yama「人前に立つ恐怖心もあった」 「春を告げる」ブレイク以降に味わったライブへの苦悩

歌で自分を伝えたいという心の芯は変わらない

ーー8月末にリリースされた2ndアルバム『Versus the night』には、yamaさんが作詞作曲を手がけた「それでも僕は」が収録されていて、この楽曲は、〈君のいる町で僕は歌うよ〉という一節で締め括られています。この曲には、yamaさんのライブに対する深い決意が込められていると感じました。

yama:もともと作詞作曲は、やろうとしてもなかなか形にできなくて。自分の中に理想があって、誰もが驚くようなかっこいい音楽、誰かを導けるような歌詞を書けたらって思っていたんですけど、自分にはできないなと思ってなかなか挑戦できない時期が長くあって。ずっと勇気がなかったというか。

 でも今回、『Versus the night』というアルバムを作る上で、改めて自分自身と向き合わなければならないタイミングで曲を書き始めて、その時にこれまで自分のことを応援してくれた方々に向けて、素直に言葉を書こうと思ったんです。それが結果的に良かったなと。いろいろ悩んだりすることも多くて、変わらず自信はないんですけど、自分の作った曲を「すごい素敵ですね」と言ってもらえると本当に嬉しかったです。

ーー「それでも僕は」はアルバムの一番最後に収録されていて、こうした曲順からも、yamaさんの同曲にかける強い思い入れが伝わってきます。

yama:「自分の作る曲を最後にしよう」と思いながら書いた曲で、ライブでも本編の一番最後に歌っています。これまでずっとライブが苦手だった自分が、それでもライブをやり続ける、歌い続ける意味を考え続けた中で生まれた曲なので、ライブの最後でやりたかったんです。

ーー実際に直近のツアーでこの曲をライブで披露してみて、観客からはどのようなリアクションがありましたか?

yama:「それでも僕は」を歌う前に必ずMCを挟んでいたんですけど、やっぱりこの曲に自分の想いが詰まっていることもあって感極まることが何度もあって。そうしたMCの後にこの曲を歌ってお客さんの表情を見た時に、「あ、響いているような気がする」と感じることができました。

ーー楽曲制作やライブのMCにおける自己開示をはじめ、2022年はyamaさんにとって大きな転機の年であり、その変わり続けていく姿に胸を打たれた観客はきっと多かったのではないかと思います。

yama:自分は、きっとまたこれからもたくさん変化していくと思うんですよ。今年はすごく自己開示した年だったように、これから活動を続けていく中では、多分1年ごとに新しいテーマがあると思います。自分の中で、「こういう姿を見せたい」「こういう自分を知ってほしい」というテーマが芽生えるはずで、これからもいろいろ変化し続けると思うんですね。

 だけど変わらずファンの方に覚えておいてほしいなと思うことは、音楽で、歌で自分を伝えたいという心の芯は変わらないっていうことです。もし離れたように感じても、「ちゃんとあなたたちを思って歌っています」という意味も込めて、今回「それでも僕は」を書いたので。だから、これから変わっていった時に、もしかしたら強くなったように見えることもあるかもしれないんですけど、本質的な弱さは変わらないと思います。どんな形であれ、変わらない心があるというのを覚えておいてほしいなと思います。

ーーその誠実な言葉は、きっとファンの方にもしっかり伝わると思います。今後、1年ごとにテーマが変わっていくかもしれないというお話がありましたが、これまでyamaさんにとって大きなテーマであり続けていた『Versus the night』は、今回のアルバム制作とツアーによって決着したのか、それともyamaさんにとって永遠のテーマであり続けるのか、どちらでしょうか。

yama:永遠のテーマであり続けると思います。今回で、『Versus the night』というテーマと永遠に向き合い続けることを決意した、という感じです。

ーーyamaさんにとって“夜”という言葉は、例えば、孤独の象徴だったり、逃避先であったり、いろいろな意味合いがあるかと思いますが、これから変化を重ねていく中でも、そのテーマと向き合い続けていく、と。

yama:自分の逃げ出したくなる性格や、そうした弱さは絶対に変えられないなと思うので、それを定期的に思い出しながら、新しいテーマに挑み続けなければならない、そんな決意ですね。

ーーありがとうございます。今回のアルバムにおいては、「それでも僕は」以外の一部の楽曲にも制作に携わっていて、今後のソングライターとしての変化・進化への期待も高まりました。

yama:どんどん曲を書いていこうという思いはあります。今はまだ、作曲に関しては赤ちゃんというか、本当に分からないことだらけです。他の作家さんが書いた曲を聴いても、何かすごいことをやっているのは分かっても、それをうまく説明できない段階で。これからどんどん勉強して、経験を重ねていって、いつか細かい部分まで汲み取れるようになりたいと思っています。そうなれたら、自分の楽曲制作もそうですけど、ライブをする時に、例えばバンドメンバーに対して、目指したい音作りの方向性などをよりしっかり伝えられるようになるはずで。ライブ活動にも活きてくると思うので、その意味でも、作詞作曲は頑張って続けたいなと思います。

ーー今回行うシークレットライブ(10月27日実施)は参加者の全員の顔が見える距離感のライブで、きっと通常のライブよりも親密なコミュニケーション空間になると思います。どのような気持ちで臨みますか?

yama:この企画を提案していただいた時に、これまで少人数のライブをすることがなかったので、すごくいい機会だなと思ったんです。でも、まだちょっと想像がついていない所もありますね。もちろん、いつものライブでも、お客さんの顔を見てリアルタイムに返ってくる反応を楽しんではいるんですけど、よりそうした反応が見えやすいので、たくさんお客さんがいるワンマンやフェスのステージとは違うものになるんだろうと思います。

 リラックスしようと思っているんですけど、緊張もするんだろうなと。ただせっかくの機会なので、肩の力を抜いてやってみたいという思いも込めて今回はアコースティック編成のライブになりました。お客さんにとっても、より声や音がクリアに入ってくると思うので、その空気感を楽しんでもらえたらいいなと思っています。

※インタビューは10月27日に実施

■配信情報
『yama LIVE COLLECTION 2020 - 2022』
Prime Videoにて、2022年11月25日(金)より配信開始
作品ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B0B6RF2G5T
予告編映像 : https://youtu.be/G27bNgr5nvA

yamaの最新ライブ映像『yama 2022 Live / Life is Beautiful』と、その制作風景に迫るドキュメンタリー『yama 2022 Documentary / Life is Beautiful』はPrime Video独占配信。
『yama LIVE COLLECTION 2020 - 2022』は、上記2作品を含む、全7エピソードで一挙配信予定です。

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