蒼井翔太アーティストデビュー10周年、ファンとの絆が紡ぐ唯一無二のステージの魅力 歴代ライブ&最新映像作品で紐解く

 今年6月26日でアーティストデビュー10周年を迎える蒼井翔太。声優として着実にキャリアを積み上げていく一方、音楽活動においても類稀なる才能を発揮し、多くのファンを獲得してきた。そんな彼がファンとの絆を確認、共有し合いながら、“蒼井翔太が蒼井翔太としていられる場所”として大切にしてきたのがライブだ。

 2014年5月開催の初ライブ『蒼井翔太 1st LIVE 「Virginal」』とその翌年の『蒼井翔太 2nd LIVE 「UNLIMITED」』を経て、デビュー3周年のタイミングで開催された2016年の『蒼井翔太 LIVE 2016 WONDER lab. ~僕たちのsign~』では初の日本武道館公演を大成功へと導いた。武道館公演のタイミングからライブタイトルに掲げられるようになった“WONDER lab.”には、まだ見ぬ“不思議で楽しいこと”をファンとともに“研究”し続けたいという自身の強い思いが込められ、以降のライブに通底する重要なテーマとなっていく。

 2017年からはツアーとして、自らのパフォーマンスを全国へと届けるようになる。『蒼井翔太LIVE 2017 WONDER lab. ~prism~』では東京と大阪、『蒼井翔太 LIVE 2017 WONDER lab. Ø』では全国4カ所、2019年の『蒼井翔太 LIVE 2019 WONDER lab. I』では全国5カ所を巡り、ライブの規模をじっくりと拡大させていった。が、2020年初頭からのパンデミックによって予定されていたツアーが中止になるなど、大きな打撃を受けた蒼井。ライブを愛する彼だけに、その状況は辛く厳しい時間だったはずだ。しかし、彼が止まることはなかった。2021年3月に自身初のオンラインライブ『蒼井翔太 ONLINE LIVE at 日本武道館 うたいびと』を開催。そこでは、ピアニストとふたりだけによるパフォーマンスという大きなトライをしてみせた。結果、それは蒼井のシンガーとしての魅力を改めて伝える圧巻のパフォーマンスとなった。そこで手にした“うたいびと”としての大きな自信と成長は、その後に開催された約3年ぶりの有観客ライブツアー『蒼井翔太 LIVE 2021-2022 WONDER lab. coRe』で遺憾なく発揮されていくこととなる――。

 では、蒼井翔太のライブにはどんな魅力があるのだろうか?

 それは1本のライブのなかでさまざまな景色を描き出すエンターテインメント性に他ならない。最新の洋楽トレンドを反映したダンスナンバーでは、ダンサーと共に激しく踊り歌う。シアトリカルな演出を盛り込んで、楽曲に寄り添ったストーリーを鮮やかに表現してみせることもある。キャッチーな楽曲で会場を楽しいムードに満たしたかと思えば、和をモチーフにした楽曲やクールなR&Bナンバーでは艶っぽい表情でオーディエンスを魅了する瞬間も。エモーショナルなミディアムバラードでは自身の思いをリアルに歌へと乗せ、聴き手に圧倒的な感動を届けることも忘れない。また、自らがデザインした衣装の数々がビジュアル面でライブの重要な要素になっていることも、大きな特徴と言えるだろう。

蒼井翔太 / 「零」【LIVE 2023 WONDER lab. Garden】

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