淡路島育ち同級生5人組バンド・HATAKEに初インタビュー！　結成秘話から野望、そして新曲「生まれ」――すべて語る

「生まれ」は“別れは悲しいだけじゃない”ということを歌に

――たとえば、「残火」という曲があるじゃないですか。あの曲は、池澤さんが東北地方にボランティアに行った経験から生まれたそうですけど、あまりそういうエピソードが出てくるタイプのバンドに見えないんですよ。

池澤：ああ、雰囲気からすると？

――そうそう。でも、意外と曲が生まれてくるのはそういうところからなんだなっていう。それが、すごく印象的だったんですよね。

池澤：あとは、僕、介護施設でアルバイトをしているんですけど、たとえば職員の方とか利用者の方の話とかも歌にしたいんですよ。男と女だけのことではなくて、そういうことも歌いたいなって、自分のなかでは思ってますね。

――そういうことが、これからのHATAKEの個性を作っていくと思うので、どんどん出していってほしいですね。

北谷：たとえば、今サブスクで解禁している曲のなかだと、「春霞」がよく聴かれていると思うんです。でも、本当は「春霞」じゃないと思ってるんですよ、HATAKEの強み、もっと刺さるところって他にあるんじゃないかって。

――そういう意味では、今回リリースされた「生まれ」についてはどうですか？　あの曲も動画は結構前からアップされていて、待っていたファンも多いと思いますが。

池澤：そうですね。あれはいつできたんだろうな……大学1回生の時かな。中学校から片思いしていて、高校で付き合った好きな女の子のことを書いたんです。でもお別れする時期が来てしまって、そこで「何も生まれないね」という話になって、「生まれ」というタイトルにしたんです。だけど、これはハッピーエンドではないけれど、暗い終わり方ではないような曲になっていて……やっぱり聞いてない？

刑部：聞いてるよ、暗い感じじゃない（笑）。

池澤：（笑）。一応、別れの歌っていう感じですね。

――歌詞の内容とサウンドのノリのよさというのが、真逆のような感じになっているじゃないですか。それがめちゃくちゃ面白いですよね。

秦：「生まれ」は、僕らっぽさがいちばん出ている楽曲になっているかなとは思います。「春霞」でもないし、かと言って「残火」でもないし。青春というか、カバーを上げていた時代のような雰囲気が出ている楽曲になってると思います。

北谷：たぶんこれが強みだと思うんですけど、懐かしさを感じるじゃないですか、「生まれ」って。だから、僕的には好きな曲――本当は「傷口」っていう曲がいちばんなんですけど（笑）。でも、これもよさはめっちゃ出てると思います。

刑部：懐かしさもあるし、今までになかったノリのよさも出てる曲なんで、HATAKEらしさは出ていると思います。

――このアレンジ、このサウンド感というのは最初からそういうイメージだったんですか？

池澤：これはMr.ふぉるての（阿坂）亮平くんに一緒にアレンジしてもらったんですけど、僕が弾き語りで作った時からこういう感じのノリでしたね。それに合わせて、亮平くんがアレンジをしてくれて。

――歌詞だけを見たら、バラードでもおかしくないような世界観なんですよね。でも、“あの夏”みたいな感じのアレンジになっていったのは、どうしてなんですかね。

池澤：「別れは悲しいだけじゃない」ということを軸として曲を作り出したんですよね。歌詞に出てくるのはやっぱりちょっと切ない感じで、だけど、やっぱり悲しいだけじゃない、みたいな。そういうことが、リズムとかに出たのかなと思います。

――そのギャップ感みたいなものが、このバンドの面白さですよね。カバー動画とかを観てもそうなんですけど、どこかふざけているように見えるんだけど、ちゃんと真剣さやリスペクトも出ているっていう。そのバランスですよね。チャタンさんというボーカリストがいるっていうのも、HATAKEにとっては結構大きなことなんじゃないですか？

池澤：はい。本当なら、僕が作って歌いたかったんです。でも、自分で作った曲でも「これはやっぱりアイツ（北谷）に歌ってもらわなアカンな」っていう思いがあったりして。僕も曲によっては歌ったりするんですけど、彼は他にないような声質とかテンポ感とかリズム感を持ってるなと時々思ったりするので、このバンドのボーカルでありがとうございますって思っていますね。

北谷：あざす！　でも歌ううえでは、僕が曲を作っているわけではないので……。やっぱり人に響く歌というものは、どういう思いで作ったのかとか、歌詞の内容をいかに歌い方とか乗せ方で伝えるかだと思うんです。だから、（曲を）作っていない僕は作った本人より理解して歌わないとなかなか伝わらないと思うので、理解しようとしていますね。

――HATAKEとしては今どんな野望を抱いていますか？

池澤：僕らは“淡路島のバンド”と自分たちでも言っていて、こんなに「淡路島」を使わせてもらっているので、かっこつける言い方をすると、恩返しみたいな感じで淡路島でデカいフェスを開催したいですね。

北谷：やりたい時にやりたいだけライブをやって、玉ねぎ（淡路島の名産品）を食べて……。

池澤：玉ねぎ？　ちょっと待て、聞いとらんな、それは（笑）。

■リリース情報
New Digital Single『生まれ』
配信中

配信リンク：https://hatake.lnk.to/umare

■公演情報
8/15（火）大阪 @Live House Pangea
8/16（水）名古屋 @Live House R.A.D
8/19（土）大阪 @LIVE SQUARE 2nd LINE
8/23（水）大阪 @心斎橋BRONZE
8/26（土）東京 @下北沢MOSAiC
8/29（火）東京 @下北沢近松
9/9（土）名古屋 @栄Party’s
9/15（金）東京 @Shibuya Milkyway
9/17（日）TOKYO CALLING

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