日向坂46、ターニングポイントに迎える『W-KEYAKI FES. 2022』 東京ドームを経た“期別パフォーマンスの成長”が見どころに

 ドーム公演で一番の成長を感じた三期生は、大舞台にも物怖じせず、自分達らしい世界観をしっかりと築きながら先輩たちへバトンを繋いでいた。特に上村ひなのは、同期の仲間ができたことや年齢的な成長もあり、「僕なんか」では情熱的なパフォーマンスを見せるようになっている。先述のドキュメンタリー映画での、最年少にも関わらず早くも先輩たちへの恩返しのような発想でグループの力になろうとしているという発言や、渡邉の卒業ライブで「君のため何ができるだろう」に三期生から唯一参加し、二期生とともに号泣していた姿を見ていると、渡邉の思いを引き継ぎ、グループのまとめ役になっていく未来さえも想像できた。

 そして、7月21日から開幕の『W-KEYAKI FES. 2022』。真夏の野外ライブということで、炎天下が最大の敵となってくる。ドキュメンタリー映画でも、昨年の『W-KEYAKI FES. 2021』の猛暑で次々と倒れていくメンバーたちが映し出され、ベストなパフォーマンスができず、キャプテンの佐々木久美も「あのコンディションであれ以上は無理」と嘆いていたほど。今年は1日おきとはいえ2日間ともワンマンライブという条件の下、いかにベストなパフォーマンスを見せることができるのか、セットリストも大きな課題となってくるだろう。特にメンバーの負担を軽減するために期別の楽曲が多くなると予想するが、ここまで述べてきたように今の日向坂は各期生ごとに大きな成長を遂げているため、そこも見どころになるはずだ。昨年のオープニングでは、二期生・富田鈴花のラップに乗せたメンバー紹介から始まり、いつもとは違う試みを見せていたが、最近の日向坂は「THE FIRST TAKE」への出演や『大ユニット祭り』、渡邉の卒業ライブでの弾き語りなど、メンバーの歌声がフィーチャーされることが多くなっており、そういった演出も十分に考えられる。

 かつて『欅共和国』時代は、限られた出番の中で欅坂46に対して、けやき坂46がいかに爪痕を残すのかということが目標だったように思うが、『W-KEYAKI FES.』はいかに過去の自分達を乗り越えていくのかという“自分達との戦い”になっていると思う。これまでの日向坂からさらなるステップアップを果たすことができるのか。今回もまたグループにとってのターニングポイントとなるライブになりそうだ。

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