーマンスできるようになるまで努力することは、おそらくどんな職業にも通じるプロ意識だと思います。自分で限界を作ってしまわずに、できるまで頑張ることで達成するという感覚は、ぜひ生徒たちに学んでほしいことです。また、翔吾のように人前で活躍するアーティストになるためには、さらに一歩先を行く必要がある。そこを実際にデビューしたアーティスト本人に教えてもらえるのも、EXPG STUDIOの良いところだと思います。

ーー岩谷さんは実際にEXPG STUDIOでレッスンをしていますが、どんな内容でしょうか。

岩谷:僕は東京校と大阪校で、半年に一度ほどのペースで中学生を対象としたレッスンを行っています。EXPG高等学院の学長であるEXILE TETSUYAさんと相談して、ダンサーとして悩みやすい年代である中学生に対して、僕自身がキッズダンサーからアーティストになった経験を伝えようとスタートしたものです。中学生はキッズダンサーから成人ダンサーへと移行する時期なのですが、EXILE TRIBEのライブなどでキッズダンサーとして活躍する機会が減る一方で、成人ダンサーとはスキルや体力に差があるため、活動に空白ができやすい。僕自身、成人ダンサーの壁にぶつかった経験がありますし、高校受験なども重なって、そこでダンスを諦める子も少なくないんです。でも、中学生同士で切磋琢磨できれば、その期間を有意義に過ごすことができると思って、このレッスンを行うことにしました。せっかくダンスが好きでEXPG STUDIOに通っているのに、誰もが通る成長段階で諦めてしまうのはもったいないですし、うまく続けられる環境を提供できればまた違うのかなと。僕がMASAYAさんたちに夢を応援してもらったように、僕も後輩たちの夢を応援したいですからね。

ーープロとしての意識なども伝えているのでしょうか。

岩谷:僕自身、デビューする前は漠然と「華やかな世界で活躍したい!」とか「めちゃくちゃモテたい!」という願望もあったのですが(笑)、実際にデビューしてからは覚悟が大きく変わりました。THE RAMPAGEとして明確に目標を定めて、それを達成するために日々努力をしていますし、メンバー全員が強い気持ちでパフォーマンスに向き合っています。ただ楽しければ良いという姿勢でやっていたら、それはパフォーマンスにも表れるし、観ている人にも伝わってしまう。日本でトップのダンスボーカルグループを目指すとか、世界に打って出ようとしたとき、その説得力となるのはやはり覚悟と信念が込められたパフォーマンスです。精神面のタフネスの必要性は、アーティストとして伝えたいことですね。

ーーLDHアーティストは「Love, Dream, Happiness」を伝えることに重きを置いています。精神性やメッセージ性もまた、多くの人から支持されるアーティストには必要不可欠な要素です。

岩谷:EXILE TRIBEのグループは、HIROさんから脈々と続くマインドを引き継いでいて、僕のような若手もまた強く意識しています。今、THE RAMPAGEはかつてないほど気合いが入っていて、次のツアーでは16人全員で身体をバキバキにして、最高のパフォーマンスをお届けしたいと考えています。EXPG STUDIOはカリキュラムも充実していて、先ほどMASAYAさんが仰ったように多方面に活躍の道が開かれていますが、なんといっても精神的に強く成長できるところが素晴らしいと思います。ダンスそのものはどこのスタジオでも教えてくれるし、本気で気合いを入れればどんな環境でもうまくなれると思いますが、EXPG STUDIOには他にはない信念や哲学があって、夢を持つ若者が頑張れる環境が整っています。こんなスクールは多分、世界を見ても他にないんじゃないかなと思います。

MASAYA:EXPG STUDIOの強みは、翔吾が言ったようにマインドの部分にあって、一生懸命な想いを乗せてパフォーマンスできるところにあると思います。歌やダンスなどの作品を作る人の想いもそうですけれど、ベストなエンタテインメントを届けたいという想いは、我々インストラクターやLDH JAPANのスタッフにも共通しているところで、企業文化として根付いています。その感動を届けたいという純粋な想いは今後、世界にも伝わっていくはずです。EXPG STUDIOは今年、20周年を迎えます。これまで土台を作ってきた先輩方の意志を引き継ぎつつ、さらに多くの素晴らしい人材を輩出できるように努力していきたいです。

■関連情報
EXPG STUDIO 公式サイト:https://expg.jp/

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