Dannie May、三者三様のボーカルが生み出す熱狂渦巻くステージ クジラ夜の街招いた2マンライブ東京公演レポ
3人組ボーカルワークバンド・Dannie Mayが10月26日、2マンライブ『Dannie May Presents “Welcome Home!”』を渋谷 CLUB QUATTROで開催した。
まずはゲストとして呼ばれた、クジラ夜の街のステージから開幕。独自の世界観を確立した楽曲とスキルフルなパフォーマンスで、観客たちの心を一気に掴んだ。クジラ夜の街が熱量のあるパフォーマンスで会場の空気を一気に上昇させたところで、続くDannie Mayにバトンタッチ。初っ端から爆発力抜群の「玄ノ歌」を繰り出すと、フロアにはハンドクラップの音が鳴り響き、早くも一体感が生まれ始める。
マサ(Vo/Gt)の「最高のファンタジーをありがとう、クジラ。ここからは僕たちが最高のリアルをお届けします」という台詞を合図に、「灰々」へ。その言葉通り、人生の虚無感と儚さを綴った歌詞を極上のサウンドにのせて歌い上げる。観客たちは片手を高く上げ、彼らの音楽に身体を揺らしていた。中毒性の高いメロディの「針よ墜とせぬ、暮夜の息」では、田中タリラ(Vo/key)がステージ前方で飛び跳ねながらフロアを煽る場面もあり、ライブ序盤にも関わらず会場のボルテージはぐんぐんと上がっていく。
その熱気はメンバーにもしっかりと伝わっていたようで、MCではマサが「ちょっとずつライブの空気が(コロナ禍前に)戻ってきた感があって嬉しい」とフロアを見つめ、Yuno(Vo/Kantoku)は「もう1曲目からみんながノってくれるから楽しい」と笑顔を見せた。続いて披露したのは、10月19日に配信リリースした最新曲「めいびー」。弾むようなリズムに乗せて他愛のない日常の幸せを歌う3人は、ステージ上でアイコンタクトを交わし合い微笑む。彼らの楽しそうな様子がフロアにも伝染し、幸福感あふれる空間が出来上がっていた。
リラックスムードの「白ノ歌」で各々の声質を活かした歌声を存分に披露したあとは、「軽く踊りましょう!」という煽りから「一生あなたと生きていくなら」が始まる。マイクを片手にステージ上を歩きながらフロアの隅々にまで視線をおくり、一人ひとりをノせていくマサ。田中タリラとYunoも声を合わせて軽やかに歌い上げ、観客たちはハンドクラップを打ち鳴らしながら音に身を委ねる。会場は、心地よく自由な空気に満ちていた。