DEEP SQUAD、「VIVA SUMMER!!!!!!」に込めた遊び心 グループ史上最もアッパーなサマーチューン完成

 DEEP SQUADがニューシングル『VIVA SUMMER!!!!!!』を8月31日にリリースした。前作『Gimme Gimme』以来4カ月ぶりとなる今作は、ナガシマスパーランド「ジャンボ海水プール」2022年CMソングとして書き下ろされ、夏を感じさせるアッパーな曲調にグループの持ち味である各々の表情豊かなボーカルが乗った楽曲になっている。そしてMVでTikTok映えしそうなコミカルなダンスに挑戦している点、メンバー・杉山亮司が作詞に参加したカップリング曲「夏薫風」にも注目だ。

 さらに杉山亮司、宇原雄飛、比嘉涼樹の3名が映画『HiGH&LOW THE WORST X』劇中歌を担当するなど、チャレンジングな話題が尽きない。そんな若手を年長メンバーはどう見ているのだろうか。今回は新譜とその制作の裏側を新たな動向を含め、DEEP SQUADに語ってもらった。(小池直也)

絶妙な抜け感とキャッチーさへのこだわり

ーー『VIVA SUMMER!!!!!!』完成おめでとうございます。もはやナガシマスパーランド「ジャンボ海水プール」といえばDEEP SQUAD、というイメージになっていますね。

DEEP TAKA(以下、TAKA):3年目ということで、またタイアップいただけたことに感謝です。ずっと我慢している人もたくさんいると思うのですが、今年の夏こそは盛り上がれるような曲を作ろうと。

杉山亮司(以下、杉山):DEEP SQUAD史上一番の夏っぽい楽曲になっているので、ライブで盛り上がれるはずです。コロナ禍で難しかったですが、フェスとかも出たいですね。

比嘉涼樹(以下、比嘉):「これまでで一番アッパーな曲にしたい」と話しながら、制作前からファンクな感じも入れたいね、とアイデアを膨らませていました。曲の中だけでも、自由な夏にトリップしてもらえれば嬉しいです。どういう反応があるかに期待してます。

宇原雄飛(以下、宇原):パーティーチューンといっても、自分たちらしさも出したかったので、歌い繋ぐ感じもしっかり表現しました。

ーー楽曲のプロデュースには、ニューヨークで音楽を学んだデュオ・Bedroom Cinemasが参加されています。

杉山:中国出身のChrisさん、日本出身のKenjiさん、おふたりによるユニットですね。

DEEP YUICHIRO(以下、YUICHIRO):彼らは日本語と英語の言葉遊びが特徴的ですね。日本語なのに英語に聴こえたり、両方の言語が融合したような質感なんです。お会いしたことはないですが、僕らもニューヨークに住んでいたので縁を感じます。

DEEP KEISEI(以下、KEISEI):そういう意味では、DEEP時代の楽曲と比較しても突出した曲ですね。一見ふざけてる感じなんですけど、この抜け感が大事。カッコいいサマーチューンもありますが、みんなに楽しんでもらうためにはこれくらい軽い方がいいんじゃないかなと。

ーーレコーディングについてはいかがでしたか。

TAKA:今回も若手メンバー3人にパート割を考えてもらいました。特に亮司にはサウンドプロデューサー的な立ち位置でレコーディングや制作に携わってもらいましたが、なかなか苦戦しましたね。

 プリプロ(レコーディングの前段階となる仮録音)の段階から「ここは○○の声の方が合うね」と意見を出し合い、歌ってみて「ちょっとイメージと違う」となれば順番を差し替える、という作業を繰り返して。

杉山:何回も考え直した結果、最終的に今の形になりましたね。最初はひとりが歌うパートをもっと長く設定していて、サビも前半と後半でひとりずつの尺だったんです。でも、ひとりが目立つよりも入り組んだ感じにした方が、スムーズに聴けるような質感になるなと。トラックのサウンドもオシャレなのでBGMにもなるし、いい意味で聴き流せる仕上がりも意識しました。

DEEP TAKA

ーーアドリブ(合いの手)もふんだんに入っていますね。これまでのDEEP SQUADには、あまりなかったアプローチだなと思いました。

杉山:そうですね。実はデモでいただいた仮歌をそのまま合いの手に使って遊んでいる部分もあるんですよ。ひと言の「Yeah」でも僕たちには出せないバイブスがあるので。

YUICHIRO:メロディに関しても斬新でした。特にサビの〈Oh〉で下がる部分は、自分の声のレンジにちょうどハマって気持ちよかったですね。難しめな節回しですが、レコーディングも一発で決まってよかったです。仮歌はレイドバック気味の歌い方でしたが、自分らしく思い切って歌いました。

KEISEI:僕は〈朝まで歌いたい〉という部分をシャウトめに歌ったのですが、特に何かを意識することなく、自然体でレコーディングできましたね。バラードだったら悲し気に、とか考えて声色を曲に寄せますが、今回はわりと地声な感じなんです。

ーー歌詞は〈変幻自在で百面相のGirl〉から始まりますが〈変幻自在〉という言葉がDEEP SQUADを連想させるなと感じました。

比嘉:そう思ってくれる人もいると思います。最初に全体を見た時から現実逃避感がありつつも、〈グシャグシャになったこの世界で〉とかは今の世の中に合っているなとも思ったんです。少しの歌詞の調整はありつつも、世界観までは変えないように気をつけました。

TAKA:オリジナル以外の歌詞を何パターンか当ててみて、入れ替えながら微調整した感じです。例えば〈Paradise〉というフレーズも最初のバージョンだと「モロッコ」だったんですが、ここはもっとキャッチーにした方がイメージしやすいかなと。

KEISEI:現実的なところと非現実的なところのせめぎ合いですね。ドライブやビールでもいいんですけど、どうせなら海外のパラダイスをイメージして、「シャンパン!」という盛った表現なんです。〈手ぶらで新幹線〉を現実にやっている人って、そうそういないですけど(笑)。

DEEP KEISEI

ーーカップリング曲「夏薫風」では、杉山さんが作詞で参加しています。「ひと夏の切ない思い出」をテーマにされたとのことですが、こちらについても教えてください。

杉山:実体験を混ぜ込んだ歌詞になってます。好きだけど続かない恋愛ってあるじゃないですか。嫌いじゃなくても別れを選択する場合だったり。その別れを感じるような世界観になっています。恋も夏も終わるんだなと。

 あと自分にとっての夏のイメージは「楽しむ」だけじゃなくて「懐かしい匂い」とか「夕方の風」もあって、記憶が蘇る瞬間って五感で感じる、そういうものに触れた時なんですよ。夏が薫る風が吹いた時に誰でも思い出せるような曲にしたかったので、タイトルもエモさを感じるものにしました。

杉山亮司

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