フェス中止やメンバー欠員への“緊急対応”が話題 King Gnu、関ジャニ∞、BREIMEN、ヤバT……1回限りの特別演出に注目

 まだまだコロナ禍は終わらない。死者数や重傷者の割合は減っているものの、8月に入ると全国の感染者数が過去最多を更新することもあり、気を抜けない日々が続いている。しかしコロナとの付き合い方や戦い方も少しずつわかってはきた。世の中の流れもコロナ禍初期とは変わり、感染症対策をしつつも社会活動や経済活動を行えるようになっている。ライブシーンも例外ではない。かつては感染拡大防止を理由に中止になるライブやイベントが多数あったが、今は完全とは言えずとも、コロナ禍以前に近い形で開催できるようになった。2020年以降の音楽業界が、感染症対策を徹底し安全な運営を務めた結果が認められたのだろう。

 だが、例えばアーティストがコロナ陽性者や濃厚接触者になり、ライブが延期になったり音楽フェスへの出演がキャンセルになったりと、コロナ禍によるライブシーンへの影響もまだまだ大きい。そんな中で工夫や努力によって、ピンチを乗り切ったアーティストもいる。

 例えばKing Gnuは新井和輝(Ba)がコロナ陽性となり、『NUMBER SHOT 2022』には井口理(Vo)、常田大希(Gt/Vo)、勢喜遊(Dr)で出演。その代わり新井が演奏する映像をモニターに映し、リモートで音を合わせるという特別な演出を取り入れていた。イレギュラーではあるが、工夫して4人のKing Gnuとしてライブを乗り切ったのだ。彼らはどうしても4人でライブをしたかったのだろう。

 欠けたメンバーの穴をあえてそのままにして、残りのメンバーでライブを行ったバンドもいる。『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022』に出演したORANGE RANGEがそれだ。YAMATO(Vo)が体調不良でキャンセルになったため、彼を除くメンバーで出演したのだ。HIROKI(Vo)のパートを増やし、RYO(Vo)がいつも以上に客席を煽ることで穴をなんとか埋め、いつもと変わらない熱いライブを繰り広げていた。

 さらにはピンチを逆手にとって、その日にしか観られない特別な編成のライブに変更するバンドもいる。その中でも『FUJI ROCK FESTIVAL '22』(以下、フジロック)に出演したBREIMENは特に印象的だった。いけだゆうた(Key)がコロナ陽性のため出演キャンセルとなり、ゲストにさらさ、TENDRE、BIM、田島貴男(Original Love)、松井泉を招いてセッションを繰り広げたのだ。事前にゲストは発表されていなかったので、まさかのサプライズに観客も湧き上がったことだろう。

 go!go!vanillasもフジロックで急遽特別編成のライブを行ったバンドだ。柳沢進太郎(Gt)が体調不良のため出演キャンセルになったものの、手島宏夢(Vn)、showmoreの井上惇志(Pf)、ファンファン(Tr)をサポートに招きライブを行った。普段のロックサウンドとは少し違う、温かみのあるサウンドが印象的なステージに、観客は驚きつつも楽しんだことだろう。

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