世が世なら!!!はどんなモードでこの夏を駆け抜ける? つば男が誇る“メダチタガリアン”たちが全力で挑んだ3rdシングル
2021年、つばさレコーズの男子部門「つばさ男子プロダクション」設立と共に誕生したボーイズグループ、世が世なら!!!。3カ月に渡るプレ始動期を経て、2022年8月31日にシングル『鼓動のFighters』でCDデビューを果たした彼らが、デビュー1周年を目前に控える8月9日、3rdシングル『メダチタガリアン』をリリースした。
「鼓動のFighters」を手掛けた児玉雨子が作詞した表題曲は、目立ちたがり屋を宇宙人と例えて、“目立ちたがって何が悪い?”と訴えかけるダンスチューン。カップリングの「無駄」は、つばさ男子プロダクションのチーフマネージャーであり、グループのプロデューサーも務める堀切裕真氏が作詞作曲しており、素顔の世が世なら!!!にフィーチャーしたミディアムナンバーとなっている。
7月17日にスタートした初のワンマンツアー『世が世なら!!!初のワンマンツアー - 眩しいのは太陽?いや世が世でしょ!俺らと一緒にバカ騒ぎSUMMER -』も佳境を迎える今、彼らはどんなモードで夏を駆け抜けているのか? つば男が誇るメダチタガリアンたちに、最新シングルについて語ってもらった。(斉藤碧)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】
コーレスあり!一緒に踊れる振りあり!全力で振り切った「メダチタガリアン」
――タイトル曲「メダチタガリアン」(作詞:児玉雨子、作曲:本田光史郎/戸嶋友祐、編曲:高橋諒)は、宇宙を連想させるワードが多数散りばめられたキャッチーなダンスチューン。遊び心たっぷりの歌詞の奥には、深いメッセージが秘められているようですが、楽曲を受け取った時の印象はいかがでしたか?
中山清太郎(以下、中山):この曲は“目立ちたがって何が悪い?”という主張がテーマで、目立ちたがり屋を宇宙人に例えた歌詞になっているんですけど、サウンドの感じもピコピコしていて、宇宙っぽいなって思いましたね。あとテンポが速いので、歌うのが難しそうだなっていうのが正直な感想でした。
橋爪優真(以下、橋爪):そして、なんといっても「メダチタガリアン」は、コーレス(コール&レスポンス)があるのが大きなポイントで! デモを聴いている時も、みんなで「ここは絶対コーレスだよね」って話していましたし、レコーディングする前から、早くライブでやりたいなって思いました。
――4月に開催されたTHE SUPER FRUITとのツーマンを拝見して思ったんですけど、前作「ウオー!サオー!」が、一気に新たな道を切り開いてくれた感じがありますよね。世が世のライブに、新たな風を吹き込んでくれたというか。
大谷篤行(以下、大谷):そうですね。コロナ禍で声出しの制限もあったので僕らはこれまで“自分たちのパフォーマンスを見せる楽曲”を主にやってきたので、お客さんを巻き込んで一緒に踊ってもらう「ウオー!サオー!」は、結構大きな挑戦だったんです。でも、リリイベやライブでifif(ファンの総称)のみんなが一緒に踊ってくれたことで、「こんなライブができるんだ!」っていう自信をもらえましたし、ififのみんなとの団結力が一段と増したなと思っていて。しかも、最近のライブからはお客さんの声出しもOKになったので、コーレスもやれるぞ! と(笑)。そういう流れでの「メダチタガリアン」なので、コーレスあり! 一緒に踊れる振りあり! という楽曲になっています。
――では「メダチタガリアン」に関して、各自の見せ場や、レコーディングでこだわったことなどを教えてください。
内藤五胤(以下、内藤):僕は最後の〈メダチタガリ My way 前へ出ようぜ!〉っていうところがお気に入りですね。今の世の中、空気が読めないとダメだったり、目立つことを否定的に捉えている人が多いなって感じているんですけど、「メダチタガリアン」は「そんなことは気にせず、どんどん目立ちにいこうぜ!」っていうメッセージを歌った曲で、特にこのフレーズは伝えたいことの総まとめだと思うんです。それに、ここは振付も応援団っぽい動きというか、世が世の圧を感じる振りなので(笑)。ダンスも含めて、みんなの背中を押せるパートだと思います。
――レコーディングするにあたり、堀切さんから言われたことはありますか?
