#ババババンビ、「TIFアイドル総選挙2022」優勝を勝ち取った中毒性 洗練さを極めるライブアイドルシーンのシビアさ

現在のライブアイドルシーンは「楽曲は良くて当たり前」と言われる世界

 それにしても「TIFアイドル総選挙2022」にエントリーしたアイドルをあらためてチェックすると、若手でありながら円熟味たっぷりのグループばかりだ。

 楽曲性、振付、MV、衣装などトータルでの完成度が非常に高い。10年前、いや5年前よりも数段レベルが上がっている。それだけシーンが活況を見せており、一方で洗練されたものを常に出していかないと“勝負”から脱落するということだろう。シンプルに、10年前や5年前に比べても予算面もまったく違うのではないか。アーティスト写真ひとつを見ても高級感が違う。特にMVは、このクラスになると映像的なクオリティは申し分がない。

 今のライブアイドルシーンは「楽曲は良くて当たり前」と言われる世界だ。頭ひとつ抜け出すためには、どれだけプラスアルファを作れるか、そしてアイドルファンが見たことのないものを見せられるかが鍵になってくる。その点で、エントリーされたグループは実に彩り豊かである。必ずひと癖、ふた癖が入っている。えのぐのようなVRアイドルまで出てきているところは、いかにも現代っぽい。一方で、かつての王道系アイドルのように、そのパフォーマンスを見て元気をもらえたり、背中を押される気持ちになったりするところは変わらない。

 「TIF2022アイドル総選挙」の結果を見て、あらためて現在のアイドルグループのスケールの大きさ、奥の深さを実感した。「アイドル戦国時代」と呼ばれた活況期を過ぎて随分と経つが、再び花盛りの時期を迎えるのではないだろうか。

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