FOMAREが示したこれまでの道のりと力強い決意表明 地元 群馬で迎えた初のホール公演

 3月20日、FOMAREが自身最大キャパとなるホール公演『FOMARE pre "HOME"』を地元である群馬県高崎市の高崎芸術劇場で行った。

 ライブは「Lani」で開幕。「Continue」「FROZEN」と力強いプレイで進行する中、心情の機微がアマダシンスケ(Vo/Ba)によって瑞々しく紡がれる。「夢から覚めても」の〈いつまでも/覚めない夢でいてほしい〉、「Lani」の〈いつかこの歌と共に/消えてしまうのかな〉など、たびたび終わりの予感を漂わせながらも、ダイナミックなサウンドと、言葉を噛みしめるような歌唱で魅了していく。

 FOMAREにとって初のホール公演となったこの日だが、彼らが最初に口にしたのはホールに立った喜びではない。「コロナ禍で出逢ってくれた人もたくさんいると思います。今日は昔の曲も最近の曲もいっぱいやります!」という言葉からは、より多くのオーディエンスに自身の楽曲を直接届けたいという意思が感じられた。

 オグラユウタ(Dr/Cho)によるパワフルなドラムと、間奏でかき鳴らされたカマタリョウガ(Gt/Cho)によるギターソロがそんな意気込みを強調する「新しい歌」、アマダのベースが牽引する「5cm」と、3人の一体感を見せる楽曲が続く。すると「初めての試みをしてみようと思います」とサポートキーボードを迎え、「Canʼt help myself」「Grey」を披露。したたかな3人の演奏と滑らかなキーボードの音色がドラマチックに混ざり合い、FOMAREの表現を拡張する。さらにサポートバイオリンを迎え入れると、「この曲を直接歌えることができて嬉しいです」と「長い髪 - From THE FIRST TAKE」を届ける。透き通るような歌声にアコースティックギターが寄り添い、温かみのあるバイオリンとキーボードの音色が上品に彩る。しっとりとふくよかに演奏した「赤と青」を経て、「最近おばあちゃんの夢を見ることが多くて」とアマダが話し始める。「ライブに来てほしいと思ったけど、最近は俺を見ても誰だかわからなくなっちゃったんです。この話をライブでしようと思って。今話すことじゃなかったかもしれないけど」と呟くように口にしてから、溢れんばかりの切なさを反映した「雪あかり」を披露し、明るく包み込むような「雨の日も風の日も」へと続けた。3人の演奏から漲る静かな力強さと、ドラマチックなキーボード、大らかなバイオリンの音色が混ざり合い、繊細な景色を作り上げていく。

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