プロダンスリーグ『D.LEAGUE 21-22 CHAMPIONSHIP』を振り返る 自らのスタイルを存分に発揮したKOSÉ 8ROCKSが初優勝
いよいよCSは最終決戦へ。レギュラーシーズン上位2チームが敗れる波乱の展開のなか、先行は昨年のCSを制覇しつつも、今季ディレクターとメンバーを総入れ替えし、新たなチームとして出発したavex ROYALBRATS。相対するはシーズン中、命がけの技術に対し、点数がついてこないことに葛藤もあったKOSÉ 8ROCKS。それぞれの難しさを乗り越えて21-22シーズンのラストバトルにまで駒を進めてきた2チームが、栄冠をめぐって衝突する。
まず10カウントからavex ROYALBRATSが出陣。「ハッピーエンドで終わりたい」と意気込み、カジュアルな衣装にトロピカルな印象の楽曲「We (feat. Emoh Les) 」(Prod.RYUJA)と、肩肘張らない姿勢を最後まで貫く。そしてKOSÉ 8ROCKSはセミファイナルとは打って変わり、自らのスタイルとスキルを惜しみなく見せつけた。最後は文字通り最後の舞台となるISSEIがセンターでエンディングを決め、全ての試合が終了。勝負の行方はジャッジに委ねられた。
判定は2-7、KOSÉ 8ROCKS(PEET:赤/テリー:青/STEZO:赤/清水:赤/JuNGLE:赤/TAKAHIRO:赤/KATSU:赤/安藤:青/オーディエンス:赤)が勝利を収め、チャンピオントロフィと賞金3000万円が贈呈された。
ジャッジについてSTEZOは「avex ROYALBRATSはプレッシャーがあるなか素晴らしかった。円になったり床に入って視線を下にしたり作り方が上手かったが、盛り上げのところでスキルフルでタイトなものがあったら見え方が変わったと思います。KOSÉ 8ROCKSは最初から見せ場のオンパレードで隙がなかったが、同時にストイックな感じもなくて、観てる方も楽しく見れたのがよかった」とした。
清水宏保は「avex ROYALBRATSはパワーとスピード、テクニックやギアの使い方。1回戦から上手かった。止める体幹力も素晴らしかった。KOSÉ 8ROCKSの捻り技は練習量をこなして体幹周りを鍛えないとできない。あれだけしなやかに動くのに、中心の軸がしっかり保たれているのは人間業とは思えない。よく最後まであれをやってのけたなと感じました」と語る。
メンバー・Taichiは「練習がエグかったです。お兄ちゃん(ISSEI)がラストなので相当に気持ちが入っていました。いい形で送り出したかったので、結果が出てよかったです」と喜びを表現。
惜しくも2位となったavex ROYALBRATSのJUMPEIは「悔しいです。ROUND.12が終わって、曲もそこから作り始めました。このメンバーで最後の作品を一緒に踊れたのがよかった。とにかく疲れましたが、これからファンのみんなやスタッフの皆さんに恩返しできたら」とした。
リーグから勇退するISSEIは「20-21シーズンが本当に悔しかったから、1位を絶対にみんなで取りたかった。『ありがとう』という言葉しかない。CSの練習はマジで地獄で、この日のために一致団結できて本当によかった。ダンスやっててよかった。ダンス最高。もっと進化させて面白い『D.LEAGUE』作ってこうぜ。そうしたら帰ってくるから(笑)。ありがとうございました」と、ユーモアを交えつつ語る姿は清々しかった。
おおよそ2週間に1回という驚きのペースで12戦を戦い抜き、今期のCSを制したのはKOSÉ 8ROCKS。今季の試合はこれで終了となるが、6月30日には「AWARDS SHOW」も予定されているので、こちらもチェックしてほしい。そして来季はすでに新たなチームの参戦も発表されている。手探りの1年目を経て、さらなる充実を見せた2年目。シーズンを戦い抜いた全選手を称えたい。そして3年目のリーグがどう飛躍していくのかに期待だ。