Saucy Dogに続くブレイク株は? moon drop、マルシィ、ねぐせ。……ラブソングで心を掴むバンドたち

ねぐせ。

 スロウなラブソングが中心のマルシィに対して、アップテンポで軽快なナンバーが多いのが名古屋発4人組バンドのねぐせ。だろう。結成は2020年8月。当初はYouTubeや、タワーレコードとレコチョクが運営する配信プラットフォーム「Eggs」にて楽曲を発表し、地元・名古屋を中心にライブ活動をしてきた。2021年に入ると、大阪で開催された『FM802 MINAMI WHEEL 2021』、東京で開催された『TOKYO CALLING 2021』など各地のライブイベントに出演し、徐々に活動拠点を拡大。年末には1stミニアルバム『「ハッピーな暮らし」』が、Eggsとタワーレコードによる企画「Eggs Choice Award 2021」にて年間最優秀賞作品に選出された。

 「スーパー愛したい」や「猫背と癖」に見られるような、真っ直ぐに愛を表現する歌詞がりょうた(Vo/Gt)の感情豊かな声によく合っている。そんな歌に寄り添う、ノスタルジックなバンドの演奏も魅力のひとつだろう。また、「彩り」の〈日々を彩るのは/君と僕のバカみたいなやり取りと/夜中にコンビニで買うアイス〉や、「恋夜」の〈2人で聞いてたあの曲が今になって刺さるのは/ちゃんと僕が両耳で聴けているせいだろうか〉などの情景が浮かぶ歌詞表現は、冒頭で記したSaucy Dogの楽曲に通じるものがある。

ねぐせ。「スーパー愛したい」MUSIC VIDEO
ねぐせ。「彩り」MUSIC VIDEO

 2022年5月には『OSAKA METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2022』や『VIVA LA ROCK 2022』など、各地の大型フェスへの出演も決まっているねぐせ。。音楽ファンの間で名前が浸透する日が来るのは、そう遠くはないはずだ。

 どんなに時代が変わっても、人が人を想う気持ちは変わらない。今後も、多くの人の心を掴む恋愛ソングが絶えず生まれていくことだろう。今回はリリース作品に恋愛ソングの割合が高いバンドを中心に取り上げたが、もちろん、魅力的な恋愛ソングを歌う新進気鋭のアーティストは他にも存在する。今後、邦楽ロックファンを越えてリスナー層を拡大していくのはどのバンドになるだろうか。

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