福山雅治、チケット不正転売で“FC永久退会”厳しい対策が話題に ジャニーズ、マキシマム ザ ホルモンらが実践した様々な転売施策
福岡にある劇場 博多座は、昨年2022年11月にオフィシャルサイトにて「チケットの不正転売防止について」の注意喚起を掲出した(※3)。博多座が運営する電話予約センター、チケット売場、オンラインチケットで購入したチケットには購入者の氏名を表記。加えて、転売の疑いがある場合などには、本人確認や購入経路などの確認を行い、不正転売および正規販売店以外で購入したものだと判明した場合には、該当のチケットは無効とし、当日の入場を不可とするとした。
また、同劇場では、2022年に上演された舞台『千と千尋の神隠し』福岡公演時と、今年1月に上演されたミュージカル『エリザベート』福岡公演時に、高額転売が確認されたチケットの座席番号を会場に貼り出した。この対策では、該当の座席番号のチケットを所持している入場者に写真付身分証で本人確認を行い、購入者本人でない場合には入場不可とした。
多くのタレント、グループが所属しているジャニーズ事務所も、近年チケットの転売対策を講じている。今年4月に新橋演舞場にて開催され、Snow Manをはじめ、ジャニーズJr.のSpeciaL、少年忍者のメンバーが出演した『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』では、事前のチケット申し込み時に「一部のお客様につきましては、チケットを当日のお渡しとさせていただきます」(※4)とアナウンス。この転売対策は、ファンのあいだで話題となった。
これに先立ち、今年2月から4月にかけて大阪松竹座にて行われた『東西ジャニーズ Jr. Spring Paradise』では、開催前日となる2月17日に松竹座のオフィシャルサイト内で「定価を超える価格で取引きされたチケットに関するお知らせ」を掲出(※5)。転売サイトやSNSでの個人間のやりとりなどで定価を超える価格で売買されたチケットは「チケット不正転売禁止法」に抵触する恐れがあると明記したうえで、「大阪松竹座では、定価を超える価格で取引されたものと特定されるチケットでの入場をお断りいたします」と注意喚起をしていた。
チケット転売について、アーティスト本人が対策を研究、検証しているケースもある。7 MEN 侍のメンバーである本髙克樹は、早稲田大学大学院在籍中に、公益社団法人 日本経営工学会が主催する「Best Presentation Award」2022年秋季大会に参加。同大会で「ライブ・コンサートにおけるチケット不正転売防止を考慮した最適なチケット販売方法の提案」という演題で発表を行い、アワードを受賞した(※6)。
マキシマム ザ ホルモンも、過去に厳しい転売対策を行っている。バンドは、2016年8月に発表され話題となった「チケット高額転売防止」を求める共同声明(※7)に記載されている賛同アーティスト一覧のなかに、自身らの名前がないことについて言及。当時発表された同声明には、一般社団法人 日本音楽制作連盟(FMPJ)、一般社団法人 日本音楽事業者協会(JAME)、一般社団法人 コンサートプロモーターズ協会(ACPC)、コンピュータ・チケッティング協議会の4団体のどれかに加盟している会社に所属しているアーティスト、団体および主催のイベントの名前のみが記載されており、マキシマム ザ ホルモンの所属事務所はそのどれにも加盟していなかったことをマキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)がTwitterで説明した。その際に、バンドが過去に行った転売対策の一例として、「ホルモンの事がどれだけ好きか原稿用紙に熱いメッセージを書いて提出しなくてはチケットが買えない」という制度を取り入れたことを振り返った。ただし、チケット転売を目的とする購入者も努力をしてファンのふりをしなくてはならないという同システムは、寄せられたメッセージをメンバーが読むことに3カ月かかったとのことで、一度きりで廃止となった。
「チケット不正転売禁止法」が施行されてから、まもなく4年。今後も多くのアーティスト、イベントが対策を講じていくなかで新たな“厳しい”転売対策のアイデアが生まれ、さらに取り締まりが強化されていくかもしれない。
※1:https://fmsp.amob.jp/mob/news/news_show.php?site=F&ima=3231&cd=12277
※2:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=430AC0000000103
※3:https://www.hakataza.co.jp/news/detail.php?id=1504
※4:https://www.fc-member.johnnys-net.jp/performance_faq/?tour=2184&category=169
※5:https://www.shochiku.co.jp/wp-content/uploads/2022/11/tenbai.pdf
※6:http://www.jimanet.jp/information/awards/best-presentation-award
※7:https://www.tenbai-no.jp/