TAIKING、初の全国ツアーで生んだ観客との一体感 アフターライブではSuchmosの楽曲も披露
迎えたアンコールは、TAIKINGを含めたバンドメンバー全員が缶ビールを持って現れ、観客との“エア乾杯”を楽しむというゆるやかなムードでスタート。TAIKINGはラスト1曲「SHIP」を披露することを告げたうえで、この曲が元々Suchmosで演奏する予定で作られたことも付け加えた。Suchmosが活動休止する時、自身も音楽を辞めようか悩んだという。そんな当時の心情を吐露しつつ、「でもやっぱりやめられないんだなって……だからソロ活動しています。次もツアーやりたいと思っているから、またみんな遊びに来てね。今日は本当にありがとう」と、初の全国ツアーを見届けてくれたことへの感謝を述べる。力強いサウンドにのせられるTAIKINGの伸びやかな歌声に、観客は思い思いの形で聴き入っていた。
アンコール終了後は、アルバム『TOWNCRAFT』封入特典の応募者のみが参加できるアフターライブが行われた。演奏はすべてアコースティックギターによる弾き語りで、1曲目にはまだ音源化されていない「Sunshine」を披露した。ギター1本のみのシンプルな演奏と、TAIKINGの優しい歌声がフロアに響き渡る。2曲目に本編で披露されなかった「Summer Again」を演奏し、続けて観客にリクエストを募るとSuchmosの楽曲「YMM」「MINT」をカバー。ベースのフレーズをギターで弾いたり、「MINT」の歌詞の〈気の抜けたコーラでも飲んで〉を〈炭酸の効いたビールでも飲んで〉に変えて歌ったりと、次々に繰り出される特別な演出にフロアのどよめきが絶えない。
4曲演奏し終えたところで、TAIKINGは「昨年のこの時期にはツアーをやることを決めていた」と明かした。ソロ活動を開始して1年と少し、ハイペースで楽曲をリリースし続けてきたのは、こうしてツアーがやりたかったからだという。早くも次のライブへの意気込みを語りつつ、ラストは再びデビュー曲「Easy」を弾き語りで披露。ステージを降りてマイクを通さず歌う姿からは、この曲を観客一人ひとりに届けようとする意思が感じられる。決して一方通行ではない、相互通行の想いが終始感じられたライブだった。
■TAIKING 1st TOUR "TOWNCRAFT" SETLIST
https://fcls.lnk.to/TOWNCLAFT_LIVE