稲垣吾郎&草彅剛&香取慎吾、新しい地図の3人による柔軟な音楽活動 「新しいワルイコ合唱団」名義でのリリースから考える

 2018年12月以降は“新しい地図 join ミュージック”と名前を変えて楽曲を発表。当時15歳の現役中学生トラックメイカー・SASUKEとのコラボ曲「#SINGING」や、SEKAI NO OWARIのNakajinが作詞作曲をしたスマホ用ゲーム『星のドラゴンクエスト』の応援ソング「星のファンファーレ」、そしてレギュラー番組『7.2 新しい別の窓』(ABEMA)のテーマソング「72かのナニかの何?」「だったらDance!!」を次々とリリースしてきた。そして3人が主演を務めたオムニバス映画『クソ野郎と美しき世界』を通じて「新しい詩」を発表した際のアーティスト名に至っては、“クソ野郎★ALL STARS”と知る人ぞ知る形になっていたのも印象的だった。

クソ野郎★ALL STARS / 新しい詩 [from クソ野郎と美しき世界]

 こうしてみると「新しい地図で活動している3人の楽曲」というよりも、3人が他のアーティストやコンテンツとの化学反応を楽しんでいるかのように感じる。もはや“クソ野郎★ALL STARS”や“新しいワルイコ合唱団”と、作品名をストレートに取り入れたアーティスト名を見ると、あえて名前を脱ぎ捨てているようにさえ感じる。

 もっと軽やかに、より柔軟に。そのときどきの状況に応じて、音楽を発信していく。それこそ音楽活動を持続可能にしていくために掴んだ、彼らの知恵なのかもしれない。かつてはネームバリューがCDの売上を左右する時代だった。しかし、今はネットを通じてどんな楽曲も見つけることができる。たとえアーティスト名を変えたとしても、応援し続けてくれるファンがいる。知名度に関係なく好みの音楽にアクセスでき、いいと思ったらすぐに拡散できる時代。そんな聴き手への信頼関係があってこそ成り立つ、新しいアーティスト活動とも言えそうだ。

 SMAPを解散し、それぞれの道を歩むことに決めたとき、同じ方向性だった3人が新しい地図として活動を共にすることになった。でも、それはあくまでも個人個人が集まった形。3人だけのグループという括りではなく、作り手も聴き手も一緒に“NAKAMA”として迎え入れられる居場所のようなイメージだ。便宜上、アーティスト名はつけているけれど、彼らのスタンスを見ていると、本当の意味で“みんなのうた”なのではないかと言いたくなる。今後も、彼らなら変化の激しい時代にしなやかに対応しながら、私たちをつなぐ音楽を発信していってくれるのではないかと期待している。

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