草彅剛の“これから”が楽しみだ 「最後は僕自身が“スーパーヴィンテージ”になれるように」49歳の抱負の中に見えた生き様

 一方で“きれいすぎない”というのもヴィンテージならではの面白さ。その点で言えば、「僕は7年経ってもFのコードが押さえられない」なんて言うくらいギターに苦戦しているところもチャームポイントとして映る。『草彅剛のはっぴょう会』と題してギターの腕前を披露するイベントを開催した時も「下手くそだから」と等身大の感想を語っていたのが微笑ましかった。「しかもステージとか上がると必要以上に“あ、Fだ!”って思うと“ぐうぅっ”てやるわけよ。これすごい力入ってるわけ!」と必死に語っていたところも実に健気で愛らしい。

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 なかなかうまくならないけれど、決して諦めずに続けていく。アイドルの定義が成長していく姿を見せるものだとすれば、何歳になってもそのスタンスでファンを喜ばせているという意味では、もはや草彅は「ヴィンテージアイドル」と呼べるのではないだろうか。

 7月16日放送回の『ShinTsuyo POWER SPLASH』では、草彅はヴィンテージギターについて「弾くのがいちばんのメンテ」と話していた。それは、そのまま活動し続けることが草彅自身を輝かせ続ける理由なのだと納得させるものだった。振り返ってみれば、何度も新しく再生していくというのは、草彅の最も得意とするところ。草彅が韓国語を習得したことも、YouTubeを始めたことも、芸能界の流れからすると新しい動きだった。若い世代の人気YouTuberたちとの積極的なコラボも、草彅だからできたことかもしれない。

 そんなことを考えると、ふと、いちばん身近な人とのコラボがまだ実現していないことに気づく。それは香取とのYouTubeコラボだ。香取から「そういえば、コラボしてないですよね、ちゃんとね」と切り出されると、草彅は「なにかやりますかね」「このラジオでもお送りしますか」と答えて、すかさず香取に「ダメでしょ」とツッコまれていた。

 しかし、そうした誰もが「ダメでしょ」と思ってしまうようなことも飄々と言えてしまえるところが、草彅の“らしい”ところ。そして、実際にヒョイッとその壁を軽々と飛び越えて「あれ、意外とダメじゃなかったかも?」なんて思わせてくれる力がある。

 もちろん、前例のないことを始めるには苦労もあっただろう。それでも決して萎縮することなく、何事にも全力で取り組んできた、その歩みのすべてが表現者・草彅剛の糧になってきたことを私たちは知っている。ヴィンテージものの魅力に通じる、草彅の生き様。つくづく何歳になっても、“これから”が楽しみな人だ。

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