HOWL BE QUIET 竹縄航太、最後の制作はバンドにとって幸せな時間に　ラストアルバム＆ツアーで残しておきたかったこと

解散によって長く長く続いてきた青春が終わる

――「煙に巻かれて」は、やめたくてもやめられない関係を描いた楽曲。「メアリー」とはまったく違いますが、これも竹縄さんだなと。

竹縄：この曲も挑戦の一つだったんですよ、自分にとっては。ちょっと危険な恋愛というか、大人の恋愛がテーマで。「染み」もそっち寄りなんですが、今までにやったことがないことをやりたいという気持ちもありましたね。

――個人的にもっともグッと来たのは、「かさぶた」と「ぼくらはつづくよどこまでも」でした。「かさぶた」は〈あなたは今 どんな顔して／このうたを聴いてるんだろう〉というフレーズからはじまります。

竹縄：「かさぶた」は解散するかどうかの話をしている時期に書いた曲なんですよ。「新曲があったらバンドのモードが変わるかも。1曲好きに書いてみたら？」ということで書いたのが「かさぶた」で。そのときの自分の感覚としては、「メンバーやスタッフに対して、今どんなことが言えるかな？」というところから始まっているんです。振り返ってみると、まあ、いろいろあったよねと（笑）。もちろん聴き方はリスナーのみなさんに任せたいですけど、ずっと一緒にやってきた大事な人たちと別れる前の気持ちが反映されているし、自分にとって「HOWLとは？」を改めて考えるきっかけにもなりました。

――「ぼくらはつづくよどこまでも」からは、リスナーに対する思い、HOWLとファンとの関係性が感じられました。

竹縄：最後に書いた曲ですね。本当はもっと前に制作する予定だったんですけど、レコーディングのスケジュールが少し遅れて。その結果、解散を発表してから歌詞を書く流れになったんです。みんなの反応を見ながら、10周年に及ぶ活動、メンバーのこと、近くで支えてくれたスタッフのことも考えて……。走馬灯のような感じもありましたね。ケンカもしたし、腹がちぎれそうになるほど笑ったり、本当に紆余曲折あったバンドなので。

――改めて聞きたいんですが、このアルバムを作り上げたことで、「竹縄さんにとってHOWLとは？」の答えは出ましたか？

竹縄：ありきたりな答えかもしれないけど、青春だったなと思いますね。黒木（黒木健志／Gt）、亨（岩野亨／Dr）とは高校1年のときに出会ってるんです。拓郎（松本拓郎／Ba）は途中から力を貸してくれたんですが、10代の頃から知ってるヤツらと30歳を超えても一緒に音楽を作って、ひとつの曲、ひとつの音に対して言い合ったり、ぶつかることなんて、なかなかできないじゃないですか。それは自分にとっての青春だったし、解散によって、長く長く続く青春が終わるんだなって。ほんっっっとにHOWLばっかりだったんですよ、この10数年。HOWLに対してどんな曲が書けるか？　どんなライブができるか？　をずっと考えていたし、初めて会う人には「はじめまして、HOWLの竹縄です」と挨拶して。これまでの人生のなかで、とてつもなく大きな存在でしたね。

――音楽的な部分ではどうですか？

竹縄：最初にも言いましたけど、いろんなことに挑戦してきたし、そこに向かってまったく躊躇せず、思い切りアクセルを踏み込めたのは誇れることなのかな、と。音楽に対しては常に真摯に向き合ってきて、作品ごとにベストアンサーを追い求めて。思ったような結果が得られなかったこともあったけど、努力を怠ったことはなかったと言い切れる。なので心残りはないんですよ、意外と。解散を決めたことで、「次はどんな未来が待ってるのかな？」というワクワクもあるし、HOWLに対してネガティブな感覚はまったくないです。みんな晴れやかな表情で「解散だ」って決めましたからね。もちろん、ファンのみなさんを置いてけぼりにしないように、しっかり寄り添って終えたいですけど。

――アルバム『HOWL BE QUIET』のリリース後は、ラストライブツアー『Evergreen』が開催されます。新作を携えたラストツアーって、レアですよね。

竹縄：ちょっとおかしな状況になってますね（笑）。新しいアルバムの曲もやりたいし、もちろん10数年のなかで作ってきた曲も思い残すことなくやりたいと思っていて。「Evergreen」はもともと好きな言葉で、いつか曲名かアルバムタイトルにしたいと思ってたんですよね。ライブってパワーがもらえるし、「明日からがんばれる」というものじゃないですか。それができなくなるので、「この日のライブがいつまでも消えることなく、その人のなかで灯になってくれたらいいな」という気持ちを込めて、この言葉をタイトルにしました。

――バンドが解散した後、竹縄さん自身はどんな活動をする予定なんですか？

竹縄：「こうやって生きていきます」と言語化できることは何もないんですが、音楽に携わっていきたいとは思っています。曲も作りたいし、歌うことも続けていきたいので。バンドは……しばらくはいいかな。もうだいぶやってきたので（笑）。

――3月で解散するって、卒業みたいですね。

竹縄：卒業シーズンですからね。解散を決めてから、ちょっと大人になってきた感じがあって。でも、すごく楽しかったですね、バンド。本当にいろいろあったけど、総括するとめちゃくちゃ楽しかったなって。バンドって、生き物として強いんですよ。だからこそ、自分たちで「終わりにする」と決められたのは偉いなって（笑）。そのことも誇りたいですね。

※1：https://howlbequiet.com/news/11806

■リリース情報
ラストアルバム『HOWL BE QUIET』
2023年3月1日（水）発売

初回生産限定盤［CD + ブックレット］
品番：MMZ-11015    
価格：¥4,950(税込)

通常盤［CD］
品番：MMZ-11016    
価格：¥3,850(税込)

CD購入：https://lnk.to/howlbequiet__cd

【CD収録内容】
1. メアリー
2. 解体君書
3. ばかやろう
4. コーヒーの歌
5. 煙に巻かれて
6. 染み
7. ベストフレンド
8. かさぶた
9. Abyss (inst.)
10. つよがりの唄
11. 釣った魚の愛し方
12. I’M HOME
13. 味噌汁
14. ぼくらはつづくよどこまでも
15. Bad Morning
16. ケシゴムライフ
17. GOOD BYE (2022 Ver.)
18. 逢いたい (2022 Ver.)

初回生産限定盤には豪華ブックレットが付属

■公演情報
HOWL BE QUIET『Evergreen』
2023年3月16日（木）
会場：名古屋　ell FITS ALL
OPEN 18:30／START 19:00
料金 ¥4,000
2023年3月17日（金）
会場：大阪　Music Club JANUS
OPEN 18:30／START 19:00
料金 ¥4,000
2023年3月22日（水）
会場：東京　恵比寿LIQUIDROOM
OPEN 18:00／START 19:00
料金 ¥4,000

■関連リンク
Official Website：https://www.howlbequiet.com/
Twitter：https://twitter.com/HOWLBEQUIET?s=20&t=XgcpbHeA3SnnRhsJDxJJHA
TikTok：https://www.tiktok.com/@hbqtiktok

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＜締切：3月22日（水）＞