TWICE ナヨン、“永遠のセンター”と言われる背景 ソロデビュー決定を機に注目したい歌唱力の高さ

 5月19日、TWICE ナヨンのソロデビューが公式SNSを通じて発表された。6月24日にナヨンの名前を冠した1stミニアルバム『IM NAYEON』を発売、グループ初となるソロ活動に踏み出すこととなる。ファンが待ちに待ったTWICEメンバーのソロデビューとあって、公式の各SNSには全世界から歓喜の声が集まり、注目度も高い。今回はそんなナヨンのソロデビューを前に、彼女の歌声について改めて振り返ってみたい。

 オーディション参加時代も練習生時代も、その実力には目を見張るものがあったナヨン。TWICEのパフォーマンスにとって、欠かせない大黒柱だと言っても過言ではない。特に歌に関していえば、曲のイメージを決定づける重要な歌い出しは多くの曲でナヨンが担当しているし、サビの盛り上がりで高音域をナヨンが歌えば、持ち前のポジティブで可愛らしい雰囲気とも相まって曲全体が一気に華やぎを増す。ナヨンの存在感は圧倒的だからこそ、グループの中で「永遠のセンター」と言われるのも頷ける。

 そんなナヨンの歌には、実力の高さを示すこのようなエピソードがある。パフォーマンス前の控室でジヒョとナヨンが歌の練習をしていたところ、マイクを通さない素の歌声がトイレにまで響いていたというのだ。

 実際、ナヨンの歌はいわゆる「生歌」と呼ばれる状態でも、声量と正確さは音源に引けを取らない。2020年11月に韓国の音楽番組『M COUNTDOWN』でTWICEの「I CAN'T STOP ME」が総合チャート1位を獲得した際、アンコールのパフォーマンスでナヨンは音源とほぼ違わない歌声で、自分のパートを歌い上げた(同番組では首位アーティストがリラックスした雰囲気の中、エンディングで生歌を披露することになっている)。この曲は「横になりながら歌を収録した」と本人が語っていたほど、ナヨンにとって難易度の高いものだったが、そんなことは一切感じさせないパフォーマンスだった。

 TWICEはこれまで、王道ポップからEDM、ダンスミュージック、エレクトロニック、コンプレクストロなど多彩な曲をリリースしている。ナヨンはそれらの曲で、多くの歌割と重要なパートを任されてきた。TWICEの楽曲を数多く手掛けるBlack Eyed Pilseungのラドは、YouTubeでナヨンに多くの歌割と歌い出しを任せる理由を「ナヨンの歌声が明るくフレッシュで、TWICEのコンセプトにマッチしているからだ」と語った。ジヒョとともに音楽プロデューサーの厚い信頼を得ていることが分かるこのエピソードからも、ナヨンの歌がいかに優れているかが窺える。

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 一方で、ナヨンはバラードも上手い。歌声を細やかに変化させながら、歌の持つ切ない世界観を描き切る。メンバーがカバー曲を披露する「メロディープロジェクト」でナヨンが歌った「愛しさだけ積もるわ」というスローバラードでは、シンプルな楽曲構成の中に、Aメロでは語りかけるような息遣いの歌声を、サビではナヨンならではの伸びやかな高音の歌声を響かせ、聴く人を魅了した。

그리움만 쌓이네 - 나연

 また、ナヨンはおよそ4オクターブの音域を歌いこなすと言われるアリアナ・グランデも、YouTubeで2曲カバーしている。特に2020年末に公開した「Love is Everything」は後半、転調後に平均的な女性よりも4.5度高い音がメロディラインに組み込まれており、簡単には歌いこなせない楽曲である。

“Love Is Everything (Ariana Grande)” Cover by NAYEON - Melody Project

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