ExWHYZ、1stアルバム『xYZ』が示す“生まれ変わり続ける”姿勢 EMPiREからの変化と進化が刻まれた決意の1枚

ExWHYZ、1stアルバムに刻まれる決意

 以降、トラックリストの後半になればなるほど、ジャンル感はより曖昧に、しかし曲それぞれのキャラクターはより際立っていく。今作の中でも思いっきりトレンドのサウンド感に振り切ったダンスポップチューン「WEEKEND」があるかと思えば、びっくりするくらいストレートなサウンドとともに6人の声が響いてくるバラード「あいしてる」がある(この曲を書いているのはOvallのメンバーとして、またプロデューサーやコンポーザーとして活躍する関口シンゴだ)。数々のヒットチューンを手掛けてきた栗原暁(Jazzin' park)と前田佑のタッグによる「You & Me」は、「STAY WITH Me」とは違う角度でEDMをJ-POP化したアッパーチューンになっているし、ヒットメイカーといえば今まさに再注目のShin Sakiuraは「Higher」で大胆にメンバーの個性を料理している。

 そんなアルバムの最後にくるのが、再びyahyelの2人による「Universe」である。ここでも、ExWHYZは自分たちの決意を再確認するように〈Endless 生まれ変わるの/繰り返す鼓動の果てに〉と歌う。ここぞというときに鳴るギターやシンセのレイヤーが効いているが、構造自体はきわめてシンプルなこの曲。だからこそ6人の声がはっきりと聞こえてきて、そこに宿る意思をしっかりと感じ取ることができる。もしかしたらこのアルバムの中でいちばんEMPiREっぽい曲かもしれないが、「xYZ」からの流れの中でここに辿り着くと、やたらと新鮮に聞こえてくるから不思議だ。その感覚こそが、このアルバムを通してEMPiREがExWHYZへと生まれ変わったことの証明なのかもしれない。

 「Wanna Dance」を聴いたときは「こういうジャンルや時代感でいくのか」と正直思った。「こういう」というのは、ざっくり言えば90年代っぽいアナログ感のことだ。アルバムのアートワークもアシッドジャズかトリップホップ、あるいは90年代の<Warp>あたりのレコードジャケットのようだし、そういうものを表現するグループとしてExWHYZは進んでいくものと思ったのだ。声にも合っている気がするし、いいんじゃないか、などと偉そうに考えていたのだが、『xYZ』はその想像のはるか上を超えてきた。このアルバムに刻まれているのは「生まれ変わり続ける」というアティテュードだ。ジャンルも時代も超えて、常にフレッシュであり続ける。ジャンルやスタイルで定義することは不可能、しかしクオリティはきわめて高い、そんなアルバムである今作は、ExWHYZというグループの可能性をどこまでも拡大する。どうなっていくのか予想もつかないし、だからこそ面白い。参加しているメンツを見たら「WACKにしては珍しい」と感じるかもしれないが、その予測不能の攻めた姿勢こそまさにWACKだともいえる。とにかくこのアルバムを聴いてあなたにもその驚きを感じてほしいし、その先に続いていくExWHYZの未来を楽しみにしたいと思う。

ExWHYZ / The Birth of ExWHYZ [introduction]

■リリース情報
ExWHYZ 1stアルバム『xYZ』
2022年11月2日(水)リリース
予約/購入:https://lnk.to/ExWHYZ_xYZec
・初回生産限定盤(CD+Blu-ray+PHOTOBOOK):¥7,150(税込)
※BOX仕様
・DVD盤(CD+DVD):¥6,050(税込)
・通常盤(CD only):¥3,300(税込)

<CD収録内容>
1. xYZ
2. D.Y.D
3. STAY WITH Me
4. Obsession
5. 4:00 a.m
6. WEEKEND
7. Wanna Dance
8. あいしてる
9. You & Me
10. Higher
11. Universe

<Blu-ray収録内容>
Document Film “The Birth of ExWHYZ”
Music Video “Wanna Dance”

<DVD収録内容>
Document Film “The Birth of ExWHYZ”

公式ホームページ

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