Sexy Zoneの挑戦的な新境地 80’s&90’sレトロコンセプトのアルバムがチャート好調

 後半にも名曲が。butajiとSTUTSの手による(つまり、ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』主題歌の再来!)「Summer Ride」は甘く切ないシティポップ。作り手の手腕を思えばもっとモダンにすることも簡単でしょうが、ここはあえての90’s風。田島貴男(Original Love)や山下達郎の名曲に近い芳醇さが漂います。もちろん4人の歌いっぷりも見事。全力で声を張り上げない、ゆったりと力を抜いた歌唱に大人の色気が宿りました。

 さらには、特筆したいユーモアソングが「休みの日くらい休ませて」。作詞作曲は岡崎体育。歌唱の中にもノリツッコミが入り混じるロックンロール調で、下敷きはThe Knackの「マイ・シャローナ」、ユーモラスな歌詞はシブがき隊……いや、ハナ肇とクレイジーキャッツですね。もはや80’sでもありませんが、これがスパイスとして非常に効果的。レトロをコンセプトとしつつ、現代人へのメッセージとして彼らがこれを歌うことにも意味を感じます。

Sexy Zone アルバム「ザ・ハイライト」全曲ダイジェスト

 『ザ・ベストテン』が強い影響力を持っていた80年代と、そこから続く音楽バブル期の90年代をコンセプトとする『ザ・ハイライト』。どこか懐かしいと感じたのはこちらが昔を知っているからで、若い世代には新鮮かつ斬新に響く曲が多いはず。「尖っていない」とは大変失礼な言い方でした。今回のSexy Zone、尖りまくってこの境地なのかもしれません。

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