水曜日のカンパネラ、詩羽加入から約1年半で日本武道館へ 猛烈な勢いと主義主張を感じさせたワンマンを振り返る

 水曜日のカンパネラが7月19日、ワンマンツアー『RABBIT STAR ★ TOUR』の最終公演を開催した。会場は今春新しく東京・新宿に誕生した東急歌舞伎町タワーの地下にオープンしたZepp Shinjuku (TOKYO)。海外のクラブハウスを思わせる洗練された内装と、最新鋭の演出機器が揃ったこの場所に約1,500人のファンが詰め寄せた。開演前にはウサギの格好をした“シャトル青木ラビット”が登場し、観客へ向けて“出発”前のアナウンス。フラッシュの使用禁止や他人に迷惑となる行為は避けるよう呼びかけ、ついにライブが始まった。

 まず1曲目は「赤ずきん」でスタート。鮮やかな衣装を身にまとった詩羽と、赤ずきんにちなんでお婆さんの格好をしたオオカミもステージに現れ、2人で会場を盛り上げる。オオカミが持つ布団には「ファイナル」と書かれており、千秋楽となるこの日の会場を煽っていた。そこから「アリス」「シャクシャイン」「バッキンガム」と軽快なナンバーを立て続けに繰り出す。背面のスクリーンには歌詞が映し出され、極上の音響と煌びやかなライト演出により、これぞ水曜日のカンパネラといった色鮮やかなライブが展開されていった。

 2年前にボーカル担当として加入したばかりの詩羽だが、水曜日のカンパネラ特有の言葉数の多い楽曲でも難なく歌いこなしている。昨年8月に恵比寿で観た『水曜日のカンパネラ ワンマンライブ2022 ~Neo poem~』の頃はまだどこかに多少の違和感を感じたものだが、今はむしろ加入前の楽曲でさえもナチュラルに自分のものとして歌い上げており、その馴染みっぷりに驚かされた。歌い終えると詩羽は水分補給へ。するとオーディエンスから大歓声が巻き起こる。それを聞いて「今日一の盛り上がり?」と冗談を言って笑いを誘った。このあたりの盛り上げ方も板についている。

 次は「ディアブロ」。ライブではお決まりとなっているコール&レスポンスを曲前にレクチャーし、本番ではしっかりとオーディエンスとのやり取りを楽しんだ。続いて「シャドウ」「モヤイ」と披露していった。「モヤイ」では客席中央の脚立に移動し、会場のど真ん中で歌い上げた。MCでは「自分のことをちゃんと愛していきたい」といった話や、ライブ前に実際にやっているという円陣を観客を巻き込んでやってみたりと、楽曲以外でも観客を全力で楽しませていた。

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