淡路島育ち同級生5人組バンド・HATAKEに初インタビュー! 結成秘話から野望、そして新曲「生まれ」――すべて語る

HATAKEに初インタビュー

 淡路島育ちの同級生5人によって結成されたバンド、HATAKE。YouTubeにアップしたカバー動画から注目を集めた彼らは、今年4月に最初の一歩となるミニアルバム『Boy’s』をリリース。すでに映画やテレビの情報番組とのタイアップも実現するなど、じわじわとその勢いを増し続けている。そんななかリリースされたのが、「生まれ」という新曲。すでに動画は1年ほど前にアップされており、ファンにとっては待望の音源化となるこの「生まれ」、別れを描いた切ない歌詞とは裏腹にサマーチューンらしいアッパーで開放的なアレンジが実に印象的な1曲だ。一見チグハグに見えるが、そのギャップにこそこのバンドのおもしろさはある。

 今回、ライブのために上京したタイミングで初めてのインタビューを行った。ドラムの仲野剛瑠は怪我のため残念ながら欠席となってしまったが、4人にバンドの成り立ちからこれからの野望までを語ってもらった。(小川智宏)

携帯に録音したらいつか消えるけど、YouTubeに残せば一生残るやん! って

HATAKE(撮影=梁瀬玉実)

――HATAKEは結成してどのくらいになるんですか?

池澤寛太(Gt/Vo):高校1年生の文化祭をきっかけに結成したので、実はもう結構長くて、5年くらいになります。実際にこうしてライブハウスで活動し始めてからは1、2年くらいかな。

――「バンドやろう!」って言い出したのは、どなたなんですか?

池澤:僕ですね。小学校、中学校とずっと音楽に触れてきて、ライブを観に行ったり、YouTubeでライブ映像を観たりして、「こうやって人前に立ちたいな」って思うようになったんです。それで仲間内で、音楽に興味なさそうなメンバー(刑部壮登/Ba)を誘ったり、人前に立つことが嫌そうな彼(秦大翔/Gt)を誘ったりして、最初はそれで始めました。

――他のみなさんは、特にバンドをやりたいと思っていたわけでもなく、誘われたのがきっかけで入ったっていう感じだったんですか?

北谷隼斗(Vo):僕は誘われたというよりは、最初にカンタと一緒に「やるか!」って言って始めた感じでしたね。

刑部壮登(以下、刑部):僕は、それまで音楽自体あまり聴いていなくて。だけど、(ふたりとも)仲がいいし、僕も目立ちたがりなので、一緒にやりたいなと思って。

秦大翔(以下、秦):僕は、自分以外の4人が集まって音楽しているのを見て、楽しそうだなと思って。僕もそれに入りたい、みたいな感じで入ったんですよね。

――バンドを始めた当初からオリジナル曲をやっていたそうですが、音楽的にこういうものをやりたいというイメージは明確にあったんですか?

池澤:音楽性としては「楽しけりゃええやろ」と思ってたんですけど、他の人たちがYouTubeに載せているのはコピーやカバーで文化祭とかのステージに立ってる人が多かったので、そこで「自分らの曲でやったらどうなるんやろな」っていう思いがあって、オリジナルから始めましたね。

――曲ってそんなサクッと作れるものなんですか(笑)?

池澤:世に出せないような曲なんですけど、そういうのは中学校の頃から頭のなかにあって。それが、高校になってからちょっとずつ形になっていった感じです。

――通っていた高校は、バンドが結構盛んだったんですか?

池澤:いや、まったくですね。

秦:軽音部はあって、ちょっとしたイベントも開かれてるような感じで。僕らは、有志バンドみたいな形で出させてもらいました。

――文化祭のライブは盛り上がりましたか?

池澤:演奏なんかは誰も全然気にしてないから、僕らが「ワーッ!」って言ったら「ワーッ!」って言うような感じで(笑)。そういう、楽しい遊びみたいな感じでした。

――それで味を占めた、と。

池澤:そうです(笑)。ええやん! って。

――最初は遊びだったとしても、ここまで続けてきているってことは、どこかの時点でそれなりの本気度が芽生えていったということですよね。

池澤:(結成した頃は)そのままバンドを続けていくイメージはまったく持っていなかったんです。有志バンドというものも、1年に一回行われる文化祭出るだけで、「また来年も出ようね」みたいな雰囲気でやっていて。だから、将来を考えた時に、自分が音楽をやっていくなんて「まさか」っていう感じでしたけどね。YouTubeを始めたきっかけも、僕がチャタン(北谷)と一緒によく家でギターを弾いて歌っていて、それを携帯に録音してはおくんですけど、それだといつか消えちゃうかもしれないなと思って。でも、YouTubeに残せば一生残るやん!っていう。そういう雰囲気のなかで始めたんですよね。

北谷:そう。青春を残したい、みたいな感じで。

池澤:そしたらエイベックスさんから電話が来て「嘘やろ」と(笑)。最初、みんなでメールを見た時は「騙されたらアカン!」って話してました。スルーしても何回もメールが来るので、一度連絡してみたら本物やったっていう。そこでレコーディングを初めてやらせてもらった感じですね。

――そうやってYouTubeに動画を上げていくにつれて、いろんな人に一気に観られるようになったわけじゃないですか。それはどうでした? 快感でした?

池澤:快感でしたね。

秦:嬉しかったけど、驚きのほうが大きかったです。

――YouTubeでいろいろなアーティストのカバーをやっているじゃないですか。あの選曲だけでもかなり幅が広いですけど、あれってどんな基準で選んでいるんですか?

池澤:最初は僕がハタヒロ(秦)と決めてたんですけど、そこからちょっと再生回数が上がっていくようになってからは「どれが今キテるんやろうな」って考えたり、メンバーそれぞれに何曲か候補を挙げて「これをやろう!」みたいな感じで決めていくようになっていきました。

――みなさんは淡路島出身ですけど、高校を卒業してから大学に進学したりして、メンバーの居住地もバラバラになったんですよね。まさに今その状態でバンドは続いているわけですが、近くにメンバーがいなくてもHATAKEを続けてこれたことには、どういうモチベーションがあったんですか?

池澤:うーん……(バンドをやりたいという)モチベーションがあるから、離れてもできるんやと思うんですけどね。

北谷:まずは目の前のライブを成功させるというところでしたね。みんな(が住んでいる地点)の大体真ん中ぐらいで、集まりやすい大阪で練習して、それでライブをやるっていう。でも、長い目で見ると、有名になって大きいところでライブしたい思いはありますね。

秦:僕はあまり他にやりたいこともなかったし、音楽を好きになったのもここ1年くらいで。だから、(最初は)遊び感覚でやっていたんです。でも、ライブで人前で演奏する気持ちよさを1年前ぐらいから徐々に感じ始めて。やっぱり人が多いところでやるほうが気持ちいいですし、有名になってもっと大きなところでやるためには、上手くなっていろいろな人にさらに知ってもらわないといけないし、それには練習も増やさないといけないし、っていう。

刑部:僕も、有名になりたいという気持ちがいちばんにありましたね。ハタヒロくんと同じで、人前に立った時の快感が大きくて。だけど、人前に立つっていうことは、お金払って来てくれているというわけだから、適当なことはできないな、って。ハタヒロくんは今千葉にいるんですけど、大阪に来てもらったり、俺らが夜行バスに乗って東京に行ったりしてやってます。頑張っていきたいなと思いますね。

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