内藤:サビの〈ワ・ワ・ワ・ワ・レ・ワ・レ・ハ メダチタガリアン〉の部分は、堀切さんから「メダチタガリアンっていう宇宙人になりきって歌ってほしい」って言われたんですけど、最初は「何を言ってるんだろう?」って思いましたね(笑)。でも、改めて歌詞を読み返したり、CRE8BOYさんに作っていただいた振付を踊っていく中で、少しずつ堀切さんの意図がわかってきて。MVを撮る時も、宇宙人っぽい無機質な感じを出すために、急に笑ったり、急に無表情になったり……表情管理にこだわって撮影しました。
――前作「ウオー!サオー!」に続いて、今回も歌い出しは陵輔くん?
添田陵輔(以下、添田):はい。僕が歌い出しなんですけど、〈読めない 言えない 逆らえない〉っていう歌詞から始まるので、レコーディングの時は、これをどう歌ったらいいか迷いましたね。空気を読んで逆らえないっていう意味なんだろうけど、どういうニュアンスで表現したらいいんだろう? って。でも「メダチタガリアン」を歌うからには、どうせなら僕も振り切ってやろう! と。後々いただいた振付も、クスッと笑えるような面白い仕上がりでしたし、MVでもリリイベでも、いつも以上にふざけてパフォーマンスしています。
――この曲、歌割が結構細かいですよね。前作の「ウオー!サオー!」と乙男」は、一人ひとりのソロパートが長くて、改めて自己紹介をしているような印象がありましたが、「メダチタガリアン」はどんどん歌い手が変わっていく面白さがあります。
笠松正斗(以下、笠松):そうですね。この曲は短いフレーズをみんなで歌い繋いでいく歌割になっているので、短いソロパートの中でも、しっかり自分らしさを見せる必要があって。僕は、1サビと大サビの前にある〈やばレーダー〉っていうフレーズに力を入れました。自分はメンバー内だと割と柔らかい声質で、それが良い意味でも悪い意味でも僕の個性だと思うんですけど、そんな“らしさ”を感じてもらえたらいいなと思いながら歌っています。
大谷:“良い意味”しかないでしょ(笑)。
笠松:あはははは。
中山:僕は〈ひみつの〉という部分を歌っているんですけど、ワンフレーズが短い言葉だからこそ、語尾の歌い方が大事だと思っていましたね。雑に歌って、ヘンに語尾の音が下がっちゃったりすると、次の人との繋がりがスムーズにいかないので。ちゃんと次の人に歌を渡せるように、語尾までハキハキ歌うことを心がけています。
――MVでズバ抜けた変顔を披露している、篤行くんの見せ場は?
