プロ野球選手は登場曲にBTSをなぜ選ぶ? カブス 鈴木誠也、ヤクルト 中村悠平、オリックス 中川圭太ら“球界ARMY”の増加
オリックス・バファローズにはARMYが多数?
オリックス・バファローズは、「ARMY(ファンの呼称)」がチーム内にたくさんいるのではないかと思うほど。
なかでも中川圭太選手は以前から打席の状況に応じて「My Time」(2020年)、「Make It Right(feat.Lauv)」(2019年)、「Euphoria」(2018年)、「IDOL」(2018年)、「Best Of Me」(2017年)、「MIC Drop」(2017年)などを使い分けてきた。ドラフト7位の下位指名で入団しながらも1年目の2019年は111試合に出場し、チームの主力となった中川選手。ちょうど2019年は、BTSが韓国人アーティスト初のグラミー賞授賞式プレゼンターとしてステージに登壇。中川選手はもともとBTSのファンだったと思われるが、グラミーデビューと1軍デビューが同じなのはおもしろい偶然だ。
バファローズはほかにも、伏見寅威選手が「Permission to Dance」(2021年)、小田裕也選手が「Savage Love(Laxed-Siren Beat) [BTS Remix]」(Jawsh 685, ジェイソン・デルーロ&BTS/2020年)と「Euphoria」、東晃平選手が「N.O」(2013年)をセレクト。そんなバファローズは2021年、25年ぶりにパ・リーグを制覇。BTSも同年は韓国歌手初のグラミー賞ノミネートの快挙を成し遂げるなど世界を席巻。2022年6月14日、グループは活動休止を発表したが、そこは足並みを揃えずに2連覇を期待したいところである。
埼玉西武ライオンズのベテランピッチャー・十亀剣選手の入場曲は「Not today」(2017年)。〈Today, we fight!(今日、自分たちは戦う)〉という強い決意が込められた曲だが、十亀選手も救援ピッチャーとしてどんな状況でも投げられるよう、1軍登録時はほぼ毎試合スタンバイ。登板間隔を空ける先発ピッチャーとは違い、毎日が勝負とあって、「Not today」に背中を押される部分があるのではないか。
プロ野球選手だけではなく、さまざまな競技のアスリートからも支持されているBTS。人間が持つ輝き、魅力、可能性について歌われる楽曲も多いことから、選手としては気持ちをシンクロさせやすいのではないだろうか。また曲調的にもテンションをあげやすい。もちろん世界的に活躍しているグループであることから、選手も「自分もいつか世界へ」という気持ちになるのかもしれない。さまざまな面において、自分を鼓舞できる要素が多いところが、アスリート人気が高い理由ではないだろうか。