OZROSAURUSとKREVAは今も火花を飛ばし合っている ビーフを経たコラボレーションが持つ“和解以上の意味”

 今年の夏は暑い気がする。すでに猛暑が我々を襲う2023年。その中で、もう一つの熱の記憶がある。

 7月4日にMVがドロップされたある楽曲に、どれだけのヘッズの指が動いたか。OZROSAURUS「Players’ Player feat. KREVA」が叩き出した瞬間最大風速は、2023年のシーンにおけるトピックの一つだろう。

 この曲が一瞬にして話題をかっさらった理由は、その背後にある文脈である。OZROSAURUSの3rdアルバム『Rhyme&Blues』(2006年)の収録曲「Disrespect 4 U feat. ZEEBRA」が発端となって始まったKREVAとのビーフ関係。彼のディスコグラフィの中でも、極めて内省的かつ、当時のシーンに対する意識の表明を明確に刻んだアルバムの中で、直接的なネームドロップではなくとも、メインストリームにおけるヒップホップカルチャーの取り入れられ方への違和感を直球にぶつけたこの曲におけるラインは、その先端にいたKREVAへの、ある種の一撃でもあった。

〈Hip hop music 風/ポップラップ music (Boo)〉
〈ガキだまくらかす くそエリート/サビの唄のメロでへたれヒット〉

OZROSAURUS / Disrespect 4 U feat. ZEEBRA【Official Music Video 】

 ここで留意しておきたいのは、ヒップホップカルチャーにおけるラッパー同士のビーフは、ある程度メディアやファンたちによって仕立てられるもの、ということである。このカルチャーのビーフにおける最も暗い史実は、言わずもがな、90年代における2パックとノトーリアス・B.I.G.(ビギー)による東西抗争であるが、彼らの音楽を超えたリアルな抗争も、ある種メディアが仕立て、火をつけたものでもあった。彼らの死の真相は実際には闇に包まれており、ビーフとの関連性も断定することはできない。メディアは時に過激なストーリーを生み出そうとする。これはあまりに大きすぎる例ではあるが、人々にストーリーへの欲望が渦巻いていることは意識してもいい。

 実際、「Players’ Player」にはストーリーを感じる。それも理想的な形で。2006年における上記のOZROSAURUSによるライン以来、楽曲間でアンサーを撃ち合い、ファンの間では犬猿の仲と言われるようなビーフ関係が15年以上の時を経て解消されたのか。いや。何よりも苛烈な楽曲を耳にすれば、これがただの和解ではないことは明白だ。

OZROSAURUS / Players' Player feat. KREVA

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