大谷:確かに変顔も見せ場なんですけど(笑)、特に力を入れているのはサビですね。次から次へと新たなフレーズが来るので、ブレスのタイミングを掴むのが難しくて。ライブだとなおさら息が上がってしまったりするんですけど、焦って歌うと、何を言っているのかお客さんに伝わらないと思うんです。だから、どれだけハッキリ、分かりやすく歌詞を伝えられるかが、自分にとっての課題で。リリイベでもライブでも、毎回秘かに挑戦しているポイントです。ライブとCD音源の違いを聞き比べるのも面白いと思います。
橋爪:僕の聴きどころは、大サビ前の〈今 直流の恋〉というフレーズです。ここは陵輔と2人で歌っているんですけど、結構キーが高いんですよ。でも高い音って、パーンって突き抜けると、聴いている側としても気持ちがいいと思うし。僕自身も、陵輔と2人で歌いながら「お互いの良さが出てる!」って思えるので、特に好きなパートです。あと1番の〈赤・青・黄からエラー 出会えた〉っていうところは、振付にも注目してほしいですね。歌っているのは僕・正斗・篤行の3人なんですけど、ライブでは、僕のうしろで五胤・陵輔・清太郎が騎馬戦の騎馬を作ってくれて。自分はその上に乗って歌うんです。
――優真くんは、スパフルとのツーマンライブでもアクロバティックな技を披露していたので、割とこういう動きに慣れているのかもしれませんが……それにしても、これだけテンポの速い曲に、よく騎馬戦を組み込みましたね(笑)。
橋爪:あははは。そう、すぐに騎馬を組んでもらって、すぐに上に乗って歌うので、ここは声がブレやすいんですよね。でも、下の3人がしっかり支えてくれているので安心感があって。レコーディングの時も、その状況を想像しながら歌いました。世が世は見ての通り、全員メダチタガリアンなんですけど(笑)。一人ひとり得意分野が違うからこそ、それぞれ違うところで目立てるし、お互いの良さを引き出せるのが強みで。この曲もみんなの個性がバランスよく組み合わさった、見どころ満載の1曲になったなと思っています。
――全体的には、インベーダーゲームのような振付が特徴的ですね。振付を制作されたCRE8BOYさんとの交流は、もう長いんですか?
中山:「下剋上、はじめました。」「鼓動のFighters」「ウオー!サオー!」からの「メダチタガリアン」で、何度もお世話になっています。
――デビュー前からの付き合いとなると、メンバーの意見が振付に反映されることもあるんでしょうか。
大谷:いただいた振りを入れる段階になってから、追加で僕らのアイデアを伝えることはありますね。ライブで実際に踊った上での微調整とか。CRE8BOYさんも積極的に「どうしたい?」って聞いてくださるので、「こういう振りはどうですか?」って言うと、意外と「その案いいじゃん、採用!」って言ってくださったりして。「メダチタガリアン」だと、エアギターをしている振付は、僕らの意見をもとにCRE8BOYさんが考えてくださった振付です。
橋爪:……と言っても、原型がないくらい、CRE8BOYさんのカラーに染まってますけどね(笑)。
大谷:僕らが考えた案が1だとしたら、それを100にも200にもしてくださいますからね。やっぱりトッププロはすごい!
――とはいえ、ゆくゆくは自分で振付を考えたいと思っているメンバーもいるのでは?
大谷:いつかはやってみたいです。
中山:俺もやりたい!
内藤:じゃあ、2人に頼んだ!
大谷:(中山に向かって)もうちょっと上手くなったら、2人で考えよっか!
中山:いや、俺、ソロ曲やるから(即答)。
内藤:ソロ曲はまだ早いよぉ~!!!
一同:あはははは!
中山:……っていうのは冗談で(笑)。K-POP寄りの自分とJ-POP寄りの篤行だと、ダンスのジャンルが違うので、2つを上手いこと融合させるか、それぞれの得意分野を活かした振付がいつか作れたらいいなって思います。
――楽しみにしています。「メダチタガリアン」はすでにリリイベやライブで披露していますが、コール&レスポンスの手応えはいかがですか?
笠松:ififのみんなと一緒に声を出せる喜びや楽しさを、改めて感じていますね。ただ、今の段階ではまだ浸透しきっていないので、自分たちなりに工夫しつつ、この曲も「ウオー!サオー!」みたいに、会場が一体となって盛り上がれるような曲に育っていけばいいなと思っています。
――工夫って、例えばどんな?
大谷:声を出していない人がいたら、目を見て「あなた、声出てないです」って言います!
添田:こわっ(笑)。
笠松:でも、逆に嬉しいかもよ?
中山:決めた。端から順番に、1人ずつコーレスやってもらおう。
内藤:1人ずつ!? テストじゃないんだから(笑)。
中山:えっ、ダメ? 良い案じゃない?
橋爪:1回持ち帰って、検討させていただきます(笑)。
――でも、記事に書いたら、実現に一歩近づいてしまうという……。
一同爆笑
内藤:世が世は、本当にそういうところがありますからね(笑)。それが世が世のこわいところであり、面白いところです。