「さあ、進もう。仲間たちと、こんな曲を聴きながら……」

　そう言い添えると、本編後半は黒いタキシードに着替えてEXILEメドレーを披露。ここで特に印象的だったのは、「STAY」の曲中、ケンチが注いだシャンパンを全員で飲み干してから「Together」に入るという、彼ららしい粋なパフォーマンス。のちのMCによると、このシャンパンは新曲「Twilight Cinema」が完成した日（ケンチの誕生日）に5人で漢気ジャンケンをして、勝ったケンチが自腹購入したものだという。ファイナル公演では、そんな思い出深いシャンパンをNESMITHと同じ紫ヘアになったスタッフが片づけるという小ネタも仕込まれており、EXILE THE SECONDチームの仲の良さが垣間見えた。また、SHOKICHIが提案するハイレベルなコール＆レスポンスで心をひとつにした「Choo Choo TRAIN」では、EXILE THE SECONDならではのジャズアレンジパートにて、AKIRAがオリジナルメンバーへのリスペクトを込めたシャチ（フロアダンス）を見せつける場面も。すかさず、サビの振付がキャッチーな「Summer Lover」、初期衝動を伝える「SURVIVORS」「CLAP YOUR HANDS」といったオリジナル曲で畳みかけると、凄まじい熱気が充満し、メンバーたちは満足そうに笑顔を輝かせた。

　だが、AKIRAから見るとまだまだ盛り上がりが足りなかったようで、タオルを回しながら突入した「Going Crazy」では曲に入るや否や、AKIRAが強制的に演奏を止めて「そんなもんじゃないでしょう！」と生声で活を入れ、自ら観客の心に火をつける。前日の公演にもJr.EXILEのメンバーが数名参加したようだが、この日の「Going Crazy」には、PSYCHIC FEVERから剣、中西椋雅、渡邉廉、JIMMY、半田龍臣、WEESAが参戦。先輩・後輩が入り乱れながら笑顔で暴れ倒した。ハイテンションな楽曲から一転して、本編ラストに披露するのは、ツアーのためにSHOKICHIが書き下ろした「Twilight Cinema」。メンバーたちは多彩なフォーメーションでさまざまな“出会いと別れ”を描きながらも、最後には一列になって同じステップを踏み、引き続き5人で歩幅を揃えて歩んでいく決意を表明する。MCでSHOKICHIは「この先も様々な出会いと別れ、いろいろなことが起こると思います。でも、どんなに辛くても、今回のライブを経て、これってハッピーエンドに向かうための1つの出来事なのかな？　って思っていただけたら嬉しいです」と語っていたが、この時の光景もまた、『Twilight Cinema』ツアーという超大作のハッピーエンドを表しており、映写機が静かに動きを止めた後も、場内は心地よい余韻に包まれていた。

　「On My Way」でゆったりと始まったアンコールは、感動的な大合唱を浴びて、各メンバーが感想を述べていく流れに……と思いきや、メンバーも知らされていなかったサプライズゲストがステージに登場した。「ツアーが始まる前から“どこかで呼んでほしいな”って言ってたのに、もうファイナルですよ。勝手に来ちゃいました（笑）！」と花束を持って現れたのは、自身もソロツアー真っ最中のEXILE TAKAHIRO。同じくツアー真っ最中の三代目 J SOUL BROTHERS・今市隆二も「“出会いと別れ”がテーマのツアーですけれど、自分たちも三代目JSBの最初のツアーが、二代目（J Soul Brothers）との2マンツアーで。みなさんと出会えたからこそ、三代目として今、頑張れています」と、シャンパンを持って駆けつけた。SHOKICHIが「圧倒的主役感！　絶対に、何回生まれ変わっても主役です！」とTAKAHIROを大絶賛。EXILEの一員として苦楽を共にしている仲間から「これからもSECONDを見ていたい。50歳になっても、60歳になっても、70歳になっても」というエールを受け取ったメンバーたちは、「いやぁ、ありがたいね」（NESMITH）、「僕たちには、本当にたくさん仲間がいるんだなってことを教えてもらいました」（SHOKICHI）と語る。

　嵐が過ぎ去った後、再びマイクを握ったTETSUYAは、ライトアップした客席を見渡しながら「旅の終わりにこんな素敵な景色が見れるんだぁ」としみじみコメント。ケンチは「別れの寂しさは新たな出会いへのスパイスですから。毎日毎日SECONDは疲れるよ（笑）？」とおどけつつ、「この5人で、いろんなステージでまた皆さまにお会いできるように、頑張っていきたいなと改めて思いました」と今後への意気込みを述べた。AKIRAは「感謝しかございません！」と叫び、“イケオジ”の愛称にふさわしい爽やかな笑顔で再会を誓った。

　そして、SHOKICHIが「ツアーは一旦終わりますけど、またここが僕たちの始まりだと思って、目標を持って頑張っていきます」と語ると、ラストナンバー「RAY」へ。リズミカルに揺れるフラッグと“マスクを突き抜けた”笑顔、温かな大合唱が、1つの旅の終わりと、新たな旅の始まりを告げたのだった。